MD版『スプラッターハウス PART3』分岐する恐怖と戦慄のバトル

メガドライブ版『スプラッターハウス PART3』

1993年、メガドライブ向けにナムコから『スプラッターハウス PART3』が発売されました。本作は、ホラーアクションゲームとして知られる『スプラッターハウス』シリーズの第3作目であり、前作から大きく進化したゲームシステムと深みのあるストーリーが特徴です。

開発背景と技術的挑戦

『スプラッターハウス PART3』は、ナムコが開発・発売したメガドライブ用アクションゲームで、1993年にリリースされました。前作までの横スクロールアクションから一新し、クォータービューの視点やファイナルファイト風のバトルシステムを採用することで、ゲームに奥行きを持たせ、新たな挑戦を試みています。また、時間の経過によってストーリーが変化するシステムも導入され、独特のストーリーテリングが特徴です。

初期の評価と現在の再評価

『スプラッターハウス PART3』は、1993年にナムコ(現バンダイナムコエンターテインメント)からメガドライブ向けに発売されたベルトスクロールアクションゲームです。シリーズ第3作目となる本作では、主人公リックが再び「ヘルマスク」を装着し、邪神にさらわれた妻ジェニファーと息子デイビッドを救うため、魔物たちが潜む自宅を舞台に戦いを繰り広げます。総合的な評価としては、ポジティブな意見が約60%、ネガティブな意見が約40%と、好意的な評価がやや上回る作品となっています。

ポジティブな評価の要因として、まずゲームシステムの進化が挙げられます。前作までの横スクロール形式からベルトスクロール形式に変更されたことで、戦闘の自由度が増し、多彩な攻撃やコンボが可能となりました。また、ステージ内を自由に探索できるマップ構成や、制限時間内にクリアすることでエンディングが変化するマルチエンディングシステムが導入され、リプレイ性が高まっています。さらに、グラフィック面では、敵キャラクターのデザインやグロテスクな演出がシリーズのホラー要素を引き継ぎつつ、より洗練されたものとなっています。一方、ネガティブな評価の要因として、難易度の高さが指摘されています。特に、制限時間内にステージをクリアしないと家族を救えないシステムや、ボスキャラクターの強さがプレイヤーにとって厳しいと感じられることがあります。また、操作性に関して、一部のプレイヤーからはキャラクターの動きが重く感じられるとの意見もあります。さらに、前作で好評だったスライディング攻撃が廃止された点を残念に思う声もあります。

本作は、ホラー要素とアクション性を兼ね備えたゲームを求めるプレイヤーや、シリーズのファンにおすすめです。特に、マルチエンディングや自由度の高いステージ構成など、やり込み要素を重視する方には魅力的な作品と言えるでしょう。ただし、難易度が高めであるため、アクションゲームに慣れていないプレイヤーは注意が必要です。攻略情報を参考にしながらプレイすることで、より深くゲームを楽しむことができるでしょう。

他ジャンルやカルチャーへの影響

『スプラッターハウス PART3』は、ホラーとアクションを融合させたゲームデザインや、時間制限によるマルチエンディングシステムなど、後のゲーム作品に影響を与えました。特に、ホラー要素とアクション性を高い次元で融合させた点は、同ジャンルのゲームデザインにおいて参考とされています。

現代にリメイクされた場合の進化

もし現代の技術でリメイクされるとしたら、以下のような進化が期待されます。

  • 高解像度グラフィックとリアルなサウンドによる臨場感の向上。
  • オンライン要素の追加による協力プレイや対戦モードの実装。
  • 新たなステージや敵キャラクターの追加によるボリュームアップ。
  • 難易度調整やチュートリアルの充実による新規プレイヤーへの配慮。

まとめ

『スプラッターハウス PART3』は、独特のホラー要素とアクション性、深みのあるストーリーで多くのプレイヤーを魅了した作品です。難易度の高さや複雑なマップ構成など、挑戦的な要素も多いですが、それが本作の魅力とも言えます。未体験の方は、ぜひ一度その世界観を味わってみてはいかがでしょうか。

攻略

『スプラッターハウス PART3』は、1993年にナムコから発売されたメガドライブ向けのアクションゲームです。「スプラッターハウス」シリーズのナンバリングタイトルで、5年後のストーリー設定となっており、主人公リックが家族を救出に向かいます。これまでの前2作とは異なり、奥行きがあるベルトスクロールアクションゲームに変更され、ライフもゲージ制になっています。また、ゲーム中のメッセージはステージの合間のストーリーデモも含めて英語のみで、日本語へのローカライズは一切されていない点も特徴的です。

