AC版『ナイトストライカー』の詳細レビューとストーリー紹介

『ナイトストライカー』

『ナイトストライカー』は、1989年にタイトーが稼働したアーケード向けのシューティングゲームです。

『ナイトストライカー』とは

このゲームは、プレイヤーがコックピット型の筐体に乗り込み、自機「インターグレイ Xsi」を操作して敵機を撃墜して進むという内容です。疑似3Dのグラフィック表現と迫力あるボス戦が特徴で、多くのゲーマーから支持を受けました。また、ゲームの進行に伴いステージが分岐するため、プレイヤーは異なるシナリオを楽しむことができます。

筐体

プレイヤーがコックピットに座り、アナログレバーとトリガーで自機を操作する設計になっています。ライト・ストリーム・システムが導入されており、光る照明と環境に応じたパネルの変化が臨場感を高めます。スピーカーも大音量で、リアルな音響効果を提供します。レバー操作で上下左右に動き、トリガーやショットボタンでレーザー弾や特殊攻撃を発射できます。

ライト・ストリーム・システムは、プレイヤーに臨場感を提供するための革新的な照明システムです。このシステムは、筐体上部および左右に取り付けられたパネルに光が流れるもので、ゲームの進行に応じて変化する仕組みです。各シーンのドラムの回転方向は下表の通りです。

シーン左面上面右面
市街正転正転正転
郊外正転停止正転
海上停止停止停止
運河正転正転正転
上空停止停止停止
寺院逆転逆転逆転
地下道正転正転正転
工場停止正転停止
ビル街正転正転正転

アジャスタブルスライドシートは、プレイヤーの快適なゲームプレイを実現するための調整可能なシートです。このシートは、プレイヤーの体型や好みに応じて前後にスライドさせることができ、最適な座り心地を提供します。

スピーカーは、ゲームプレイ中の臨場感を最大限に引き出すために設計された高性能な音響システムです。このシステムは、クリアな音質と強力な音圧を提供し、プレイヤーを没入させる効果があります。設置場所は、筐体の前後です。

ゲーム内容

『ナイトストライカー』のプレイヤーの目的は、行方不明のリンドヴェリ=マスカ博士とその娘シンディを謎の組織から救出することです。プレイヤーは自機を操作して敵を撃墜しながら進み、各ラウンドのボスを倒すか、逃げ切ることでラウンドクリアとなります。ゲームは全6ラウンドで構成されており、各ラウンドの最後には次のラウンドを2つのうちから選択することができます。これにより、異なるルートを通じてゲームを進行できるため、リプレイ性が高いのが特徴です。

ストーリー設定

『ナイトストライカー』の舞台は西暦2049年、未来の地球です。この世界では、レーザー光学の世界的権威であるリンドヴェリ=マスカ博士とその娘シンディが東洋を拠点とする謎の組織に捕らわれています。この組織は近年アジアで多発しているテロ事件と何らかの関わりがあるとされており、国連特務機関情報部は事態の解明と博士の救出を図るために諜報員を派遣します。しかし、諜報員は誰一人として帰還しませんでした。唯一得られた情報は、この組織が秘密工場で特殊な武器を開発しているというものでした。この深刻な状況を受け、国連特務機関の長官ディック=ダグラスは、リンドヴェリ=マスカ博士を救出し、組織を壊滅させるために特別行動隊の出動を命じます。この特別行動隊は、歴戦の勇士から選ばれた精鋭たちで構成されており、特殊な装甲車「インターグレイ Xsi」を操縦して作戦を遂行します。彼らは、どんなに不可能と思われる任務でも成功させる最強のコマンド部隊であり、その名は「ナイトストライカー」です。

ゲームシステム

プレイヤーは、特殊な装甲車「インターグレイ Xsi」を操作して敵機を撃墜しながら進むシューティングゲームです。ゲームは全6ラウンドで構成されており、各ラウンドの最後には強力なボスキャラクターが待ち受けています。プレイヤーはボスキャラクターを破壊するか、制限時間一杯逃げ切ることでラウンドをクリアします。各ラウンドの後には次のラウンドを2つのうちから選択できます。

自機の操作

自機(インターグレイ Xsi)はアナログレバーで操作します。レバーを上に倒すと自機が降下し、下に引くと上昇します。レバーの人差し指部分にあるトリガーを引くことで、画面奥に向かってまっすぐ飛ぶレーザー弾を発射します。トリガーを引きっぱなしにすると、秒間7発あるいは10発の自動連射が可能です。また、レバー両脇にあるボタンを押しながらレバーを倒すと、ホーミングレーザー弾を発射します。ホーミングレーザー弾は弾数制限がなく、レバーを倒した方向にいる一番近い敵に向かって飛んでいきます。

