PS版『EVE ZERO』攻略!マルチ視点とフォーカスモードで迫る過去の真実

プレイステーション版『EVE ZERO』

2000年当時、アドベンチャーゲームは多彩な作品が登場し、プレイヤーを魅了していました。その中で発売された『EVE ZERO』は、1995年に登場した『EVE burst error』の前日譚として位置づけられ、シリーズのファンにとって注目の作品となりました。プレイヤーは、探偵「天城小次郎」と公安捜査官「法条まりな」の2人の主人公を操作し、複雑に絡み合う事件の真相に迫ります。

開発背景や技術的な挑戦

『EVE ZERO』は、シリーズの前日譚として新たな物語を描くことに挑戦しました。従来の「マルチサイトシステム」に加え、新たに「フォーカスモード」を導入し、会話中に特定の人物に注目することで、通常の会話では得られない情報を引き出すことが可能となりました。また、キャラクターデザインにはCARNELIAN氏を起用し、若々しく魅力的なビジュアルが作品の雰囲気を一新しました。

プレイ体験

プレイヤーは、小次郎編とまりな編を交互に進めることで、物語の全貌を明らかにしていきます。小次郎編では、家出した少年の捜索を依頼され、調査を進めるうちに自身の過去に関わる大きな事件に巻き込まれていきます。まりな編では、連続猟奇殺人事件の捜査を担当し、事件の背後に潜む陰謀に迫ります。両編は直接交わることはありませんが、物語が進むにつれて、2人の捜査が交錯し、真相へと近づいていきます。

初期の評価と現在の再評価

発売当初、本作はシリーズの前日譚として期待されましたが、一部のプレイヤーからはシナリオの整合性やシステム面での不満が指摘されました。特に、フラグ立ての煩雑さやセーブ・ロードの遅さ、ログ機能の欠如などが挙げられました。しかし、近年ではシリーズ全体の設定を深く掘り下げた作品として再評価されており、特に『EVE rebirth terror』や『EVE ghost enemies』など、後続作品との繋がりを楽しむ上で重要な位置づけとなっています。

他ジャンル・文化への影響

『EVE ZERO』は、シリーズの世界観を拡張し、後続作品への橋渡しとなる重要な役割を果たしました。特に、作中で登場する「XTORT」や「Nシステム」などの設定は、後の作品においても重要な要素として取り上げられ、シリーズ全体の深みを増しています。

リメイクでの進化

もし本作が現代のゲーム機でリメイクされるとすれば、高解像度のグラフィックや快適な操作性、ログ機能の追加などが期待されます。また、ボイスの再収録や新たなシナリオの追加により、より深い物語体験が可能となるでしょう。

まとめ

『EVE ZERO』は、シリーズの前日譚として、2人の主人公の過去を描き、物語の背景を深める作品です。システム面での課題はあるものの、シリーズファンにとっては欠かせない一作であり、後続作品との繋がりを楽しむ上でも重要な位置づけとなっています。

攻略

プレイヤーは、探偵の天城小次郎と公安捜査官の法条まりな、2人の主人公を交互に操作しながら、複雑に絡み合った事件の真相を解き明かしていきます。ゲームはコマンド選択式のアドベンチャーゲーム形式で進行し、プレイヤーの選択によって情報収集や事件の進展が左右されます。

小次郎編では、家出した少年の捜索をきっかけに、やがて自らの過去にも関わる陰謀に巻き込まれていきます。一方、まりな編では、連続猟奇殺人事件の捜査を担当し、冷酷な犯罪者たちと知略を巡らす展開が待っています。2人の物語は直接交わることはありませんが、物語が進むにつれて、それぞれの事件が一つの大きな真相へと収束していきます。

ゲームシステムには、シリーズおなじみの「マルチサイトシステム」が採用されており、小次郎とまりな、異なる視点から物語を交互に追うことで、プレイヤー自身が事件の全貌を立体的に把握できる仕組みになっています。さらに今作では新たに「フォーカスモード」が導入され、会話中に特定の登場人物へ視線を向けることで、通常では得られない情報を引き出すことができ、より深い推理と洞察が求められます。