プレイヤーは、主人公リックを操作し、邪神の眷属から家族を救出するための戦いに挑みます。ゲームはコンティニュー無限、パスワード制で進行します。パスワードはゲームオーバー時に表示されます。なお、スコアシステムはこのゲームには存在しません。

ストーリー設定

主人公リック・テイラーは、過去の二度の戦いの後、平穏な生活を送っていました。しかし、その平穏は邪神の眷属により破られ、彼の家は地獄のような光景と化しました。リックは再びヘルマスクを被り、家族を救うために戦いに身を投じます。

リック

主人公リックは、自身の妻ジェニファーと息子デイビッドを救出するため、再びヘルマスクの力を借りて戦いに赴きます。彼の愛する家族を救うために、三度目の恐怖の戦いが始まります。

ジェニファー

ジェニファーはリックの妻であり、魔物たちに再度連れ去られてしまう状況に立たされています。彼女の救出がリックの最初の目標となります。

デイビッド

デイビッドはリックとジェニファーの息子であり、魔石の封印を解く「鍵」として連れ去られてしまいます。彼の救出はリックの重大な任務となります。

ヘルマスク

ヘルマスクは、古代から覇者とともに存在し続けてきた精霊が宿る仮面です。本作では、このヘルマスクがもたらす力とその真の目的が明らかになります。

ゲームシステム

奥行きがあるベルトスクロールアクションというシステムで、ライフゲージが存在します。敵を倒すとライフが増え、また特定のアイテムを取るとリックが強力な形態に変身します。

操作方法

移動は十字キーで行い、攻撃はBボタン、ジャンプはCボタンです。また、Aボタンを押すとリックが変身し、攻撃力、防御力、技の威力が上がります。ただし、戦闘時以外や霊力メーターがなくなると、変身は解けます。

十字キー左右リックの左右への移動。敵と一定の距離まで接近すると敵をつかむことができる。
十字キー下手前に移動。
十字キー上奥に移動。
Bボタン攻撃や武器・アイテムの拾い上げや使用。
Cボタンジャンプ
Aボタンリックの変身が可能。霊力メーターを消費して変身できる。変身すると攻撃力や防御力、技の威力が大幅に向上する。ただし、霊力メーターがなくなると変身が解けてしまったり、部屋内の敵をすべて倒すと変身が解除される。また、戦闘時以外の部屋では変身することはできない。

技名詳細
ボディスラム敵をつかんで十字キーの左右どちらかとBボタンを同時に押す。敵を他の敵にぶつけることもできる。
パワースラム敵をつかんで十字キーの上とBボタンを同時に押す。
ジャンプキックジャンプ後にBボタンを押す。
スピンキックCボタンとBボタンを同時に押すと使用する回転キック技。
ヘッドクラッシュ敵をつかんでBボタンを押す。敵に頭突きを食らわせる。

必殺技

技名詳細
テンタクルスピアパワーアップリック時のみ使用可能。CボタンとBボタンを同時に押すことで、内臓を硬質化させて槍のように突き出す。
ヘルズドライバーパワーアップリック時のみ使用可能。敵をつかんで十字キー上とCボタンを同時に押すことで、高くジャンプし、敵を頭上から床に叩きつける。
ハイタワークローパワーアップリック時のみ使用可能。敵をつかんでBボタンを押すことで、両腕で敵を絞めつける。
ドリルクローパワーアップリック時のみ使用可能。敵をつかんでBボタンと十字キー上を同時に押すことで、つかんだ敵を突き刺す。

武器

武器は、全部で5種類以上が登場します。

武器詳細
角材・バット・鉄パイプ敵を叩き潰したり、頭を打ち砕くことができる。攻撃力が高く、敵との距離を保ちつつ攻撃できる。同ステージ内なら部屋間での持ち越しも可能。
大鉈・出刃包丁敵を真っ二つに切断したり、首をはね飛ばすことができる。攻撃力が高く、敵との距離を保ちつつ攻撃できる。同ステージ内での持ち越しも可能。
コンクリートブロック・彫刻投げつけて使用することができる。敵に投げつけるだけでなく、拾って再利用することも可能。攻撃力があり、遠距離からの攻撃にも有効。

アイテム

アイテム詳細
デーモンハート心臓のようなアイテムで、ライフを一定量回復できる。
パワーストーン霊石であり、霊力メーターを一定量回復できる。
命の書謎の青い本であり、1UP(残機増加)できる。

ステージ設定

ステージ構成は全6ステージから成り立っています。各ステージは1つのフロアで構成されており、多くの部屋に区切られています(ただし、ステージ6はボス戦のみ)。部屋に入ると、すべての敵を倒さなければ次の部屋に進むことはできません。敵の出現しない部屋やトラップだけの部屋もあります。敵を全滅させた部屋でも、後になって敵が再び配置されることもまれにあります。ステージ内のボスフロアにたどり着き、ボスを倒すとステージクリアとなります。また、部屋内のすべての敵を倒した後、スタートボタンを押すとステージマップを確認することができます。ステージクリアのタイムによってストーリーの進行やエンディングが異なるマルチストーリーが採用されています。

