『マッピー』は、1983年にナムコ（現：バンダイナムコエンターテインメント）からリリースされたアーケードゲームで、ネズミの警官であるマッピーを操作して泥棒猫たちから家財道具を取り返すというシンプルでありながら中毒性の高いゲームです。この作品は、その後、様々なプラットフォームに移植され、MZ-700版もその一つです。
概要
MZ-700版『マッピー』は、オリジナルのアーケード版の基本的なゲームプレイを維持しながらも、ハードウェアの制約によりグラフィックやサウンドが大幅に簡素化されています。ゲームのストーリーは、ネズミの警官マッピーが泥棒猫である「ニャームコ」とその手下たちから家財道具を取り返すというものです。プレイヤーは、家の中を移動し、ドアを開閉しながら敵を回避し、アイテムを集めます。
MZ-700版『マッピー』は、ナムコの許諾を得て電波新聞社が制作した作品であり、MZ-1200やMZ-80KCでも動作するという特徴があります。しかし、MZ-700やMZ-1200といった家庭用コンピュータの限られた性能の中で、どのようにオリジナルの魅力を再現しようとしたかが興味深い点です。MZ-1200のような単色モニターを使用する場合、マッピーと敵キャラクターであるニャームコやミューキーズの区別が非常に困難であったことです。この点は、MZ-700のカラー表示ではある程度改善されていますが、それでもオリジナルと比べると視認性に難がありました。また、ゲーム内での盗品アイテムの表現が文字によって行われているため、視覚的なインパクトは他の移植版とは異なり、独特の感慨を覚えるプレイヤーも少なくありませんでした。
特徴と魅力
MZ-700版『マッピー』の最大の特徴は、限られたハードウェアでありながらも、オリジナルのゲーム性を可能な限り再現しようとした点にあります。特に、ドアを開けて敵を弾き飛ばすといったアクションは、そのままの形で再現されています。また、ジャンプトランポリンを使ってフロアを移動するという独特のシステムも健在です。
制限されたハードウェアの中でゲーム性を再現するための創意工夫が随所に見られます。特に、プログラム・キャラクター・ジェネレータ（PCG）を使用することで、マッピーやニャームコといったキャラクターをより魅力的に表現することができ、プレイヤーにとっては必須の機能と言えるでしょう。限られたグラフィック機能を最大限に活用し、当時の技術の限界に挑んだプログラマーたちの努力が感じられる作品です。
操作方法と攻略方法
MZ-700版『マッピー』の基本操作は非常にシンプルです。プレイヤーはキーボードの矢印キーでマッピーを左右に移動させ、ジャンプする際には特定のキーを使用します。この簡素な操作体系が、誰でもすぐにゲームを楽しめる要素となっています。
攻略方法としては、まず敵の動きをよく観察し、どのタイミングでドアを開けるかが重要です。また、トランポリンを使ってフロアを素早く移動する際には、ジャンプのタイミングを間違えないように注意しましょう。さらに、得点を稼ぐためには、敵をうまく避けつつ、すべての家財道具を効率よく回収することが求められます。
影響と評価
当時、MZ-700版『マッピー』は、その忠実な移植と手軽に遊べるゲーム性から、家庭用コンピュータのゲーム愛好者の間で高く評価されました。特に、限られたハードウェアでありながらも、アーケード版のエッセンスをしっかりと残した点が評価されています。
