アーケード基板『システム1』

1987年にナムコが開発したアーケードゲーム基板『システム1』は、高度なスペックを備えています。メインとサブのモトローラMC68B09E CPU、専用のサウンドCPU、日立のMCUを搭載し、複雑なゲーム処理と高品質な音響を実現します。288×224ドットの解像度、最大127スプライトの表示能力、ヤマハYM2151とナムコCUS30チップによるサウンドシステムが特徴です。

特徴

『システム1』は、1987年にナムコが開発したアーケードゲーム用の基板です。この基板は、当時のアーケードゲームの技術進化を反映しており、より高度なゲームの開発と実行を可能にしました。ナムコのゲーム開発における技術革新の一環として、『システム1』は多くの人気ゲームに採用され、当時のアーケードゲーム市場に大きな影響を与えました。

スペック

メインCPUにはモトローラ製のMC68B09Eが採用されており、2.048 MHzで動作します。このCPUは、ゲームの主要な処理を担当し、当時の複雑なゲームをスムーズに実行する基盤を提供します。さらに、同じく2.048 MHzで動作する別のMC68B09EがサブCPUとして搭載されており、メインCPUを補助することで、より高度なゲーム処理を可能にしています。サウンド処理には、1.536 MHzで動作するMC68B09Eが専用のCPUとして使用され、ゲームの音楽や効果音の生成を担当します。また、日立製のHD63701が1.536 MHzで動作するMCU(マイクロコントローラユニット)として搭載され、入力デバイスや周辺機器の制御を行います。

ビデオ処理能力においても『システム1』は優れています。基本的な画面解像度は288×224ドットで、512×512ドットの3画面(64×64タイル)、512×256ドットの1画面(64×32タイル)、288×224ドットの固定2画面(36×28タイル)をサポートしています。これにより、多様な背景やマップを表現することが可能です。また、最大で127個のスプライトを同時に表示でき、各スプライトの最大サイズは32×32ドットです。これにより、動的なキャラクターやオブジェクトの表示が可能になり、ゲームのビジュアル面での魅力を高めています。

サウンドシステムは高度な構成を採用しています。BGM用にはヤマハ製のYM2151 FM音源チップを3.57958 MHzで動作させ、当時としては高品質なBGMの生成が可能です。効果音用には8チャンネルのナムコCUS30波形メモリ音源チップを96 kHzで動作させ、効果音の生成を行います。さらに、2チャンネルのNamco 63701X DACが6 MHzで動作し、音質の向上を図ります。

対応タイトル

『システム1』は、多くの有名なゲームタイトルに採用されました。代表的なゲームには、以下のようなものがあります。

『妖怪道中記』
『ドラゴンスピリット』
アーケード ブレイザー
アーケード クエスター
アーケード パックマニア
アーケード ギャラガ88
プロ野球ワールドスタジアム
『超絶倫人ベラボーマン』
アーケード メルヘンメイズ
『爆突機銃艇』
AC版『プロテニスワールドコート』
スプラッターハウス
ゲームマルシェ アーケードゲーム
『ロンパーズ』
アーケード ブラストオフ
ゲームマルシェ アーケードゲーム
アーケード デンジャラスシード
『プロ野球ワールドスタジアム 90激闘版』
アーケード ピストル大名の冒険
AC版『倉庫番DX』
アーケード タンクフォース