物語の進行中には複数のエンディングが用意されており、選択肢や行動によって結末が変化します。慎重に捜査を進め、すべての謎を明らかにするためには、注意深く情報を集める必要があります。プレイヤーは登場人物たちの思惑が交錯する中で、自らの判断力と推理力を試されることになります。

ストーリー

『EVE burst error』の2年前を舞台に、桂木探偵事務所の所長代理「天城小次郎」と警視庁公安第六課の敏腕捜査官「法条まりな」の2人の主人公が連続猟奇殺人事件に巻き込まれ、やがて事件の真相にせまっていきます。マルチサイトシステムを採用しているので主人公毎にストーリーが設定されています。

天城小次郎編

家出少年を探し出してほしい。発端は些細な依頼だった。父から逃れようとする少年、少年を必死に連れ戻そうとする父、そしてそれらをかばう者、攻める者。やがてそこから見えてくる過去の功罪。ひとつひとつの小さな事件が絡み合い、小次郎を翻弄していく。謎を追ううち、事件は小次郎の過去にまで及び、無関係だと思われていた事件がまるで鎖で繋がれているように関連性を帯びていく。事件が暴かれれば暴かれるほど謎は深まり、悲劇は繰り返されていく。誰が何のために被害者の内臓を集めているのか。その対象の向こうには何が待っているのだろうか。

法条まりな編

殺人課扱いの猟奇殺人事件が、超法規的組織公安第6課に回される。被害者の内臓は全て抜き取られていた。何故、一介の殺人を公安部が請け負うのかはっきりとした目的もわからないまま、頓挫する捜査。さらに、突然与えられた謎のアメリカ女性の監視・護衛命令。日本とアメリカ両国の様々な思惑が絡み合う中、突然起きる少女の失踪。事件が事件を呼び、終わらない悲劇的。敵は誰?誰猟奇殺人との関わりは?焦りと失望がまりなをからめ取る。やがて、まりなは犯人の罠の中へと導かれるように墜ちていく。

マルチサイトシステム

EVEシリーズの伝統である「ふたりの主人公の違った視点からひとつのストーリーを追う」システムです。

フォーカスモード

本作では新たにフォーカスモードを搭載。ふたりの人物との対面中、片方に近付いてその人物とだけの会話をする場合に使用します。通常の会話だけでは得られない情報を聞き出すことができます。ストーリー進行とは関係ない場面でも使用は可能で、普段とは違う相手の反応を見ることもできます。

登場キャラクター

主人公の天城小次郎と法条まりなをはじめとして個性豊かなキャラクターが登場します。

天城小次郎

桂木探偵事務所の所長で小次郎サイトの主人公。高校生の時、両親を事故で亡くす。命の危機に陥ったところを源三郎に救われ、家に引き取られて探偵の教育を受ける。甲斐あって辣腕の探偵に成長し、源三郎が出奔中は桂木探偵事務所の実質上の責任者として活躍する。源三郎の一人娘の弥生とは恋人同士だが喧嘩が絶えず別れてはまた復縁するという繰り返し。(あまぎこじろう、CV:子安武人)

法条まりな

まりなサイトの主人公。警視庁公安部に所属。高い任務成功率のやり手のエージェントだが、規律無視や上司への不服など問題も多く、甲野のフォローでなんとかやっている状態。恋愛が趣味といい切る奔放で楽天的な性格。桂木弥生とは留学時代の知り合い。(ほうじょうまりな、CV:三石琴乃)

榊原真

仁科遺伝子研究所所長、仁科秀人の息子。小次郎が茜から捜査を依頼されたのがきっかけで出会うことになる。表情は基本的にあまり外に出さず、言葉数も少ないが小次郎と接することによって少しずつ内面を見せるようになる。(さかぎばらしん、CV:保志総一朗)

トア・ノバルティス

まりなが担当した猟奇殺人事件で犯人逮捕の際に誘拐されていた少女。まりなが保護し、トアを一時的に引き取ることになる。明るく活発な女の子だが天然ボケの気が多少入っており、気が回らなかったりすることも多く人に騙されやすい。(とあのばるてぃす、CV:桑島法子)

桂木弥生

桂木探偵事務所所長代理。源三郎の娘で小次郎の恋人。理由も告げずに突然出奔してしまった父、源三郎の後を継いで小次郎と共に桂木探偵事務所を切り盛りしている。幼い頃に母を亡くし父親の源三郎とも離ればなれで育てられた。そのため男勝りで勝気な性格。自分の弱いところを見られるのが苦手で気丈に頑張っているが時々疲れて小次郎にもたれてしまうことも。(かつらぎやよい、CV:本多知恵子)

