アーケード版『パックランド』

パックランド

『パックランド』はアーケード向けのアクションゲームです。1984年、ナムコが発売しました。

『パックランド』とは

パックマンシリーズの第4弾。ゲームデザインを一新したタイトルです。パックマンを擬人化したキャラクターを操作します。横スクロールタイプのアクションゲームで、前半はフェアリーに会うために画面右方向に移動、フェアリーに会った後は、左方向に移動します。当時、このゲームは「隠しフィーチャー」に注目が集まりました。移動中にある消火栓やサボテンなどを押すことができ、さまざまな特典を得ることができます。ただ、馴染めない操作系のため、初代パックマンのような大ヒットには至りませんでした。

  • テレビアニメ(アメリカ製作)がベース
  • 多くの隠しフィーチャーを搭載

ゲーム内容

  • 敵に触れたり、穴に落ちたりするとミス
  • すべての自機を失うとゲームオーバー
  • パワーエサを食べると反撃可能

ストーリー設定

ここは「不思議なことが当たり前」のパックランド。迷子になったフェアリーを、フェ アリーの国に送りとどけてあげることが目的です。

操作方法

このゲームにはレバー操作がありません。すべてのアクションはボタンのみで行います。

方向レバーなし
ボタン1左に移動
ボタン2右に移動
ボタン3ジャンプ 

ゲーム構成

ゲームは1トリップ4ラウンドで構成されており、1から3ラウンドはフェアリーの国を目指して右に進み、4ラウンドは帰り道で左へ向かって進みます。フェアリーにもらったブーツで空を飛んで帰ることができます。ラウンド32をクリアするとトリップ9に突入しますが、実質、トリップ5に戻るループタイプ。ただし、周回時は難易度が高くなっています。下表は、各ラウンドのフルーツや隠しフィーチャーの数をまとめたものです。

ラウンドフルーツパワーエサ隠しフィーチャー
182ヘルメット・花
281ワープ・花
381透明・花
4161風船・SPパックマン・花
581ヘルメット
681なし
780なし
8160風船
981ヘルメット
1081なし
1181透明
12131風船
1381ヘルメット
14160なし
1580なし
16161風船・SPパックマン
1781ヘルメット
1890なし
1912なしなし
20161風船
2181なし
2280なし
2380なし
24161風船
2581ヘルメット
2681なし
2781透明
28111なし
29121なし
30140なし
3181なし
32381なし

敵キャラクター

敵モンスターは5匹います。それぞれ個性的なアルゴリズムでパックマンに襲いかかってきます。各モンスターの特徴を下表にまとめました。

名称特徴
ブリンキー移動速度は遅い。ホッパーに乗っているときはフェイントをかけてくる。
ピンキースピードは速い。ホッパーに乗ったときはフェイントをかけてくる。
インキー飛行機に搭乗時、体当たりを仕掛けてくる。建物の窓から小モンスターを落としてくる。
スー通常時の移動スピードは遅いが、タイムアウトになると高速で移動。
クライドスピードは速く、小モンスターを大量に落とすなど高い攻撃力を持つ。追跡能力も高い。

得点システム

プレー中、獲得できる得点についてまとめました。主に、得点は(1)モンスターを撃退(2)フルーツなどのアイテムを獲る(3)パックマンが特定のアクションをする、のいずれか。

モンスターを撃退

パワーエサを食べた後、モンスターがいじけた状態になったときに撃退することができます。連続で撃退すると高得点になります。

モンスターの数得点
1200
2400
3800
41,600
53,200
6以上7,650

アイテムの得点

ラウンド中、フルーツが出現します。フルーツを獲ると得点が加算。フルーツの種類と獲った数によって得点は変化します。下表は、フルーツと獲得数による得点テーブルです。

1234
チェリー1003005001,000
ストロベリー3005001,0001,500
オレンジ5001,0001,5002,000
アップル1,0001,5002,0002,500
メロン1,5002,0002,5003,000

フルーツ以外にもアイテムが出現します。隠しフィーチャーとして出現するアイテムは高得点です。

アイテム得点
風船100 or 7,650
ギャルボス7,650
小モンスター※300

アクションによる得点

パックマンの移動や隠しフィーチャー利用による得点は下表の通りです。

アクション得点
移動(2歩毎)10
TIME(1桁につき)500
ワープ利用70,000
アーティスティックボーナス下記参照
アーティスティックボーナスとは

ラウンド最終地点到達時のパックマンの高さ位置によってボーナス点を加算する仕組みです。得点幅は10~7,650ptsですが、正確には10、100、300、1,000、7,650ptsのいずれか。7,650ptsを獲得するためには、地面より少し高い位置で到達する必要があります。

フィーチャー

フィーチャーは「通常」と「隠し」のふたつがあります。通常のフィーチャーは、特別な条件は必要なく移動中に見つけられるものです。隠しフィーチャーは、特定のラウンドで消火栓やサボテン、切り株を押すと出現するものです。

