『アフターバーナー』は、1987年にセガ・エンタープライゼス(現:セガ)が発売した体感型アーケードゲームで、セガAM2研制作、鈴木裕がゲームデザインを手掛けた作品です。最新鋭の戦闘機F-14トムキャットXXに搭乗し、敵機を爽快に撃墜しながら機密情報を運ぶという、スリリングなゲーム内容が特徴です。基板はXボード。
『アフターバーナー』とは
『アフターバーナー』は、1987年にセガからリリースされたアーケードゲームで、A国海軍のパイロットが主人公です。プレイヤーは最新鋭の戦闘機F-14トムキャットXXに搭乗し、敵国Z国の領空を強行突破し、重要な機密情報を運ぶミッションに挑みます。ゲームはアナログスティックとボタン操作で、おびただしい数の敵機を機銃とミサイルで撃墜し、地上攻撃や離着陸、空中給油などのミッションをこなしながら進めていきます。『アフターバーナー』は、結果、『アフターバーナー2』に続くプロトタイプ版に相当。ステージ数は18ステージです。ゲームバランスの調整やスロットルレバーの実装など、後の改良版である『アフターバーナーII』へと続く重要な基盤を築きました。
ゲーム内容
プレイヤーは艦上戦闘機F-14XXを操り、敵機を撃墜しながらステージを進めていきます。このゲームは一撃死の残機制を採用しており、一定距離を飛行することでステージクリアとなり、ボス敵は存在しません。操作はアナログスティックと1ボタン1トリガー制で、機銃とミサイルを駆使して敵を倒します。ミサイルは限定数があり、ゲーム中に給油シーンで補給されます。プレイヤーはステージクリアを目指しつつ、ボーナスステージでスコアを伸ばすことも可能です。全19ステージ構成で、実質的には18ステージが楽しめます。
ストーリー設定
世界観は、西暦199X年の架空の地球を舞台にしています。この時代は、二つの超大国、A国とZ国が世界を二分する冷戦状態にあります。この緊張関係は、既に慢性化し、いつ全面戦争に発展してもおかしくないほどの、切迫した状況に置かれています。プレイヤーはA国海軍の精鋭パイロットとして、この緊張の糸が切れる前に、重要なミッションを遂行することになります。ゲームの背景には、このように政治的な緊張感が常に漂い、プレイヤーにはその中で孤独な戦いを強いられるという、重厚でリアリスティックな世界観が広がっています。この時代背景において、技術の発展も顕著で、特に軍事技術は極めて高度に進化しています。プレイヤーが操るF-14トムキャットXXは、当時の最先端技術を集結させた最新鋭の戦闘機であり、高度な機動性と火力を誇ります。しかし、それだけに、敵国もまた強力な兵器を有しており、プレイヤーを待ち受けるのは、数の上で圧倒的に不利な戦況です。こうした技術の進歩と軍事バランスの緊張が、ゲーム全体の緊迫感を一層高めています。
ストーリーは、A国海軍に所属する一人のパイロットに焦点を当てて展開します。このパイロットには、非常に危険かつ重要な任務が下されています。その任務とは、敵国Z国の領空を強行突破し、極秘に開発された新型兵器の情報が記されたフロッピーディスクを、味方の秘密研究所に届けることです。この情報が敵に渡ることなく、無事に研究所に届けられれば、A国は戦況において大きな優位性を得ることができます。しかし、もし任務が失敗すれば、世界はZ国の野望により、未曾有の危機に瀕することになるでしょう。
プレイヤーは、この孤独なパイロットとなり、戦闘機F-14トムキャットXXに乗り込みます。任務は、単に敵を撃墜するだけではなく、地上攻撃、離着陸、さらには空中給油といった、様々な局面を経験することになります。プレイヤーは敵の包囲網を突破し、機密情報を運ぶために必死の戦いを繰り広げます。
ゲームシステム
ゲームシステムは、プレイヤーが最新鋭戦闘機F-14トムキャットXXのパイロットとなり、様々な敵機を撃墜しながらミッションを遂行するというものです。本ゲームの最大の特徴は、その直感的かつリアルな操作感にあります。プレイヤーはアナログスティックとそれに取り付けられた2つのボタン(機銃用とミサイル用)、そしてアナログスロットルレバーを駆使して戦闘機を操縦します。