STAGE1 Mansion 1st Floor(1階)

リックの愛する家族、ジェニファーとデイビッドが邪神によって連れ去られ、彼は再び恐怖の仮面をつけて邪悪な館へと足を踏み入れます。ボスは、ヘル・ガーディアンです。邪神の衛兵。その巨体とは裏腹に驚くほどの身軽さを持ち、爪や毒液で攻撃してきます。ダメージが蓄積すると顔の上半分が剥がれ落ちます。

STAGE2 Mansion 2nd Floor(2階)

リックはヘル・ガーディアンを倒し、ジェニファーを救出しますが、彼女に異変が起きます。彼女を救うためには、原因となる寄生虫を植え付けた魔物を倒す必要があります。ボスは、ジャイアント・イーターです。蛭を思わせる怪物で、その不気味な笑い声が特徴。高いジャンプ力や、自身の頭部を用いた攻撃、小型のモンスターの放出など多彩な攻撃を繰り出します。ダメージを受けると頭が爆発し、その内部からは無数の蛆が現れます。

STAGE3 Mansion 3rd Floor(3階)

リックはジャイアント・イーターを倒し、ジェニファーを救出します。しかし、デイビッドの姿はどこにもありません。彼は邪神の手に落ちる前に、デイビッドを助け出す必要があります。ボスは、マックザベアです。熊のぬいぐるみに憑依した悪霊で、害意に満ちた挑発と共に、爪での攻撃や突進を行います。ダメージを与えるとその醜悪な肉塊の本体を露わにします。

STAGE4 Mansion Basement(地下室)

邪神の復活の儀式が迫る中、リックは最後の場所である地下室へと進みます。その地下室では、邪神がデイビッドを使って地上の支配を目論んでいます。ボスは、タッツヴェルムです。最初は卵のような形状をしていますが、ダメージを受けると巨大な毛虫のような形状に変貌し、全身から電撃を放ちます。口からの突進攻撃も避ける必要があります。

STAGE5 The Dark Stone(魔石の神殿)

デイビッドは救出されますが、魔石の力が解放され、究極邪神が復活します。リックは究極邪神の暗躍を阻止し、地上の平和を守るため、彼を抹殺しなければなりません。究極邪神は、前作からの邪神が魔石の力で完全に復活した姿。雷や光弾を放つだけでなく、胸から巨大な顔を突き出して攻撃することもあります。

STAGE6 The Mask(最後の決戦)

隠されたヘルマスクの思惑にショックを受けたリックは、異次元の大地で最後の戦いに挑みます。ヘルマスクは、炎や分身を使った攻撃を行います。ガードする能力はありません。

STAGE X The Strange Zone(奇妙な空間)

STAGE Xは特殊なステージで、一定時間内に前のステージをクリアすると出現します。これはボーナスステージであり、命の書を獲得する機会がありますが、敵も登場します。本編のストーリーとは直接の関連性はありません。

敵キャラクター

敵キャラクター詳細
ボーンデッドゾンビのような存在で、首のない死体に魂が宿ってる。手首の無い腕で攻撃してくる。
デッドリーパー目や鼻がない人間のような形状の魔物。爪が刃のように鋭く、赤いデッドリーパーはスライディングキックで攻撃する。
アンドラス皮膚が裸の鳥のような姿の魔物で、スライディングキックや舌を使った攻撃をする。
チャグル頭部が大きく発達した人間型の魔物で、攻撃方法は引っかき。
デッドマンファット前作から続投の醜い巨体の怪物で、口を突き出し突進してくる。
ヘルハウンド醜い犬のような化け物で、毒液を吐き出したり鋭い触手で攻撃したりする。
ブロノブ布切れの下に肉塊のような体を持つ幽霊。霊体化することで無敵になり、巨大な腕で引っ掻いたり、口から触手を伸ばして攻撃する。
エクトプラズムリックが攻撃を受けて武器を落とすと現れ、その武器を持ち去る。攻撃はしてこないが、倒すことはできない。武器を取り戻すには、ステージ内の巣を見つける必要がある。

データ

『スプラッターハウス PART3』の発売年、メーカー、開発などのデータです。

発売年1993
メーカーナムコ
開発会社ナウプロダクション
プラットフォームメガドライブ
ジャンルベルトスクロールアクション
プロデューサー下間正巳
ディレクター永山義朗
作曲者金田栄子
キャラクターデザインGyoee! Miyazaki
販売本数不明