アーケード基板『システム86』

ナムコの『システム86』は、メインとサウンド用にモトローラMC6809、MCUに日立HD63701を搭載したアーケードゲーム基板です。画面解像度は288×224ドット、最大127スプライト表示が可能。サウンドはヤマハYM2151とナムコCUS30を使用し、高品質なBGMと効果音を実現しています。

特徴

この基板は、サウンドIC構成に大きな影響を与え、FM(シンセサイザー)音源とナムコ独自のPCM(サンプリング)音源「C140」や「C352」の開発につながりました。特に、FM音源IC「YM2151」の採用は、サウンドクリエイターとプログラマー、エンジニアの間のコミュニケーションによって音源が使いこなされていました。また、「システム86」から「システム1」への移行時には、FIFO(First-In First Out)のバッファ(RAM)が追加され、YM2151の制御命令を高速にバッファメモリに書き込み、データを転送する機能が強化されました。

スペック

メインCPUにはモトローラ製のMC6809が採用され、1.536 MHzで動作します。このCPUは、ゲームの主要な処理、例えばキャラクターの動きやゲームロジックの制御などを担当します。サウンド処理のためにも同じくMC6809が使用され、これも1.536 MHzで動作し、音楽や効果音の生成を担います。さらに、日立製のHD63701 MCUも1.536 MHzで動作し、入力デバイスからの信号処理や特定の制御タスクを効率的に処理します。

ビデオ機能においては、基本的な画面解像度が288×224ドットで、クリアで鮮明な画像を提供します。さらに、512×256ドットの4画面(64×32タイル)表示が可能で、より広い視野と詳細な背景表現を実現します。最大127スプライトを同時に表示でき、その最大サイズは32×32ドットです。これにより、多くのキャラクターやオブジェクトを動的に画面上に描画することができ、ゲームの視覚的な魅力を高めます。

サウンドシステムは、複数の音源チップを使用して高品質なオーディオを実現しています。ヤマハのYM2151 FM音源チップは3.57958 MHzで動作し、8チャンネルの音声出力が可能で、BGMの生成に使用されます。ナムコのCUS30波形メモリ音源チップは96 kHzで動作し、効果音の生成に使用されます。また、Namco 63701X DACは6 MHzで動作し、合成音声用に使用され、「源平討魔伝」、「ローリングサンダー」、「ワンダーモモ」などのゲームで効果的に活用されています。

対応タイトル

多彩なタイトルに導入されています。空を舞う冒険「スカイキッドDX」、跳ねる楽しさ「ホッピングマッピー」、神秘的な世界「イシターの復活」、歴史的な戦い「源平討魔伝」、スパイアクション「ローリングサンダー」、そしてヒロインの活躍「ワンダーモモ」など、多様なジャンルのゲームが楽しめます。

ゲームマルシェ アーケードゲーム
アーケード ホッピングマッピー
アーケード ザ・リターン・オブ・イシター
アーケード 源平討魔伝
アーケード ローリングサンダー
ワンダーモモ