メガドライブ版『スプラッターハウス PART2』

『スプラッターハウス PART2』

『スプラッターハウス PART2』は、横スクロールアクションゲームです。

『スプラッターハウス PART2』とは

『スプラッターハウス PART2』は、1992年にナムコから発売されたメガドライブ用横スクロールアクションゲームです。主人公のリックを操作し、前作の舞台となった「スプラッターハウス」に再び潜入して亡き恋人ジェニファーを復活させることが目的です。基本的なゲームシステムは前作を踏襲しているが、敵キャラクターやギミックはすべて一新されています。

ゲーム内容

プレーヤーはリックを操作し、「スプラッターハウス」に再び潜入します。アイテムを拾いつつ進むアクションゲームであり、敵との戦闘や障害物の回避が求められます。また、ライフゲージが存在し、敵からのダメージを受けるとライフが減少します。ゲームは各ステージのボスを倒すことで進行します。

ストーリー設定

主人公・リックは、1作目で救出できなかった恋人ジェニファーの生存を知り、再び「スプラッターハウス」へと向かいます。彼女を救出し、恐怖の館から脱出することが目的です。

リック・テイラー

主人公。恋人ジェニファーを取り戻す唯一の手段である「復活の秘儀」を手に入れるため、ヘルマスクの力を再び借り受け、呪われた館の跡地へと再び足を踏み入れます。

ジェニファー・ウィルス

リックの恋人。前作の戦いで怪物と化し、死亡したと思われていましたが…。

ヘルマスク

呪われた仮面の精霊。前作ではリックに助力しつつ最後の最後で裏切って襲い掛かってきましたが、滅びずに存在し続け、苦悩するリックの前に姿を現します。再びリックに力を与えながら、「ジェニファーを救う術がある」と唆します。本作では最後まで敵対せず、エンディングで姿を消しますが、その際の台詞が最終作「Pert3」を暗示する内容となっています。

ゲームシステム

『スプラッターハウス PART2』は横スクロールアクションゲームで、ライフ数はノーマル(標準難易度)で最大5つあり、ステージをクリアするごとに2つだけ回復できます。難易度設定により最大ライフ数、回復数は異なります。残機数はゲームスタート時は3つから始まり、スコアにより最初は2万点で1UP、以降は5万点ごとに1UPでき、最大4つまで増やせます。制限コンティニュー制で、難易度によってゲームクリア後に表示されるプレーヤーへの賞賛メッセージが変化します。

アイテム

ゲーム中、さまざまなアイテムが登場します。

アイテム効果
鉄パイプデッドマンを壁に叩きつける
巨大な骨。振り下ろしてデスノイドαを一撃で叩き潰す
ハサミ投げつけて使用する。最初はイーヴィルヘッドに操られており、リックに襲い掛かってくる。攻撃して叩き落とすことで単なるアイテムとなり、リックが使用することができるようになる
チェーンソー振り下ろして敵を切り裂く。ハサミ同様、最初は襲ってくる。ブランデッドに有効
オールデッドマンを湖へ吹っ飛ばす
ダムデッドの頭蓋骨特定のダムデッドを倒すと、ダムデッドの頭だけが残り、アイテムとして入手できる。投げつけて使用する。攻撃力は高くはないが、敵に当てると高いスコアが得られる
ショットガン装弾数は8発。唯一壁にかけてある武器で、今作では登場するのは1丁のみであり、それを使い切るとその後一切登場しない。デスノイドαに有効
フラスコ実験用の液体が入ったフラスコ。投げつけて使用する。可燃性なのか、敵に当たると燃え上がり、焼き尽くす。マッドデッドを倒すことができる唯一の武器
毒針ヘルテンタクルズが飛ばしてくる毒針。叩き落とすことでアイテムとして入手でき、投げ返すことができる。

ステージ構成

ステージ構成に関する情報です。

STAGE1 焼け跡

3か月前の業火により廃墟と化した旧ウエスト館。再びこの地を訪れたリックに、生き残りのデッドマンやボディイーター達が襲い掛かります。ボスは、デッドマンファットです。3か月間物を食べ続けた結果、欲の権化となったデッドマンの亜種です。巨体から毒液を吐き出す攻撃を仕掛けてきますが、初めのステージであるため攻略は容易です。戦いの開始と同時に飛び蹴りでダメージを与え、そのまま近くに飛び込み続けてパンチを繰り出します。しかし、倒した直後の彼の体からも粘液が飛び出し、ダメージを受ける可能性があるため、倒したらすぐに後退することが重要です。

STAGE2 エレベーター、地下道

「隠された館」への唯一の道である地下道。しかし、そこは新種の実験体デスノイドの巣窟と化しています。ボスは、デーモンフェイスです。巨大な顔を持つデーモンで、悪魔の頭部を召喚したり、デーモンブレスと呼ばれる怨念の塊を吐き出して攻撃してきます。その弱点は目ですが、一度攻撃を当てると一定時間目を閉じてしまいます。また、3つの浮遊物体は予測可能な3つのパターンを繰り返すので、左右に分かれて飛んでくるパターンが最も難易度が高いです。このパターンに対応するためには、まず右から来る物体を迎撃し、次にすぐ左を向いて1つ目の物体を破壊します。最後に低空から飛んでくる物体はジャンプで避け、すべての浮遊物体を破壊したらデーモンブレスが放出、これをジャンプで避けつつ目に飛び蹴りを当てます。

