1989年、ゲームセンターの薄暗い空間に響く電子音の中、ひときわ異彩を放つゲームが登場しました。タイトル画面に浮かび上がる巨大な顔面と「X∞」の文字。その名は『Xマルチプライ』。プレイヤーは未知のエイリアンに侵された人体内部を舞台に、ミクロ化した戦闘機を操り、未知なる世界へと旅立ちました。
開発背景や技術的な挑戦
『Xマルチプライ』は、アイレムが1989年にアーケード向けに開発した横スクロールシューティングゲームです。『R-TYPE』シリーズの実質的な続編とされ、フォースに代わる新たなアイデアとして、自機から2本の触手を生やし、それを操作する独特のシステムが導入されました。開発は石川県の部署で行われ、当時のゲームメディアへの露出は控えめであったため、稼働当初の知名度は高くありませんでした。
プレイ体験
プレイヤーは戦闘機「X-002」を操作し、全7ステージを進みます。特徴的なのは自機から生える2本の触手で、これを駆使して敵の攻撃を防ぎ、攻撃を行います。触手の動きは自機の移動に連動し、逆方向に揺れるように動くため、巧みな操作が求められます。各ステージの最後には強力なボスが待ち受けており、特に第2面の巨大戦艦「ギガーリアン」は圧巻の存在感を放っています。
初期の評価と現在の再評価
稼働当初はメディア露出の少なさもあり、知名度や評価は限定的でした。しかし、独特のゲームシステムやグロテスクながらも魅力的な世界観が再評価され、現在ではシューティングゲームの隠れた名作として認識されています。
他ジャンル・文化への影響
『Xマルチプライ』の触手を用いた攻防一体のシステムは、後のシューティングゲームにも影響を与えました。例えば、コナミの『XEXEX』は、本作の触手システムと『R-TYPE』のフォースシステムを融合させたゲームデザインとなっています。
リメイクでの進化
現代にリメイクされる場合、高解像度のグラフィックやサウンドの強化はもちろん、オンライン協力プレイや新たな武装システムの追加などが期待されます。また、触手の操作性をさらに洗練し、より戦略的なプレイが可能となるでしょう。
まとめ
『Xマルチプライ』は、その独特な世界観と革新的なゲームシステムで、シューティングゲームの中でも異彩を放つ作品です。初期の評価は控えめでしたが、現在ではその魅力が再評価され、多くのプレイヤーに愛されています。未体験の方は、ぜひ一度プレイしてみてはいかがでしょうか。
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