『スプラッターハウス PART3』は、一味違ったベルトスクロールアクションゲームで、プレーヤーは主人公リックを操作して愛する家族を救出する旅に出ます。このゲームはメガドライブで楽しむことができます。
『スプラッターハウス PART3』とは
『スプラッターハウス PART3』は、1993年にナムコから発売されたメガドライブ向けのアクションゲームです。「スプラッターハウス」シリーズのナンバリングタイトルで、5年後のストーリー設定となっており、主人公リックが家族を救出に向かいます。これまでの前2作とは異なり、奥行きがあるベルトスクロールアクションゲームに変更され、ライフもゲージ制になっています。また、ゲーム中のメッセージはステージの合間のストーリーデモも含めて英語のみで、日本語へのローカライズは一切されていない点も特徴的です。
ゲーム内容
プレーヤーは、主人公リックを操作し、邪神の眷属から家族を救出するための戦いに挑みます。ゲームはコンティニュー無限、パスワード制で進行します。パスワードはゲームオーバー時に表示されます。なお、スコアシステムはこのゲームには存在しません。
ストーリー設定
主人公リック・テイラーは、過去の二度の戦いの後、平穏な生活を送っていました。しかし、その平穏は邪神の眷属により破られ、彼の家は地獄のような光景と化しました。リックは再びヘルマスクを被り、家族を救うために戦いに身を投じます。
リック
主人公リックは、自身の妻ジェニファーと息子デイビッドを救出するため、再びヘルマスクの力を借りて戦いに赴きます。彼の愛する家族を救うために、三度目の恐怖の戦いが始まります。
ジェニファー
ジェニファーはリックの妻であり、魔物たちに再度連れ去られてしまう状況に立たされています。彼女の救出がリックの最初の目標となります。
デイビッド
デイビッドはリックとジェニファーの息子であり、魔石の封印を解く「鍵」として連れ去られてしまいます。彼の救出はリックの重大な任務となります。
ヘルマスク
ヘルマスクは、古代から覇者とともに存在し続けてきた精霊が宿る仮面です。本作では、このヘルマスクがもたらす力とその真の目的が明らかになります。
ゲームシステム
奥行きがあるベルトスクロールアクションというシステムで、ライフゲージが存在します。敵を倒すとライフが増え、また特定のアイテムを取るとリックが強力な形態に変身します。
操作方法
移動は十字キーで行い、攻撃はBボタン、ジャンプはCボタンです。また、Aボタンを押すとリックが変身し、攻撃力、防御力、技の威力が上がります。ただし、戦闘時以外や霊力メーターがなくなると、変身は解けます。
十字キー左右 | リックの左右への移動。敵と一定の距離まで接近すると敵をつかむことができる。 |
十字キー下 | 手前に移動。 |
十字キー上 | 奥に移動。 |
Bボタン | 攻撃や武器・アイテムの拾い上げや使用。 |
Cボタン | ジャンプ |
Aボタン | リックの変身が可能。霊力メーターを消費して変身できる。変身すると攻撃力や防御力、技の威力が大幅に向上する。ただし、霊力メーターがなくなると変身が解けてしまったり、部屋内の敵をすべて倒すと変身が解除される。また、戦闘時以外の部屋では変身することはできない。 |
技
技名 | 詳細 |
---|---|
ボディスラム | 敵をつかんで十字キーの左右どちらかとBボタンを同時に押す。敵を他の敵にぶつけることもできる。 |
パワースラム | 敵をつかんで十字キーの上とBボタンを同時に押す。 |
ジャンプキック | ジャンプ後にBボタンを押す。 |
スピンキック | CボタンとBボタンを同時に押すと使用する回転キック技。 |
ヘッドクラッシュ | 敵をつかんでBボタンを押す。敵に頭突きを食らわせる。 |
必殺技
技名 | 詳細 |
---|---|
テンタクルスピア | パワーアップリック時のみ使用可能。CボタンとBボタンを同時に押すことで、内臓を硬質化させて槍のように突き出す。 |