シールドとダメージ

自機にはシールドがあり、敵弾が命中したり、敵機や障害物と衝突したりするとシールド残量が1つずつ減少します。シールドがすべて無くなると操作不能となり、継続プレイを行わない場合はゲームオーバーとなります。シールドは次ラウンド開始前に一定数回復し、最大で9ポイントまで回復します。

地上走行モード

ラウンド中、レバーを上に入れっぱなしにして自機が地表に接地すると、車体からタイヤを露出させて地上を走行します。この形態を維持すると、ランニング・ポイントが増加します。地上走行は運河、海上、上空の各ステージでは行えません。また、ステージQでもこの要素はありません。ステージSでは自機がバイク型になるため、レバーを上に倒さなくてもランニング・ポイントが増加します。

難易度ランク

『ナイトストライカー』の難易度ランクは、プレイヤーの腕前に応じて16段階に設定されています。初期設定の難易度は通常2ですが、ディップスイッチの設定により1から4までの間でスタートすることができます。難易度ランクは、ゲームの進行中にラウンドクリア時やプレイ内容によって変化します。

シーンとステージ

『ナイトストライカー』は全6ラウンドで構成されており、ラウンドクリア後に自機はトンネルに入り、左右どちらかのルートを選択します。プレイヤーが選択しない場合、画面中央に居続けると強制的にどちらかのルートに進みます。トンネルの分かれ目に衝突した際にはダメージ演出がありますが、ダメージは負いません。全体のステージ数は21に及び、各ステージはアルファベットのAからUで名付けられています。ゲーム内のステージは、市街、郊外、工場、海上、上空、運河、ビル街、寺院、地下道の9つのシーンに分類されています。それぞれのシーンは独自の地形や敵キャラクターが配置されています。

シーンステージボス
市街 (CITY)A, O, Rジャイロハウンド
郊外 (SUBURBS)G, M, Tファイアクラッカー
工場 (FACTORY)B, N, Pムービングマニピュレーター
海上 (SEA)D, I, Uドラゴンヘッド
上空 (SKY)F, Hビッグフローター / スカイドラグーン
運河 (CANAL)Cドラゴンヘッド
ビル街 (STREETS)Qスカイドラグーン
寺院 (TEMPLE)L, Sグレートデストロイヤー (トワイライト・ミラージュ)
地下道 (TUNNEL)E, J, Kナイトジャッカル
シーン楽曲
市街 (CITY)URBAN TRAIL
郊外 (SUBURBS)TRANCE PARLENT IN BLUE
工場 (FACTORY)BRAIN WORKER
海上 (SEA)AQUARIUS
上空 (SKY)FLY AWAY
運河 (CANAL)TERARIST
ビル街 (STREETS)TERARIST
寺院 (TEMPLE)ma-gu-ri-vu
地下道 (TUNNEL)BURNING ROAD

スコアシステム

プレイヤーがゲーム内で達成した成果に応じてスコアが加算されます。このスコアは、プレイヤーの技術や戦略によって大きく変動し、ゲームのリプレイ性を高める要素となっています。どのようなアクションでスコアが加算されるのかを見つけたり、チャレンジしたりすることが話題性を高めました。

ランニング・ポイント

ゲーム開始直後からオールクリアメッセージが表示されるまで、自機の状態に応じてスコアが自動的に加算されます。飛行中は1/60秒ごとに10点、地上走行中は1/60秒ごとに110点が加算されます。難易度レベルによって加算される点数が変動し、より高い難易度でプレイすることで、さらに多くのポイントを稼ぐことができます。

ボスタイマー・ボーナス

各ラウンドのボスキャラクターが出現した際に表示されるタイマーの残数に応じてボーナスポイントが加算されます。具体的には、残り時間✕10万点が加算されます。このボーナスは、ボスを迅速に撃破することで高得点を得ることができるため、プレイヤーの攻撃力と戦略が試される要素です。

ワイプアウト・ボーナス

ラウンド中に登場するすべての敵機を破壊すると、ラウンドクリア後に100万点が加算されます。このボーナスは、すべての敵を逃さずに撃破することで得られるため、プレイヤーの精確なエイムと素早い反応が求められます。

