『ポールポジション2』は、1983年にナムコから発売されたアーケード向けレースゲームです。前作『ポールポジション』の続編であり、F1レースを題材にしています。プレイヤーは、予選をクリアしてポールポジションを目指し、その後に他の車を相手にトップを狙います。本作では、前作に比べて選べるコースが4つに増え、それぞれ異なる景観やレイアウトが特徴です。また、コース上に水たまりや道路標識といった新しい障害物も追加され、より戦略的な運転が求められるようになっています。
『ポールポジション2』とは
特にアメリカ合衆国で大規模な商業的成功を収め、1984年には最も高収入を得たアーケードゲームとなり、1987年まで日本とアメリカの年間最高収益アーケードゲームのひとつであり続けました。本作は、F1レースを舞台にしており、選べるコースが前作より増加し、レース体験がより深くなっています。ゲームの目的は、予選を通じてポールポジションを獲得し、その後レース本番で他の車と競い合うことです。前作との違いは次の通りです。
- コース数の違い
コースが4つに増え、バリエーションが豊富です。 - スピードの違い
高速でのレース展開が特徴です。 - 爆発演出
車が爆発した際により迫力のある演出が追加されています。 - ホイールスピンの追加
ホイールスピンの要素が導入され、よりリアルな走行体験が可能です。 - 車の色の違い
プレイヤーの車が青色に変更され、対抗車との区別が明確になっています。 - 看板の新規追加
新しい看板がコースに配置され、視覚的な変化が増しています。 - ターボ機能の導入
ターボ機能が追加されています。
ゲーム内容
このゲームの目的は、F1マシンを操作して、他のレーサーと競い合い、トップでフィニッシュすることです。まずは、タイムアタック形式の予選をクリアし、レースへの参加資格を得ます。選べるコースは4つあり、初代からの富士スピードウェイ、インディアナポリスモータースピードウェイを模したテストコース、1982年のアメリカ西部グランプリサーキットを模したシーサイド、鈴鹿サーキットがあります。
ストーリー設定
『ポールポジション2』は、レースゲームであり、具体的なストーリーは存在しません。プレイヤーは、F1レースカーを操作し、さまざまなコースを走破しながら、最速のタイムとポジションを目指します。各コースには、特有の風景や障害物が存在し、レースの難易度が上がります。全体として、シミュレーション要素が強調されたレース体験が特徴です。
ゲームシステム
プレイヤーは4つの異なるコースを選び、予選と本戦の2つのレースに参加します。予選をクリアすると、ポールポジション(1位)で本戦に進むことができ、他のレーサーと競いながらゴールを目指します。
操作方法
プレイヤーはステアリングホイール、2段ギアシフト、アクセル、ブレーキを使って車を操作します。予選では時間内にゴールすることでレースに参加でき、本戦では他の車を追い抜きながらトップを目指します。衝突すると車は爆発し、復活までに数秒かかります。コース上の水たまりに乗ると速度が落ちるため、適切な操作が求められます。
ゲーム画面
画面の左上に「TOP」、これは現在のトップスコア、その下には「SCORE」とあり、これはプレイヤーの現在のスコアを表しています。画面上部中央には「TIME」とあり、残り時間を示しています。時間は短くなるにつれて、プレイヤーはレースを完了するために急いでいる可能性があります。その隣には右隣りには「LAP」という表示があり、これは現在のラップタイムを示しています。さらに右には、「SPEED」とあり、これはプレイヤーの現在の速度をキロメートル単位で表示しています。ゲームのグラフィックは、シンプルなピクセルアートで構成されており、レーストラックは緑の芝生、灰色のアスファルト、そして赤と白の縁石で縁取られています。プレイヤーの車両は、中央の下部に位置しており、ゲームプレイ中の視点を意識しています。他の車両も同様にカラフルで、ゲーム内の競争を表現しています。全体的に、このゲームは色鮮やかで、レトロな雰囲気を醸し出しつつ、プレイヤーに必要な情報をクリアに伝えるデザインになっています。
ゲームフロー
- コースをハンドルで選びアクセルかブレーキで決定します。
- レースは予選とグランプリに分かれて行います。
- 予選ではコースを1周します。ラップタイムが好成績ならグランプリへ進め、成績によってスタートする位置も変わります。成績が悪いとゲームオーバーになります。
- グランプリではコース1周ごとにタイムが延長され、4周でゴールインです。途中でタイムが0になるとゲームオーバーです。
- グランプリで20位以内に入賞するとイニシャルを入力できます。文字は、ステアリングで文字を選んで、ペダルを踏んで入力します。
予選とグランプリの仕組み
予選とグランプリのルールと得点の仕組みについてまとめました。
予選
1周の速さを競うタイムトライアルです。8位以内のタイムで通過しないとグランプリに進むことはできません。予選の得点は「走行距離得点」と「順位ボーナス」の合算です。走行距離得点は1周で10,000点。順位ボーナスは予選1位通過だと4,000点が加算となります。
グランプリ