STAGE3 川、スローターハウス

腐臭の漂う川のほとり。そこではデスノイドをも餌食にする鬼魚フライングファングがリックに襲い掛かります。ボスは、イーヴィルヘッドです。「スローターハウス」の中枢で、すべてのものを操る肉塊です。ハサミ、チェーンソー、ブランデッドを念動力で操り、攻撃してきますが、イーヴィルヘッド自体は攻撃力が低いです。戦闘の第1段階では、ハサミとチェーンソーが攻撃してきますが、どちらも2回攻撃すれば倒せます。それぞれを倒した後は武器として利用でき、特にチェーンソーが強力です。第2段階ではブランデッドが登場しますが、その攻撃パターンを覚え、倒します。最後にイーヴィルヘッド自身が出現しますが、特別な攻撃はしてこないので、直接攻撃して倒します。

STAGE4 橋、島

亡霊やゾンビが徘徊する島。ボスは、メタモールです。第1の肉体が滅ぶとすぐに第2の肉体へ細胞変化を遂げる生命体です。初めは人間型でスライディングキックを使用しますが、ある程度ダメージを与えるとクモ型に変形し、突進攻撃やジャンプ攻撃を仕掛けてきます。攻撃範囲を確保するためには適度な距離を保つことが重要で、その際にはタイミングを合わせて飛び蹴りで反撃します。蜘蛛型に変形した後は、すぐに下段蹴りでダメージを与え、スライディングで反撃しながら下段蹴りを連続で当てます。

STAGE5 新ウエスト館

「隠された館」は、あらゆる物に生命を持たせた魔性窟と化しています。研究室ではおぞましき実験体たちの創造主、ウエスト博士がついに姿を現します。前作で死亡したと思われていた科学者で、ゾンビ化した自身を使って恐ろしい研究を続けていました。彼はマッドデッドを護衛に使い、自身はフラスコに入った燃える薬品を投げつけて攻撃します。しかし、ウェスト博士自体はとても弱く、パンチ1発で倒すことができます。

STAGE6 祭壇

祭壇へとたどり着き、「復活の秘儀」の呪文を唱えます。ボスは、ヘッドスネークです。死の世界の入り口から現れる手首や生首のような不気味な小型の化け物です。これらの小型の化け物は次々と主人公リックに襲い掛かってきます。序盤の大量の手は、すべて左端でしゃがみキックを行うことで対処可能ですが、上から飛んでくる化け物はタイミングが難しいです。次の顔については、最初の攻撃パターンを理解すれば問題なく対処できます。なお、最後の本体に対しては、穴に近づいてパンチを連打すれば倒すことができます。

STAGE7 死の世界

亡者たちに再び死の世界へ引き戻されたジェニファーを追うために、リック自らも死の世界へ飛び込みます。ボスは、デスクリスタルと邪神です。デスクリスタルは、ジェニファーを捕らえている水晶です。光の弾や雷で攻撃してくるので注意が必要です。ひとつ目の戦闘段階では、周りの球体をパンチで破壊し、復活するまでの間にダメージを与えるという戦法が有効です。その後は反対側にワープするデスクリスタルを追いつつ、同じく球体を破壊しながらダメージを与えていきます。次に、邪神は、デスクリスタルを破壊した後、封印が解かれた忌まわしい神です。リックとジェニファーを追ってくる存在です。邪神は直接倒すことはできないため、回避します。

STAGE8 最後の戦い

無事ジェニファーを救出し、死の世界から脱出したリック。しかし、封印の解けた空間の歪みは、館を崩壊させます。ボスは、ヘルテンタクルズです。巨大なタコの化け物で、毒針を飛ばして攻撃してくるので、敵の投げてきた針を撃ち落とし、武器として使うことで対抗できます。特に弱点は目で、そこ以外は攻撃を受け付けません。攻撃パターンが変わると立て直しが難しくなるため、注意が必要です。そして最終ボスは、忌まわしき神々のしもべです。死の世界から解き放たれた巨大な肉塊のような化け物です。その攻撃は、様々な生首を放ってくるので、それらを倒しつつ、本体をパンチ攻撃することでダメージを与えていきます。また、一定のダメージを与えると本体がコウモリの形に変化し、飛び回るので、画面中央で左右に迎撃することで倒すことができます。ただし、時間が経過すると、再び前の段階に戻ってしまうので、確実に攻撃を当てる必要があります。