ヘルズドライバー | パワーアップリック時のみ使用可能。敵をつかんで十字キー上とCボタンを同時に押すことで、高くジャンプし、敵を頭上から床に叩きつける。 |
ハイタワークロー | パワーアップリック時のみ使用可能。敵をつかんでBボタンを押すことで、両腕で敵を絞めつける。 |
ドリルクロー | パワーアップリック時のみ使用可能。敵をつかんでBボタンと十字キー上を同時に押すことで、つかんだ敵を突き刺す。 |
武器
武器は、全部で5種類以上が登場します。
武器 | 詳細 |
---|---|
角材・バット・鉄パイプ | 敵を叩き潰したり、頭を打ち砕くことができる。攻撃力が高く、敵との距離を保ちつつ攻撃できる。同ステージ内なら部屋間での持ち越しも可能。 |
大鉈・出刃包丁 | 敵を真っ二つに切断したり、首をはね飛ばすことができる。攻撃力が高く、敵との距離を保ちつつ攻撃できる。同ステージ内での持ち越しも可能。 |
コンクリートブロック・彫刻 | 投げつけて使用することができる。敵に投げつけるだけでなく、拾って再利用することも可能。攻撃力があり、遠距離からの攻撃にも有効。 |
アイテム
アイテム | 詳細 |
---|---|
デーモンハート | 心臓のようなアイテムで、ライフを一定量回復できる。 |
パワーストーン | 霊石であり、霊力メーターを一定量回復できる。 |
命の書 | 謎の青い本であり、1UP(残機増加)できる。 |
ステージ設定
ステージ構成は全6ステージから成り立っています。各ステージは1つのフロアで構成されており、多くの部屋に区切られています(ただし、ステージ6はボス戦のみ)。部屋に入ると、すべての敵を倒さなければ次の部屋に進むことはできません。敵の出現しない部屋やトラップだけの部屋もあります。敵を全滅させた部屋でも、後になって敵が再び配置されることもまれにあります。ステージ内のボスフロアにたどり着き、ボスを倒すとステージクリアとなります。また、部屋内のすべての敵を倒した後、スタートボタンを押すとステージマップを確認することができます。ステージクリアのタイムによってストーリーの進行やエンディングが異なるマルチストーリーが採用されています。
STAGE1 Mansion 1st Floor(1階)
リックの愛する家族、ジェニファーとデイビッドが邪神によって連れ去られ、彼は再び恐怖の仮面をつけて邪悪な館へと足を踏み入れます。ボスは、ヘル・ガーディアンです。邪神の衛兵。その巨体とは裏腹に驚くほどの身軽さを持ち、爪や毒液で攻撃してきます。ダメージが蓄積すると顔の上半分が剥がれ落ちます。
STAGE2 Mansion 2nd Floor(2階)
リックはヘル・ガーディアンを倒し、ジェニファーを救出しますが、彼女に異変が起きます。彼女を救うためには、原因となる寄生虫を植え付けた魔物を倒す必要があります。ボスは、ジャイアント・イーターです。蛭を思わせる怪物で、その不気味な笑い声が特徴。高いジャンプ力や、自身の頭部を用いた攻撃、小型のモンスターの放出など多彩な攻撃を繰り出します。ダメージを受けると頭が爆発し、その内部からは無数の蛆が現れます。
STAGE3 Mansion 3rd Floor(3階)
リックはジャイアント・イーターを倒し、ジェニファーを救出します。しかし、デイビッドの姿はどこにもありません。彼は邪神の手に落ちる前に、デイビッドを助け出す必要があります。ボスは、マックザベアです。熊のぬいぐるみに憑依した悪霊で、害意に満ちた挑発と共に、爪での攻撃や突進を行います。ダメージを与えるとその醜悪な肉塊の本体を露わにします。
STAGE4 Mansion Basement(地下室)
邪神の復活の儀式が迫る中、リックは最後の場所である地下室へと進みます。その地下室では、邪神がデイビッドを使って地上の支配を目論んでいます。ボスは、タッツヴェルムです。最初は卵のような形状をしていますが、ダメージを受けると巨大な毛虫のような形状に変貌し、全身から電撃を放ちます。口からの突進攻撃も避ける必要があります。
STAGE5 The Dark Stone(魔石の神殿)