コースを4周して、ゴールするのが目的です。持ち時間がゼロになるとその時点でゲームオーバーになります。グランプリの得点は「走行距離得点」+「抜いた敵車数x50点」がベースとなります。これに加えて、完走時にはタイムボーナスが加算。計算式は「残り時間x200点」です。
コース概要
前作はコースがひとつしかありませんでしたが、本タイトルでは4コースに増えています。各コースの概要は次の通りです。
コース | 概要 |
---|---|
TEST | 長方形のコース。コーナーは4つ。単純なため、繰り返し走行すればコツを掴みやすい。ただし、直線コースでスピードがでやすいので、調子に乗るとコーナーで失敗することもしばしば。 |
NAMCO | 前作『ポールポジション』と同じ形状のコース。水たまりの位置が変更になっている。前作をやりこんだプレーヤーであればTESTコースよりも走りやすいかもしれないが、前作より速度がでやすいので難易度はアップ。 |
WONDER | 急カーブと緩やかなカーブが点在するコース。緩やかなカーブは、さほど減速しなくても一気に突破できる。直線コースが長く、速度が乗ればライバルカーを抜き去ることができる。 |
SEASIDE | 2本の長い直線コースとひとつのきつい急カーブが印象的。ふたつの直線コースのうちひとつは、前後にカーブがある影響で最高速では走り切ることが難しい。減速必至なカーブと急カーブの攻略がポイント。 |
テクニック
370キロ以上で路肩や水たまりに入って、スピードをわざと落とすとターボをかけることができます。
データ
このタイトルの基本情報です。
発売年 | 1983 |
プラットフォーム | アーケード |
ジャンル | レース |
プレー人数 | 1人 |
メーカー | ナムコ |
開発会社 | ナムコ |
プロデューサー | |
ディレクター | |
シナリオ | |
グラフィック | |
サウンド | |
販売数 | |
受賞歴 |
評価
『ポールポジション2』(1983年、ナムコ)は、アーケードのレースゲームの代表作として高い評価を受けており、その続編として、前作『ポールポジション』の成功をさらに引き継いでいます。プレイヤーは、選択可能な4つのトラック(富士スピードウェイ、テストトラック、海岸スピードウェイ、鈴鹿スピードウェイ)で競い、トップの座を目指します。ゲームは高いスピード感と、巧みなステアリング操作が求められるスリリングなレース体験を提供しています。
『ポールポジション2』は、当時のレースゲームの中でも特にリアルなドライビング体験を提供するタイトルとして称賛されています。新しいトラックや改良されたグラフィックが追加されたことにより、前作よりも奥深いプレイ体験が楽しめると評価されています。
ポジティブ評価はおおよそ80%、ネガティブ評価は20%ほどで、ポジティブな評価の理由としては、4つの異なるトラックが追加され、多様なレース体験を提供している点や、ビジュアルの改善が挙げられます。また、操作感がスムーズであり、アーケードの体験が十分に再現されている点も好評です。一方、ネガティブな評価としては、クラッシュ時のペナルティが厳しく、再開までの待ち時間がストレスになるという意見があります。ネガティブな評価を寄せたプレイヤーの多くは、クラッシュ後のリスタートがスムーズであればもっと楽しめるという改善を期待しています。また、特に後半になると難易度が急激に上がるため、難易度設定をもう少し柔軟にしてほしいという声もあります。
レトロなアーケードゲームが好きで、シンプルながらも挑戦的な操作感を楽しみたい方にとって『ポールポジション2』はおすすめです。また、当時のレースゲームの雰囲気を味わいたい方にも最適です。
評価要素と配点は次の通りです。総合評価は85点。
- ゲームプレイ体験(40点中35点):操作性は非常にスムーズで、直感的なステアリングが特徴です。ただし、クラッシュ後のリスタートに時間がかかる点が減点要因となっています。
- グラフィックスとビジュアル(20点中18点):当時の技術を考慮すると、4つの異なるトラックが鮮明な色彩で描かれており、非常に高い評価を受けています。特に、クラッシュ時の飛び散る破片などの細かな演出が加わっています。
- 音楽とサウンド(15点中12点):エンジン音や効果音が臨場感を増しており、レースの緊張感を引き立てていますが、音楽自体は印象的というよりは背景的な役割を担っています。
- 技術的なパフォーマンス(10点中9点):ゲームのフレームレートや処理能力は非常に安定しており、処理落ちもほとんど見られません。技術的には非常に優れたパフォーマンスを発揮しています。
- ユーザーインターフェースとユーザーエクスペリエンス(5点中4点):シンプルなUIでありながら、必要な情報はすべて適切に表示されており、操作の邪魔になりません。
- 独自性と革新性(5点中3点):前作から大幅な変更は少なく、トラック数の増加が主な新要素となっています。
- 価値と満足度(5点中4点):当時のアーケードゲームとしては、リプレイ性が高く、一度プレイすると何度も挑戦したくなる魅力があります。
分析の元データは、インターネット上の書き込み情報などを可能な限り収集。相当量の情報を元に解析を実施しています。
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