通常

フィーチャー内容
パワーエサ取ると一定時間モンスターに反撃ができる。モンスターを連続して撃退すると高得点。
船は壊れた橋のラウンドで登場。取ると橋の一部を修復できる。
水鉄砲障害物。パックマンは水鉄砲にあたると動きが鈍くなる。
水柱水中から吹き上げてくる。真上に乗ることで高くジャンプできる。
ガイコツ障害物。ガイコツの周囲は蟻地獄になっている。落ちたときはボタン連打で脱出可能。
鍵と扉扉は鍵で開けることができる。鍵は一度だけ使用可能。

隠し

フィーチャー内容
ヘルメット各トリップの最初のラウンドに隠されている。小モンスターに接触してもミスにならずに300点を獲得できる。消火栓や切り株などの障害物を押し続けると出現する。
ワープラウンド2限定のフィーチャー。出現方法はヘルメットと同じ。トリップ3までワープできる。ラウンド1でミスしていたり、スコアが10,000点未満のときは出現しない。
透明各トリップの3ラウンド目に隠されている。取るとパックマンの体が透明になり、モンスターに当たってもミスにならない。効果は一定時間のみ。
風船帰途のラウンドに隠されている。画面上に6個の風船が出現する。障害物を押しはじめてから風船が出現するまでに10,000の桁が変わるとすべての風船が7,650点になる。
ラッキーパックマンパワーエサを取りモンスターがいじけているとき、5匹目にスーを撃退すると出現。取ると残りのタイマーがボーナスとして得点に加算、かつ、満タンになる。
SPパックマンラウンド4と16で出現。ラウンド4ではサボテン周辺、ラウンド16では岩の柱周辺を移動中に出現し、進行方向と逆に飛んでいく。取ると1UP。
ギャルボスモンスターたちが小モンスターを落とすときに、まれに落とす。出現すると一定の軌道を描いて飛び、地面に落ちると消えてしまう。取るとボーナス7,650点が加算。
トリップ1限定。各ラウンドにふたつ隠されていて、所定の場所でジャンプすると花が咲く。

サウンド

『パックランド』の楽曲は、各場面の雰囲気やプレイヤーの心理を巧みに表現しています。軽快でリズミカルなメロディが多く、テンポの変化や音階の上昇・下降を通じて緊張感や達成感を強調。特に重要な場面では、音の遅れや和音の強調によって、ゲームの進行と共にプレイヤーの感情を引き立てる構成となっています。

ラウンドスタート時の楽曲

テンポは非常に速く設定されており、軽快かつリズミカルな印象を与えます。リズムにおいては、短い休符が効果的に配置されており、緊張感を持たせる構成となっています。

往路の楽曲

テンポはややゆっくりとした設定で、落ち着いた雰囲気を醸し出しています。メロディラインは軽やかで、和音の進行もシンプルでありながら、優雅さを感じさせます。また、楽曲にはポルタメントが含まれており、滑らかに音が繋がることで、流れるような演奏が特徴的です。リズムパートでは、規則的なビートが刻まれており、全体的に安定感のある構成となっています。

復路の楽曲

テンポはやや速く設定され、緊張感と勢いのあるリズムが特徴的です。メロディは上昇する音階が多く含まれており、前進する感覚を強調しています。また、音符のリズムは刻まれたパターンが繰り返され、シンプルながらも力強い印象を与えます。和音の進行も独特で、緊張感を維持しながらも一貫した展開が続いています。これにより、プレイヤーは目的地に近づく興奮や、ゲームのクライマックスに向けての期待感を高めることができます。

モンスター屋敷の楽曲

テンポはゆっくりとした設定で、全体的に不穏で神秘的な雰囲気を醸し出しています。音符の配置は、緊張感を高めるように慎重に選ばれており、特に繰り返される音型が不安定な感じを強調しています。メロディラインは少ない音域で展開され、シンプルでありながらも、どこか陰鬱さを感じさせる構成です。

フェアリーに到達時の楽曲

テンポは速く、軽快で祝祭的な雰囲気を持っています。メロディは反復的なリズムと音階の上昇が特徴で、到達の喜びや達成感を強く表現しています。

ゲームオーバー時の楽曲

テンポはやや速く、短いフレーズが特徴的です。メロディは下降音階が主体となっており、ゲームの終了を告げる哀愁漂う雰囲気を醸し出しています。リズムは軽快で、終わりを強調するような配置がされています。また、最後に和音が強く打たれることで、ゲームオーバーの決定的な瞬間を強く印象付けています。

ネームエントリー時の楽曲

テンポは非常に速く設定されており、リズムに勢いがあります。メロディラインは、リズムの変化が多く、アクセントの効いた部分とシンコペーションが印象的です。また、繰り返しのフレーズが随所に配置されており、耳に残りやすい構成となっています。特に、強調された音符と休符のバランスが絶妙で、プレイヤーが名前を入力する際の集中力を高める効果が期待できます。

データ

このタイトルの基本情報です。

発売年1984
プラットフォームアーケード
ジャンルアクション
プレー人数1人/2人
メーカーナムコ
開発会社
プロデューサー
ディレクター
シナリオ
グラフィック
サウンド慶野由利子
販売数
受賞歴

評価

準備中

分析の元データは、インターネット上の書き込み情報などを可能な限り収集。相当量の情報を元に解析を実施しています。