1992年当時、スーパーファミコンのゲーム市場は多様なジャンルで賑わっていました。その中で登場した『ロイヤルコンクエスト』は、リアルタイムストラテジーという新たなジャンルに挑戦した意欲作です。プレイヤーは王となり、部隊を指揮して敵を撃退しながら進軍していきます。
開発背景や技術的な挑戦
本作は、イギリスの開発会社Argonaut Gamesが手掛け、日本ではジャレコが発売を担当しました。スーパーファミコンマウスに対応しており、従来のコントローラー操作とは異なるプレイ感覚を提供しています。また、ドルビーサラウンドにも対応し、音響面でも工夫が施されています。
プレイ体験
プレイヤーは、弓兵や工兵、魔法使いなど7種類のユニットを駆使してステージを攻略していきます。各ユニットには固有の能力があり、戦況に応じた適切な指揮が求められます。ステージは全26面で構成されており、3つの世界を舞台に多彩なギミックや敵が登場します。特に、各世界の最終ステージには巨大なボスが待ち受けており、戦略的なプレイが必要とされます。
初期の評価と現在の再評価
ポジティブな意見が約40%、ネガティブな意見が約60%とされています。
ポジティブな評価の要因は、戦略性の高さと多様なユニットを活かした奥深いゲームプレイにあります。各ユニットには固有の能力が設定されており、例えば工作兵は橋や台を作成して地形を変化させることができます。白魔術師や黒魔術師の魔法も戦局を大きく左右し、ステージごとに異なるギミックや敵配置がプレイヤーの戦略的思考を刺激します。
ネガティブな評価の主な理由は、操作性の複雑さとゲームテンポの遅さにあります。ユニットの移動速度が遅いため、目的地までの到達に時間がかかり、進行がもたつくと感じるプレイヤーが多かったようです。さらに、操作が直感的ではなく誤操作が起こりやすいこともストレスの一因となっています。説明書なしでプレイすると、ゲームシステムの理解が難しいため、攻略に時間がかかる場合もあります。
『ロイヤルコンクエスト』は、RTSやパズル要素を含むシミュレーションゲームが好きな方におすすめです。じっくりと戦略を練りながらプレイしたい方、中世ファンタジーの世界観に惹かれるレトロゲームファンにも楽しんでもらえるでしょう。一方で、スピード感のあるアクションゲームを求める方や、直感的な操作性を重視する方にはやや合わない可能性もあります。
他ジャンル・文化への影響
『ロイヤルコンクエスト』は、リアルタイムストラテジーというジャンルを家庭用ゲーム機で展開した先駆的な作品として、後のゲーム開発に影響を与えました。また、欧米では『King Arthur’s World』として発売され、海外のプレイヤーにも親しまれています。
リメイクでの進化
もし本作が現代にリメイクされるとすれば、高解像度のグラフィックやオンライン協力プレイの導入など、さらなる進化が期待されます。また、操作性の改善や新たなユニットの追加により、より深い戦略性が実現されるでしょう。
まとめ
『ロイヤルコンクエスト』は、スーパーファミコン時代におけるリアルタイムストラテジーの先駆けとして、独自の地位を築いた作品です。その戦略性やユニットの多様性は、現在でも多くのプレイヤーに支持されており、リメイクや続編の登場が待ち望まれています。
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