操作方法は、戦闘機の操縦桿を模したアナログスティックによる直感的な飛行操作が基本となります。スティックを前後左右に動かすことで、戦闘機の機首を自由に操作し、敵機を追いかけたり、敵の攻撃を巧みに避けたりすることができます。スティックの人差し指部分に設置されたガントリガーは機銃射撃に、親指部分にあるボタンはミサイル発射にそれぞれ割り当てられており、プレイヤーはこれらのボタンを使用して敵機を撃墜します。特にユニークなのは、ミサイルのロックオンシステムです。ロックオンサイト内に敵機が入ると「Fire!」の音声と共に約1秒間、敵機をロックオンするコンテナが表示されます。この1秒以内にミサイルボタンを押すことで、ミサイルが発射され、敵機に向けて飛んでいきます。このシステムにより、プレイヤーはリアルな戦闘機のパイロットになったような感覚で敵を撃墜することが可能になります。また、アナログレバーを用いた360°ローリング操作も本ゲームの特徴的な要素のひとつです。これは敵のミサイル攻撃から逃れたり、追尾してくる敵機を振り切る際に非常に有効なテクニックであり、プレイヤーは敵の攻撃を巧みにかわしながら戦況を有利に進めることが求められます。
データ
このタイトルの基本情報です。
発売年 | 1987 |
プラットフォーム | アーケード |
ジャンル | シューティング |
プレー人数 | 1人 |
メーカー | セガ |
開発会社 | セガAM2研 |
プロデューサー | 中山隼雄 |
ディレクター | 鈴木裕、浜垣博志 |
シナリオ | |
グラフィック | 鈴木裕 |
サウンド | 川口博史 |
販売数 | |
受賞歴 |
評価
『アフターバーナー』のプレイヤー評価を分析すると、このゲームはビジュアルとゲーム体験の革新性において非常に高い評価を受けていますが、一方でプレイヤビリティとデザインの面でいくつかの課題も抱えていることが分かります。
『アフターバーナー』のプレイヤー評価について分析すると、全体的にポジティブな評価が約70%、ネガティブな評価が約30%の比率であることが推定されます。このゲームは、画期的なビジュアル効果と大型筐体を用いた没入感のあるゲーム体験で特に高い評価を受けています。プレイヤーは、華麗な白煙を引くミサイルの軌跡や、機体の動きに連動した大型筐体の動き、抜群のスピード感、軽快なBGM、美しいグラフィックがゲームの魅力を高めていると感じています。さらに、ステージが切り替わるごとにプレイヤーを新しい世界観へと引き込むことに成功している点も評価されています。一方、ネガティブな評価としては、プレイ料金の高さ、視認性の問題、操作の難しさなどが挑戦点となっています。特に、ローリング操作の難しさや不完全な地平線の描写など、ゲームデザインの細部に関する不満が指摘されている他、メインテーマのBGMにメロディが含まれていない点や、未完成と感じられる箇所が存在することも、一部のプレイヤーからの支持を得ていない理由となっています。それでも、これらの問題点にも関わらず、ゲームが提供する独特の体験は多くのプレイヤーにとって価値があると見なされています。
『アフターバーナー』は、特にレトロゲームやアーケードゲームのファン、革新的なビジュアルと体験を求めるゲーマー、操作の複雑さやゲームの挑戦性を楽しめるプレイヤーにおすすめです。このゲームは、ビジュアルと体験の点で高い評価を受けているため、これらの要素を重視するプレイヤーにとって特に魅力的でしょう。しかし、視認性や操作性に関する課題もあるため、忍耐力と習熟を必要とする可能性があります。
分析の元データは、インターネット上の書き込み情報などを可能な限り収集。相当量の情報を元に解析を実施しています。
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