『スプラッターハウス わんぱくグラフィティ』は1989年にナムコから発売された、ファミリーコンピュータ向けのアクションゲームです。アーケード版スプラッターハウスのコミカルなアレンジ版となっており、そのユーモラスなキャラクターデザインと独特のゲーム性が特徴となっています。
『スプラッターハウス わんぱくグラフィティ』とは
『スプラッターハウス わんぱくグラフィティ』は、1989年にナムコが発売したファミリーコンピュータ向けのアクションゲームです。本作は、その原作となるアーケード版『スプラッターハウス』の横スクロールアクションを、コミカルにアレンジしたものです。原作であるアーケード版はグロテスクな表現が特徴でしたが、本作ではキャラクターが愛らしくデフォルメされ、アクションもシンプルに簡略化されています。
ゲーム内容
本作は横スクロール型のアクションゲームで、プレーヤーは主人公・リックを操作し、様々なステージを進んでいきます。攻撃方法は斧とショットガンの2種類で、敵を倒すと経験値が獲得できます。この経験値を溜めることでライフゲージの上限が増え、耐久力が増すシステムが採用されています。また、ゲームオーバー後もタイトル画面からコンティニューが可能であり、ステージごとのパスワードにより途中から再開することも可能です。
ストーリー設定
本作のストーリーは、少女ジェニファーが恋人リックの突然の死を嘆いているところから始まります。ある日、リックの墓に雷が落ちてリックが蘇ります。しかし、同時に悪の魔王カボチャ大王も復活し、ジェニファーを連れ去ってしまいます。これをきっかけに、リックはジェニファーを救うために、暗い墓場を進んでいくこととなります。
操作方法
本作の操作方法はシンプルで、横スクロールのフィールドを移動するための十字キーと、攻撃を行うためのAボタン、Bボタンが主な操作となります。また、特定のアイテムを使用する際にはスタートボタンを使用します。
ゲームシステム
ゲームシステムは横スクロール型のアクションゲームとして、敵を倒して経験値を集め、ライフを増やすというものです。また、途中でゲームオーバーとなってもコンティニューが可能で、パスワードを使用することで任意のステージから再開できるという特徴があります。
アイテム
ゲーム中に登場するアイテムの種類と効果です。
アイテム名 | 効果 |
---|---|
キャンディ | ライフゲージを1ポイント回復する |
ハンバーガー | ライフゲージを4ポイント回復する |
ショットガン | 遠距離から敵を攻撃できる。貫通力があり、10発撃てる。発砲時にリックが若干後ろに下がる |
バケツ | ステージ5のボス戦前の部屋にのみ登場。バケツを被るとダメージが半減し、2回攻撃を受けてライフが1ポイント減少する |
ステージ構成
『スプラッターハウス わんぱくグラフィティ』は、各ステージに独自の特徴と敵ボスが配置されたアクションゲームです。最初の3ステージでは、それぞれ複数のボスが登場します。各エリアのボスを倒すことでステージをクリアすることができます。ただし、これ以降のステージでは、1ステージにつき1つのボスしか存在せず、6ステージ目にはボスは存在しません。
ステージ1:墓場の家
墓場の奥にあるステージから現れるダンシングドラキュラに率いられたゾンビ軍団がプレーヤーを待ち受けています。ダンシングドラキュラは背景を移動しながら3発の弾を撃つので注意が必要です。地面から湧き出るゾンビを一定数倒すとステージクリアとなります。次のエリアでは、地震で部屋が揺れる中、本棚から本が飛び出してきてプレーヤーに襲い掛かるポルターガイストと対峙します。さらに、浮遊する首と共にプレーヤーを襲うカチュカ&ポルターガイストとの戦闘も待ち受けています。
ステージ2:下水道
ここでは、小屋の台所にあるオーブンから次々と首なしチキンを吐き出すボス、チキン・イン・ザ・キッチンと戦います。実際に倒すべきボスは2本の飛び回るナイフです。さらに、下水道ではその場で飛び跳ねながら子ネズミを差し向けてくる巨大なネズミ、ビッグマウスと戦うことになります。
ステージ3:恐怖の町
最初のエリアでは、少女の腹を食い破り出現するタラリアンというボスに対峰します。続くエリアでは、邪教集団の司祭が変身したビッグシープと戦います。最後のエリアでは、男がハエと融合した人面ハエとの戦闘が待ち受けています。
ステージ4:湖のほとり(ダイヤモンド湖キャンプ場入口)
ここでは、ナイフとフォークを持った殺人鬼バーニンとの戦いが待ち受けています。
ステージ5:ダイヤモンドキャンプ場
このステージでは、狼男の悪霊に支配された少年オオカミマンとの戦闘があります。彼を倒すと、少年は悪霊から解 放されます。
ステージ6:丘の上の館
このステージではボスは存在せず、ステージ最後の館にたどり着くとクリアとなります。
ステージ7:悪魔の館
このステージのボスはジェニファーをさらったカボチャ大王です。小さなカボチャを撒き散らしながら攻撃を行ってきます。
隠しステージ
特定の条件を満たすことで移動できる隠しステージがふたつ存在します。ひとつは日本ステージで、ここをクリアすると1つ目のクリスタルボールが手に入ります。もうひとつはエジプトステージで、ここをクリアすると2つ目のクリスタルボールが手に入ります。これらのアイテムを集めることで隠しエンディングを見ることができます。
裏技
ステージ | パスワード |
---|---|
2 | 1055 |
3 | 3739 |
4 | 8245 |
5 | 4722 |
6 | 7397 |
7 | 8671 |
データ
『スプラッターハウス わんぱくグラフィティ』の基本情報です。
発売年 | 1989 |
プラットフォーム | ファミリーコンピュータ |
ジャンル | アクション |
プレー人数 | 1人 |
メーカー | ナムコ |
開発会社 | ナウプロダクション |
プロデューサー | JJ PAGE |
ディレクター | |
シナリオ | |
グラフィック | |
サウンド | ANNA PURUNA |
販売数 | |
受賞歴 |
評価
『スプラッターハウス わんぱくグラフィティ』は、元々のアクション要素を軽減し、ジャンプアクションの要素を増強したゲームとなっています。プレーヤーの評価はわかれる部分ではありますが、一部のプレーヤーはこの変更を「正解」と評価しており、穴や高低差のある地形がステージ内に多く配置されている点が特に評価されています。一方で、キャラクターデザインや世界観がコミカルに変わったことにより、原作ファンからは苦言が呈されています。また、一部の難易度が高い地形やトラップ、ダメージを受けた時の無敵時間の短さ、敵の集団攻撃への対応の難しさなどが指摘されています。しかし、これらの要素を踏まえた上で、本作はしっかりと作られており、気軽に楽しむことができる点や、敵の動きや攻撃パターンに飽きさせない演出が豊富である点、また、原作に繋がる真のエンディングが存在する点などが高く評価されています。
総合的な評価としては、原作への思い入れが強いプレーヤーには少々ギャップを感じる可能性がありますが、気軽に楽しめるアクションゲームを求めるプレーヤーや、様々なギミックと敵の行動パターンを楽しみたいプレーヤー、またホラー映画のパロディを楽しむことができるプレーヤーにはおすすめです。