1989年当時、ファミリーコンピュータのゲーム市場は多様なジャンルで賑わっていました。その中で登場した『スプラッターハウス わんぱくグラフィティ』は、アーケード版『スプラッターハウス』の世界観をコミカルにアレンジした意欲作です。プレイヤーは、主人公リックとなり、恋人ジェニファーを救うために、ホラー映画のパロディ満載の世界を冒険します。

開発背景や技術的な挑戦
本作は、ナムコから発売され、開発はナウプロダクションが担当しました。アーケード版のグロテスクな描写を抑え、キャラクターをデフォルメし、コミカルな雰囲気に仕上げています。また、ホラー映画のパロディを多数取り入れ、独自の世界観を構築しています。
プレイ体験
プレイヤーは、リックを操作し、斧やショットガンを駆使して敵を倒していきます。敵を倒すことで経験値を獲得し、一定数溜まるとライフゲージが増加するレベルアップ要素が特徴です。ステージは全7面で構成されており、各ステージにはホラー映画をモチーフにしたボスが待ち受けています。また、隠しステージやパスワードによるステージセレクト機能もあり、やり込み要素も充実しています。
初期の評価と現在の再評価
ポジティブな意見が約60%、ネガティブな意見が約40%とされています。
ポジティブな評価の主な要因は、独自の世界観と豊富なパロディ要素にあります。ホラー映画やオカルト作品のパロディが多数盛り込まれており、ゾンビとダンスをするドラキュラや、首が回転する人形など、元ネタを知っているとさらに楽しめる演出が光ります。また、敵を倒すことで経験値が溜まりライフの上限が増えるレベルアップ要素や、パスワードによるステージセレクト機能など、当時としては親切設計な仕組みも高く評価されています。
ネガティブな評価の要因には、操作性の難しさや一部の演出の過激さが挙げられます。特に、敵から攻撃を受けた際のノックバックや無敵時間の短さにより、連続してダメージを受けやすく、難易度が高いと感じるプレイヤーもいました。さらに、子供向けとしては一部の敵デザインや演出が過激すぎるとの意見もあり、プレイヤー層によって好みが分かれる部分となっています。
『スプラッターハウス わんぱくグラフィティ』は、ホラー映画やオカルト作品のパロディを楽しみたい方、独特な世界観や演出を味わいたい方におすすめです。また、レトロゲームやファミコン時代のアクションゲームに興味がある方にもぴったりな作品です。ただし、操作難易度に自信がない方や、シンプルなアクションゲームを求める方には、やや難易度が高く感じられるかもしれません。
隠し要素や裏技
本作には、特定の条件を満たすことで出現する隠しステージや、特定のコマンド入力で発動する裏技が存在します。
例えば、タイトル画面で2コンの下、A、Bボタンを押しながらリセットすると、テストモードに入ることができます。
また、特定のステージで特定のアイテムを取得することで、隠しエンディングを見ることも可能です。
他ジャンル・文化への影響
『スプラッターハウス わんぱくグラフィティ』は、ホラーとコミカルを融合させた独自の作風で、後のゲームやメディアに影響を与えました。また、ナムコの他作品とのクロスオーバー要素もあり、ファンの間で話題となりました。
リメイクでの進化
もし本作が現代にリメイクされるとすれば、高解像度のグラフィックやオンライン要素の導入など、さらなる進化が期待されます。また、新たなステージやキャラクターの追加により、より深い世界観が描かれることでしょう。
まとめ
『スプラッターハウス わんぱくグラフィティ』は、アーケード版の世界観をコミカルにアレンジし、独自の魅力を持つ作品です。そのユニークな演出やパロディ要素は、現在でも多くのファンに支持されており、リメイクや続編の登場が待ち望まれています。
攻略
プレイヤーは、ホッケーマスクを被った主人公リックとなり、恋人ジェニファーを救うために、不気味でコミカルな世界を冒険します。ゲームは横スクロール型のアクションで進行し、リックは斧やショットガンといった武器を駆使して、立ちはだかるモンスターたちを倒していきます。倒した敵からは経験値が得られ、一定量の経験値を獲得するとリックのライフゲージが増えるレベルアップ要素があり、プレイヤーは進めば進むほどリックを強化できる楽しさを味わえます。
各ステージにはホラー映画をモチーフにしたユニークなボスキャラクターが待ち受けており、単なるアクションゲームではない、パロディとギャグの要素が強く盛り込まれています。ゲーム全体はホラーをテーマにしながらも、過剰な恐怖表現を避け、デフォルメされた可愛らしいビジュアルで表現されています。そのため、当時の子供たちでも楽しめる親しみやすいホラーコメディアクションとなっています。
また、プレイヤーは特定の条件を満たすことで、隠しステージに挑戦できたり、ステージ中にあるパスワードを取得してゲームの続きを行える工夫も施されています。これにより、ゲームオーバーになっても最初からやり直す必要がなく、挑戦しやすい作りになっています。単なるアクションゲームにとどまらず、隠されたアイテムの発見や、複数のエンディングを見るために何度もプレイしたくなるような仕掛けが随所に散りばめられています。
ストーリー設定
本作のストーリーは、少女ジェニファーが恋人リックの突然の死を嘆いているところから始まります。ある日、リックの墓に雷が落ちてリックが蘇ります。しかし、同時に悪の魔王カボチャ大王も復活し、ジェニファーを連れ去ってしまいます。これをきっかけに、リックはジェニファーを救うために、暗い墓場を進んでいくこととなります。
操作方法