桂木源三郎

桂木探偵事務所の所長で弥生の父。実の娘の弥生もその詳しい経歴は知らず、探偵事務所の所長に身を置いている。天涯孤独の身となった小次郎を救い探偵に育て上げる。3年前に事務所と娘を小次郎に任せて失踪。そして、突然帰還をするが。(かつらぎげんざぶろう、CV:納谷悟朗)

柴田茜

フリーのカメラマン。事件の現場写真なども撮影している。小次郎曰く薄汚いゴシップ屋。今回、小次郎に仁科秀人の家出息子捜査依頼の仕事を紹介することになる。(しばたあかね、CV:かないみか)

仁科秀人

榊原真の父親で仁科遺伝子研究所の所長。遺伝子工学の権威でクローンから薬品をはじめ遺伝子改造野菜に至るまで、あらゆる遺伝子に関する分野で彼の名前は轟いている。小次郎に家出した息子の捜索を依頼する。世間体を気にして、真の家出を隠そうとしている。(にしなひでと、CV:肝付兼太)

甲野三郎

若くして警視庁公安部の要職に上り詰めた切れ者。階級や立場にとらわれない柔軟な思考の持ち主だが切れ者であるがゆえに組織の中では煙たがられ孤立した存在。後にまりなたち腹心の部下を連れ「内閣調査室」という公安では扱うことの難しい特殊な事件を調査する特殊機関を設立することになる。まりなが唯一心を許す上司。(のうのさぶろう、CV:野沢那智)

ルース・ブラッチフォード

フィルブライトの末端の秘書だが、フィルブライト財閥における対外諜報部的な役割を果たし、主にアジア圏の経済情報収集活動に従事している。性格はわがままだが普段はクールで打算的。(るーすぶらっちふぉーど、CV:勝生真沙子)

高畠豊

まりなが通う警察署に勤務する検視官。警視庁鑑識課所属。死体愛好家で彼が最も美しいと主張するのはドクロである。洞察力に優れ、死体からその犯人の心理を割り出したり、動機を解明したりしてまりなに助言する。いつもはぼーっと毎日を過ごす。楽天家。(たかばたけゆたか、CV:飛田展男)

二階堂進

桂木探偵事務所の調査員。桂木弥生に思いを寄せるがそれは小次郎へのライバル心を大きくしており、家出捜査で小次郎と手柄を競うことになる。(にかいどうすすむ、CV:上田祐司)

坂本邦彦

真のクラスメイト。いつも真につきまとっているように見えるが、実際は口数の少ない真の良き友人。性格は真とは対照的で明るく、お調子者。小さなことにはこだわらないタイプだが短気な一面もある。(さかもとくにひこ、CV:吉野裕行)

グレン

小次郎御用達の情報屋。裏社会の情報に明るく、元々は源三郎の紹介で小次郎と知り合う。情報以外にも色々と非合法的なものに手を出しているらしい。(ぐれん、CV:飯塚昭三)

シャサ・ノバルティス

日本に留学してきた研究家で、その後、日本の製薬会社ガイギー社の研究総責任者に就任。トアの父親。(しゃさのばるてぃす、CV:堀内賢雄)

平松竜弥

仁科組組員。普段は読書をこよなく愛する紳士だが、実は仁科組でも強行組員を率いる武闘派のヤクザ。(ひらまつたつや、CV:政宗一成)

葉室銀

財界政界に強い影響力を持つ政治家。資産家としても有名だが悪評が多い。(はむろぎん)

美作康治

内閣官房・内閣情報調査室の局員。命令無視が多く、疎まれた存在だが、その実績は警視庁最高とも言われている。前職の刑事時代は捜査一課だけではなく、マル暴や二課などでも活躍している。内調でも問題局員ではあるものの、任務の成功率の高さから、一目置かれている。(みまさかやすじ、CV:鈴置洋孝)

大山遥

帝都大学図書館司書。性格は穏和で、お人よし。またお喋り好きでもある。(おおやまはるか、CV:横尾まり)

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