デイビッドは救出されますが、魔石の力が解放され、究極邪神が復活します。リックは究極邪神の暗躍を阻止し、地上の平和を守るため、彼を抹殺しなければなりません。究極邪神は、前作からの邪神が魔石の力で完全に復活した姿。雷や光弾を放つだけでなく、胸から巨大な顔を突き出して攻撃することもあります。
STAGE6 The Mask(最後の決戦)
隠されたヘルマスクの思惑にショックを受けたリックは、異次元の大地で最後の戦いに挑みます。ヘルマスクは、炎や分身を使った攻撃を行います。ガードする能力はありません。
STAGE X The Strange Zone(奇妙な空間)
STAGE Xは特殊なステージで、一定時間内に前のステージをクリアすると出現します。これはボーナスステージであり、命の書を獲得する機会がありますが、敵も登場します。本編のストーリーとは直接の関連性はありません。
敵キャラクター
敵キャラクター | 詳細 |
---|---|
ボーンデッド | ゾンビのような存在で、首のない死体に魂が宿ってる。手首の無い腕で攻撃してくる。 |
デッドリーパー | 目や鼻がない人間のような形状の魔物。爪が刃のように鋭く、赤いデッドリーパーはスライディングキックで攻撃する。 |
アンドラス | 皮膚が裸の鳥のような姿の魔物で、スライディングキックや舌を使った攻撃をする。 |
チャグル | 頭部が大きく発達した人間型の魔物で、攻撃方法は引っかき。 |
デッドマンファット | 前作から続投の醜い巨体の怪物で、口を突き出し突進してくる。 |
ヘルハウンド | 醜い犬のような化け物で、毒液を吐き出したり鋭い触手で攻撃したりする。 |
ブロノブ | 布切れの下に肉塊のような体を持つ幽霊。霊体化することで無敵になり、巨大な腕で引っ掻いたり、口から触手を伸ばして攻撃する。 |
エクトプラズム | リックが攻撃を受けて武器を落とすと現れ、その武器を持ち去る。攻撃はしてこないが、倒すことはできない。武器を取り戻すには、ステージ内の巣を見つける必要がある。 |
データ
『スプラッターハウス PART3』の基本情報です。
発売年 | 1993 |
プラットフォーム | メガドライブ |
ジャンル | アクション |
プレー人数 | 1人 |
メーカー | ナムコ |
開発会社 | ナウプロダクション |
プロデューサー | 下間正巳、Papaya Payapaya |
ディレクター | Naga! Yama! |
シナリオ | |
グラフィック | Gyoee! Miyazaki、Daiya.Y |
サウンド | 金田栄子 |
販売数 | |
受賞歴 |
評価
本作は、スプラッターハウスシリーズのファンから見ると、その一貫したショック要素を楽しむことができ、シリーズの前作である1と2の追求したホラーの要素が再び体験できます。特に、音楽の評価は高く、ラスボス戦とスタッフロールは必聴との声もあります。全体的なゲームの雰囲気は北米寄りになっており、プレー感は一新されています。それは主にクォータービューの視点や、ファイナルファイト風のバトルシステムなど、ゲームシステムの大幅な変更によるものです。これにより、ゲームには奥行きが生まれ、新たな挑戦をプレーヤーに提示しています。また、時間の経過によってストーリーが変化するシステムも導入され、その独特のストーリーテリングは新鮮さをもたらしています。しかし、一部のプレーヤーからは、ステージマップの複雑さや敵の固さについての批判も見られます。また、武器の出現頻度の低さや、通常の敵の強さなど、ゲームの難易度が高いと感じるプレーヤーもいます。
総合的に見ると、『スプラッターハウス PART3』は、新たな視点やバトルシステム、時間によるストーリーの進行といった新しい要素を導入し、シリーズの既存の枠組みを大きく超えています。その一方で、その変化がすべてのプレーヤーにとってポジティブなものではありません。
分析の元データは、インターネット上の書き込み情報などを可能な限り収集。相当量の情報を元に解析を実施しています。