本作の操作方法はシンプルで、横スクロールのフィールドを移動するための十字キーと、攻撃を行うためのAボタン、Bボタンが主な操作となります。また、特定のアイテムを使用する際にはスタートボタンを使用します。
ゲームシステム
ゲームシステムは横スクロール型のアクションゲームとして、敵を倒して経験値を集め、ライフを増やすというものです。また、途中でゲームオーバーとなってもコンティニューが可能で、パスワードを使用することで任意のステージから再開できるという特徴があります。
アイテム
ゲーム中に登場するアイテムの種類と効果です。
アイテム名 | 効果 |
---|---|
キャンディ | ライフゲージを1ポイント回復する |
ハンバーガー | ライフゲージを4ポイント回復する |
ショットガン | 遠距離から敵を攻撃できる。貫通力があり、10発撃てる。発砲時にリックが若干後ろに下がる |
バケツ | ステージ5のボス戦前の部屋にのみ登場。バケツを被るとダメージが半減し、2回攻撃を受けてライフが1ポイント減少する |
ステージ構成
『スプラッターハウス わんぱくグラフィティ』は、各ステージに独自の特徴と敵ボスが配置されたアクションゲームです。最初の3ステージでは、それぞれ複数のボスが登場します。各エリアのボスを倒すことでステージをクリアすることができます。ただし、これ以降のステージでは、1ステージにつき1つのボスしか存在せず、6ステージ目にはボスは存在しません。
ステージ1:墓場の家
墓場の奥にあるステージから現れるダンシングドラキュラに率いられたゾンビ軍団がプレーヤーを待ち受けています。ダンシングドラキュラは背景を移動しながら3発の弾を撃つので注意が必要です。地面から湧き出るゾンビを一定数倒すとステージクリアとなります。次のエリアでは、地震で部屋が揺れる中、本棚から本が飛び出してきてプレーヤーに襲い掛かるポルターガイストと対峙します。さらに、浮遊する首と共にプレーヤーを襲うカチュカ&ポルターガイストとの戦闘も待ち受けています。
ステージ2:下水道
ここでは、小屋の台所にあるオーブンから次々と首なしチキンを吐き出すボス、チキン・イン・ザ・キッチンと戦います。実際に倒すべきボスは2本の飛び回るナイフです。さらに、下水道ではその場で飛び跳ねながら子ネズミを差し向けてくる巨大なネズミ、ビッグマウスと戦うことになります。
ステージ3:恐怖の町
最初のエリアでは、少女の腹を食い破り出現するタラリアンというボスに対峰します。続くエリアでは、邪教集団の司祭が変身したビッグシープと戦います。最後のエリアでは、男がハエと融合した人面ハエとの戦闘が待ち受けています。
ステージ4:湖のほとり(ダイヤモンド湖キャンプ場入口)
ここでは、ナイフとフォークを持った殺人鬼バーニンとの戦いが待ち受けています。
ステージ5:ダイヤモンドキャンプ場
このステージでは、狼男の悪霊に支配された少年オオカミマンとの戦闘があります。彼を倒すと、少年は悪霊から解 放されます。
ステージ6:丘の上の館
このステージではボスは存在せず、ステージ最後の館にたどり着くとクリアとなります。
ステージ7:悪魔の館
このステージのボスはジェニファーをさらったカボチャ大王です。小さなカボチャを撒き散らしながら攻撃を行ってきます。
隠しステージ
特定の条件を満たすことで移動できる隠しステージがふたつ存在します。ひとつは日本ステージで、ここをクリアすると1つ目のクリスタルボールが手に入ります。もうひとつはエジプトステージで、ここをクリアすると2つ目のクリスタルボールが手に入ります。これらのアイテムを集めることで隠しエンディングを見ることができます。
裏技
『スプラッターハウス わんぱくグラフィティ』には、ゲームをより楽しめる裏技や隠しコマンドがいくつか存在します。
ここでは、知っていると便利なテクニックやちょっとした遊び心あふれる裏技をまとめて紹介します。
いきなりエンディングを見る
タイトル画面で、コントローラーⅠの「上」「セレクト」「A」ボタンを同時に押しながらリセットボタンを押すと、ゲームを開始せずにエンディングを見ることができます。
テストモードに入る
タイトル画面で、コントローラーⅡの「下」「A」「B」ボタンを同時に押しながらリセットボタンを押すと、テストモードに入ります。このモードでは、キャラクターの表示やサウンドの再生を確認できます。
お姫様の特別なアニメーション
テストモードでキャラクター番号25(お姫様)を選び、Aボタンを連打すると、特別なアニメーションを見ることができます。33回目のAボタン押下で着物を脱ぎ、さらにもう一度押すと別のアニメーションが表示されます。
クリア時間の表示
エンディングの最後に「NAMCOT」のロゴが表示されているとき、コントローラーⅡのAボタンを押すと、ゲームクリアまでにかかった時間が表示されます。
体力を回復する
ゲーム中にポーズをかけ、コントローラーⅡのAボタンとBボタンを同時に押した後、ポーズを解除すると、リックの体力が全回復します。ただし、この裏技は1ゲーム中に3回までしか使用できません。
データ
『スプラッターハウス わんぱくグラフィティ』の基本情報です。
発売年 | 1989 |
プラットフォーム | ファミリーコンピュータ |
ジャンル | アクション |
プレー人数 | 1人 |
メーカー | ナムコ |
開発会社 | ナウプロダクション |
プロデューサー | JJ PAGE |
ディレクター | |
シナリオ | |
グラフィック | |
サウンド | ANNA PURUNA |
販売数 | |
受賞歴 |
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