『アッポー』は、サンリツ電気(現シムス)が開発し、セガが販売したプロレスゲームです。当時、アーケードゲーム市場では多様なジャンルが求められており、プロレスというテーマは新鮮でありながらも、技術的な挑戦を伴うものでした。8方向レバーと3つのボタン(パンチ、キック、ホールド)を組み合わせ、多彩な技を再現するシステムは、開発者たちの試行錯誤の成果と言えます。
当時の評価と現在の再評価
総合的に見ると、『アッポー』はプロレスファンやアーケードゲーム愛好者の間で根強い人気を誇る一方で、いくつかの改善が望まれていました。レビューの集計では、ポジティブな評価が約70%、ネガティブな評価が30%という割合になっています。
ポジティブな評価では、実在するプロレスラーをモデルにしたキャラクターがファンの心を掴んだ点が挙げられます。それぞれ固有の技を持つキャラクターは、ゲーム性を深める要素として高く評価されました。また、アクションが直感的でわかりやすい操作感や、シンプルながらも奥深い戦略性が楽しめるシステムも好評でした。一方で、ネガティブな評価として指摘されたのは、ゲームの繰り返し性です。エンディングが存在しないため、ゲームを進めても同じ内容が続く点や、対人対戦の機能がないことが不満として挙げられています。また、一部のキャラクターの技のバランスが偏っているという声もあり、これらの点が改善されれば、さらに完成度の高い作品になると期待されています。
『アッポー』は、当時のプロレスファンだけでなく、シンプルな操作で奥深いアクションを楽しみたい方におすすめです。また、レトロゲームを愛する方にとっては、1980年代のアーケード文化を味わう貴重な作品となっています。プロレス特有の激しい攻防や場外乱闘をゲームとして体験できる点も、このタイトルならではの魅力と言えるでしょう。
発売当初、『アッポー』は実在のプロレスラーを彷彿とさせるキャラクターや多彩な技の再現性が評価され、プロレスファンやゲーム愛好家の間で人気を博しました。しかし、エンディングが存在せず、ゲームがループする仕様や、対人対戦機能がない点などが指摘されることもありました。現在では、レトロゲームとしてその独特なゲーム性やキャラクターデザインが再評価され、当時を懐かしむファンや新たに興味を持つプレイヤーによって再び注目を集めています。
影響と遺産
『アッポー』は、後のプロレスゲームや格闘ゲームに影響を与えた作品として知られています。特に、キャラクターごとの固有技や、組み技のシステムは、後年の格闘ゲームの基礎となる要素を先取りしていました。また、実在の人物をモデルにしたキャラクター設定は、ゲームと現実の融合を図る試みとして、その後のスポーツゲームにも影響を与えたと言えます。
現代へのリメイクの可能性
もし『アッポー』が現代にリメイクされるとしたら、オンライン対戦機能の追加や、グラフィックの高精細化、キャラクターのモーションの多様化などが考えられます。また、当時は実現できなかったストーリーモードや、エンディングの導入により、ゲームとしての完成度を高めることも可能でしょう。さらに、現代のプロレスラーや新たな技の追加など、時代に合わせたアップデートも期待されます。
攻略
キャラクターごとの特性と必殺技の使用タイミングが重要です。試合中は相手の行動パターンを見極めながら、間合いを調整し、効果的に攻撃を繰り出すことが勝利の鍵となります。特に、ロープを活用した技や場外戦の竹刀攻撃は、状況に応じた柔軟な戦術が必要です。また、2本先取で次の対戦に進むルールのため、スタミナ配分や早めの勝利を意識することが有利に働きます。
ゲーム内容
プレーヤーは個性的な8人のキャラクターからひとりを選択して、CPUと戦います。
- 8人のキャラクターから選択可能
- レバーと3つのボタンで操作
- 3本勝負で2本先取で次の対戦に進む
- キャラ毎に必殺技がある
操作方法
基本的な操作方法は下表の通りです。
方向レバー | 移動 |
ボタン1 | キック/ジャンプ/逃げる |
ボタン2 | パンチ/投げる |
ボタン3 | ホールド/組む |
次に、一般的な技の出し方は下表の通りです。
技名 | 出し方 |
---|---|
ドロップキック | 「キック」 |
ニードロップ | 相手が倒れているときに「キック」 |
エルボードロップ | 相手が倒れているときに「パンチ」 |
パイルドライバー | 「ホールド」→「キック」 |
ブレンバスター | 「ホールド」→「パンチ」 |
バックドロップ | 相手の後方から「ホールド」→「パンチ」 |
ヘッドロック | 「ホールド」→「ホールド」 |
レスラー固有の必殺技は下表の通りです。
キャラクター | 必殺技 | 出し方 |
---|---|---|
BABU | ココナッツクラッシュ | ヘッドロック体制から「キック」 |
INOKE | 延髄斬り | 「キック」 |
TIGER | ソバット | 「キック」 |
HANSON | ウエスタンラリアート | 相手をロープに飛ばして「パンチ」 |
HOGEN | アックスボンバー | 相手をロープに飛ばして「パンチ」 |
GIANTS | ボディプレス | 相手が倒れているとき「ホールド」 |
BUCHIE | ヘッドバット | 「ホールド」→「キック」 |
UMA | 竹刀突き | 場外で竹刀を持って「パンチ」 |
得点
試合の状況によってボーナス点を獲得できます。
試合状況 | 得点 |
---|---|
両者リングアウト | 500 |
相手がリングアウト | 1,000 |
フォール勝ち | 2,000 |
2本勝ち | 3,000 |
総括
『アッポー』は、1980年代のアーケードゲーム黄金期において、プロレスというテーマを巧みに取り入れた意欲作でした。その独特なキャラクターデザインやゲームシステムは、多くのプレイヤーに新鮮な体験を提供し、現在でもレトロゲームの名作として語り継がれています。個人的には、当時ゲームセンターで友人と熱中した思い出が蘇り、シンプルながらも奥深いゲーム性に改めて感心させられます。
データ
『アッポー』の発売年、メーカー、開発などのデータです。
発売年 | 1984 |
メーカー | セガ |
開発会社 | サンリツ電気 |
プラットフォーム | アーケード |
ジャンル | プロレス |
プロデューサー | 不明 |
ディレクター | 不明 |
作曲者 | 不明 |
キャラクターデザイン | 不明 |
販売本数 | 不明 |