アーケードゲームにおける『PCB』とは、ゲーム基板のことを指します。PCBは「Printed Circuit Board」の略で、日本語では「プリント基板」とも呼ばれます。アーケードゲーム機において、この基板はゲームの心臓部とも言える重要な役割を果たしています。
アーケードゲームの基板は、基本的に1枚につき1タイトルのゲームがプログラムされています。異なるゲームをプレイするためには、ゲーム機の筐体内にある基板を物理的に交換する必要があります。これは、家庭用ゲーム機でゲームソフトを交換することに似ていますが、アーケードゲームでは基板そのものが交換される点が異なります。また、アーケードゲームの基板は「システム基板」と呼ばれるものも存在します。これは、複数のゲームを1つの基板で稼働させることができるシステムで、メディアの交換によって異なるゲームをプレイできます。システム基板のアーキテクチャは、従来はメーカー独自の設計が多かったですが、近年ではコスト削減や性能向上のために、家庭用ゲーム機やPCのアーキテクチャを流用する例が増えています。1990年代までは、アーケードゲームの基板は独自開発の最先端技術を投入することで、家庭では体験できない高品質なグラフィックを実現していました。しかし、2000年代に入ると、コストパフォーマンスの問題から家庭用ゲーム機やPCのアーキテクチャを流用するようになり、グラフィックの面では家庭用PCに上回られることもありました。