敵キャラクター

ゲーム中に登場するボスキャラクター以外の敵キャラクターです。

キャラクター特徴
デッドマン下級の実験体であり、全身が焼け爛れている。単純な打撃で容易に体が千切れるが、まともに動けるのは数体のみで、一部はボディイーターに寄生されているものも存在する。
ボディイーター死肉をあさる巨大な蛭で、全身が焼け爛れている。デッドマンの身体を喰い破り、飛びかかってきたり、天井から落ちてきて噛みついてくる。噛みつかれた場合は前作同様キックで反撃しないと連続でダメージを受ける。一部は天井に潜んでおり、リックの行動次第では襲ってこない。
デスノイド上級の部類に分けられる実験体であり、緑色で高いジャンプ力を持ち、奇声を発しながらリーチの長い爪で攻撃してくる。
デスノイドα紫のデスノイドであり、耐久力があり、最も多く登場する。
デスノイドβクリーム色のデスノイドであり、培養カプセルを破壊して襲ってくる。最も耐久力が高い。
マッドデッドヘドロ状のモンスターであり、ゆっくりと前進してくる。通常の攻撃では一時的に行動不能となるのみで、完全に倒すには特定のアイテムを使わなければならない。体色が緑と紫の2種類が存在し、紫のマッドデッドはヘドロを吐いて攻撃してくる上、復活するスピードが非常に早く、液状で素早く移動してくるなどかなり手強い。
ヘルヘッド空中を飛ぶ頭蓋骨のような敵で、数体で襲ってくる。
フライングファング鋭い牙を持つトビウオの化け物であり、水中から飛び出し喰らい付いてくる。喰い付かれた場合の対処はボディイーターと同様。
ブランデッド天井の穴から出現し、毒液で攻撃してくる。
ダムデッド彷徨う霊魂がゾンビの姿で実体を得たものであり、集団で襲ってくる。動きは鈍い。地下通路に登場するタイプはリビングデッドと呼ばれ、耐久力があり、やや素早い動きをする。
エクトプラズム浮遊する亡霊。触れてもダメージを受けないが、取り憑かれると一定時間リックの左右の操作が逆になってしまう。耐久力は高く、大量に出現する。
ダークネール前作に登場した手首のモンスター「ウッディ」が進化したもの。鋭い爪が生えており、足元から襲ってくる。
ゴートヘッド壁に架けられた山羊の剥製が意思を持った存在であり、毒液を吐く。撃滅不可。

裏技

『スプラッターハウス PART2』には、裏技があります。

ステージセレクト

タイトル画面で「下、下、Bボタン、下、下、Cボタン」の順に操作を行うと、「STAGE SELECT」の表示が出現します。これにより、お好みのステージからゲームを始めることができます。

パッドでリセット

ゲーム中に「Aボタン、Bボタン、Cボタンを同時に押しながら、スタートボタンを押す」という操作を行うことで、本体のリセットボタンを押さずにゲームをリセットすることができます。この裏技は、一時的にゲームを止めたいときや、状況をリセットしたいときなどに便利です。

データ

このタイトルの基本情報です。

発売年1992
プラットフォームメガドライブ
ジャンルアクション
プレー人数1人
メーカーナムコ
開発会社ナウプロダクション
プロデューサーPAPAYA PAYAPAYA
ディレクター100 TARO
シナリオ
グラフィックA CHAN、GYOEE〜!、MIYACHAN、ながやまたいじ
サウンド金田栄子
販売数
受賞歴

評価

『スプラッターハウス PART2』は、アーケードで発売され、PCエンジンにも移植された初代の続編で、メガドライブ専用のオリジナルです。主人公リックのキャラクターデザインが初代から変更され、アイスホッケーのキーパーのようなイメージになりました。これについては好みが分かれるところで、一部のプレーヤーは初代のデザインの方が良かったと感じています。システム自体は初代と同じく、パンチやキック、スライディングといった基本攻撃、そして角材などの武器を活用してステージを進めるスタイルが継承されています。スライディングはゲームクリアに不可欠な技であり、メガドライブの初期型の大型パッドは操作性に難があるため、小型化されたパッドの使用が推奨されています。本作の全体的な雰囲気はB級ホラー映画のようなもので、グロテスクな演出が多く見受けられます。前作に比べてステージと演出はバラエティに富んでおり、大味な印象もありますが、オープニングやサウンドの良さは確かで、それが本作の魅力とも言えます。しかしながら、「2作目は1作目を超えられない」というフレーズが現れるほど、本作は初代に比べて完成度が劣ると感じるプレーヤーもいます。ステージ構成や敵キャラクター、演出など、初代に見られた独特のセンスが感じられないという評価も見られます。特に、前作で死んだと思われていた恋人ジェニファーが生きていたという設定は、一部のプレーヤーにとっては安易すぎると感じられました。また、本作はボスキャラクターが強化され、倒すためにはパターンを把握する必要があるため、前作ほどのインパクトを残せなかったという評価もあります。

総合的に見ると、『スプラッターハウス PART2』は初代のファンには物足りなさを感じさせるかもしれませんが、新たな演出や雰囲気、そして強化されたボスキャラクターなど、新たな要素を追加しています。それによって初代とは異なる魅力を持つ作品に仕上がっています。