パシフィスト・ボーナス

パシフィスト・ボーナスは、『ナイトストライカー』のスコアシステムの中でも特にユニークで高得点を狙うための重要な要素です。このボーナスは、プレイヤーが特定の条件を満たした際に加算されるスコアであり、条件とは「ラウンド中に一発も弾を撃たず、かつダメージを一切受けないでクリアすること」です。この条件を達成することで、各ラウンドごとに定められたボーナスポイントが加算されます。

以下に、ラウンドごとのパシフィスト・ボーナスの配点を示します:

  • 1ラウンド目:200万点
  • 2ラウンド目:300万点
  • 3ラウンド目:400万点
  • 4ラウンド目:500万点
  • 5ラウンド目:600万点
  • 6ラウンド目:700万点

このボーナスは単なる加算に留まらず、連続して達成することで得点が倍増するという特性があります。例えば、1ラウンド目で200万点、2ラウンド目で300万点、3ラウンド目で400万点のパシフィスト・ボーナスを獲得した場合、3ラウンド目のボーナスは前ラウンドの400万点の2倍となるため、800万点が加算されます。これにより、パシフィスト・ボーナスの得点は次のように累積していきます:

  • 1ラウンド目:200万点
  • 2ラウンド目:400万点
  • 3ラウンド目:800万点
  • 4ラウンド目:1,600万点
  • 5ラウンド目:2,000万点
  • 6ラウンド目:2,000万点

オールクリア・ボーナス

すべてのラウンドをクリアした際、シールドの残数に応じてボーナスポイントが加算されます。具体的には、残りシールド1ポイントあたり100万点が加算されます。このボーナスは、ゲームを通してシールドを温存し続けることで高得点を得ることができるため、プレイヤーの防御力と戦略が試されます。

ミステリー・ボーナス

特定のステージ内で特定の行動を取ることでミステリー・ボーナスが加算されます。例えば、ステージCでは、張り巡らされたパイプの隙間を通り抜けることで10万点、郊外ステージでは、パワージャケットの残骸が他の敵機に当たって誘爆すると花火が打ち上がり、10万点が加算されます。さらに、特定の条件を満たすことで隠れボス「トワイライト・ミラージュ」が出現し、120万点が加算される場合もあります。

データ

このタイトルの基本情報です。

発売年1989
プラットフォームアーケード
ジャンルシューティング
プレー人数1人
メーカータイトー
開発会社タイトー中央研究所
プロデューサー菅原徹
ディレクター海道賢仁
シナリオ
グラフィック関口忍、のむらあきお
サウンド高木正彦
販売数
受賞歴

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評価

『ナイトストライカー』は、プレイヤーから高く評価されているアーケードゲームです。特にZUNTATAによる音楽は、多くの人々にとって魅力的で、ゲームの疾走感を一層引き立てています。専用筐体の設計により、プレイヤーは深くゲームに没入することができ、印象的な世界観と合わせて、強い高揚感を味わうことができます。

このゲームに対する評価の割合は、ポジティブ評価が70%、ネガティブ評価が30%です。ポジティブな意見としては、まず音楽の質が非常に高いことが挙げられます。ZUNTATAによる楽曲は名曲ぞろいで、特に「URBAN TRAIL」や「BURNING ROAD」などがプレイヤーに大変好まれています。また、ライトストリームや前後に割り当てられたサウンド設計など、筐体の設計も好評です。さらに、独特のスコアシステムや段階的に難易度が上がるステージ構成が、挑戦的な要素として評価されています。一方、ネガティブな意見も存在します。専用筐体が壊れやすい点、特にアナログレバーの故障が多発することが問題視されています。さらに、高価な筐体であるため、稼働数が限られ、プレイ可能な場所が少ないこともネガティブな要因です。ラストステージで自機が大型化することで、かえって難易度が上がる点も一部のプレイヤーには不評でした。

このゲームを特に楽しめるのは、音楽を重視する人や、深い没入感を求める人です。ZUNTATAの名曲を楽しみたい人や、専用筐体の設計によってゲームに没入したい人にとって、このゲームは最適です。また、独自のスコアシステムに挑戦し、高得点を目指したい人にもぴったりです。さらに、短いプレイ時間で高い満足感を得たい人にとっても、このゲームは非常に魅力的な選択肢となります。

分析の元データは、インターネット上の書き込み情報などを可能な限り収集。相当量の情報を元に解析を実施しています。