AC版『ブラッドブラザーズ』を振り返る、破壊演出と緊張感が光る名作シューティング

アーケード『ブラッドブラザーズ』は、1990年にテクモより発売された、西部劇をテーマにした固定画面型のシューティングゲームです。開発はTADコーポレーションが手がけました。プレイヤーはカウボーイとネイティブアメリカンの二人組となり、悪名高き無法者「ビッグ・バッド・ジョン」を追い詰める旅に出ます。ゲームは、敵を倒しながら画面内のオブジェクトを破壊し、ステージを進行していく形式で、同社の『カベール』と類似したシステムを採用しています。

開発背景や技術的な挑戦

『ブラッドブラザーズ』は、TADコーポレーションが1988年に開発した『カベール』の精神的続編として位置づけられています。『カベール』で培ったゲームエンジンやシステムをベースに、西部劇という新たなテーマを取り入れ、よりダイナミックな演出や多彩なステージ構成を実現しました。特に、背景の破壊要素やボス戦の演出など、当時のアーケードゲームとしては高い表現力を持っていました。

プレイ体験

ゲームは、プレイヤーが画面手前に位置し、敵やオブジェクトを破壊していく形式です。操作キャラクターは左右に移動しながら、照準を動かして射撃を行います。敵を倒すと画面下部のゲージが減少し、ゲージがゼロになるとステージクリアとなります。ステージクリア時には、残った建物が一斉に崩壊する演出があり、爽快感を高めています。また、ボス戦では、プレイヤーがミスすると最初からやり直しとなるため、緊張感のある戦いが求められます。

初期評価と現在の再評価

発売当初、『ブラッドブラザーズ』は日本国内外で一定の人気を博しました。現在では、レトロゲームファンの間で再評価されており、特にそのユニークなゲームシステムや西部劇の雰囲気が再び注目を集めています。

他ジャンル・文化への影響

『ブラッドブラザーズ』は、そのユニークなゲームシステムや西部劇の雰囲気が、後のゲーム開発者に影響を与えました。特に、ナツメが開発した『ワイルドガンズ』は、本作の影響を受けた作品として知られています。また、西部劇をテーマにしたゲームの中でも、アーケードゲームとしての完成度の高さから、後続作品の参考となる存在となりました。

リメイクでの進化

現代に『ブラッドブラザーズ』をリメイクする場合、HDグラフィックスの導入やオンライン協力プレイの実装が考えられます。また、ステージ数や武器のバリエーションを増やすことで、より多様なプレイ体験を提供できるでしょう。さらに、ストーリーモードの追加やキャラクターの背景設定を深堀りすることで、プレイヤーの没入感を高めることが期待されます。

まとめ

『ブラッドブラザーズ』は、1990年に登場したアーケードゲームの中でも、ユニークなゲームシステムと西部劇の雰囲気が特徴的な作品です。『カベール』のシステムを踏襲しつつ、新たなテーマと演出を加えることで、独自の魅力を持つゲームとなりました。現在でもレトロゲームファンの間で愛されており、リメイクや続編の可能性も期待されています。

© 1990 TAD Corporation / TECMO