アーケードの名作を振り返る『X・マルチプライ』の魅力と戦略

『Xマルチプライ』

『X・マルチプライ』は、1989年にアイレムから発売されたシューティングゲームです。プレイヤーは自機に装着された2本の触手を操り、敵と戦う独特なゲーム内容が特徴です。この触手を活用することで、新たな戦略性をもたらし、当時のシューティングゲームに一石を投じました。

『X・マルチプライ』とは

『X MULTIPLY』(エックスマルチプライ)は、1989年にアイレムから稼働されたアーケード用横スクロールシューティングゲームです。『R-TYPE』のフォースに代わる新たな武器として、自機から伸びる2本の触手が特徴で、これを操って敵を攻撃し、防御する独自のシステムが採用されています。また、プレイヤーは触手の動きを活用して様々な戦略を練ることが可能で、このアイデアは多くのプレイヤーに新鮮な驚きを提供しました。ゲームは全7ステージで構成されており、2周目にはさらに難易度が上がるチャレンジがプレイヤーを待ち受けています。

ゲーム内容

プレイヤーは自機「X-002」を操り、人類が植民した惑星スタンに寄生した極小エイリアンと戦います。この戦いは、謎の死を遂げる入植者を救うため、科学者たちによってミクロ化された戦闘機をエイリアンが寄生する体内に送り込むという、壮大なストーリーが背景にあります。ゲームの進行は、8方向レバーとボタンを使って自機を操作し、触手を駆使して敵を撃破していきます。パワーアップシステムを利用して自機の攻撃力を高めることもでき、戦略的なプレイが求められる点がこのゲームの魅力の一つです。

ストーリー設定

西暦2249年、人類が植民したスタン星での謎の死を解決するため、科学者たちは戦闘機X-002をミクロ化し、寄生エイリアンが原因であると判明した体内へと送り込みます。プレイヤーはこのミクロ化された戦闘機を操り、未知の敵と戦いを繰り広げることになります。

ゲームシステム

『X・マルチプライ』のゲームシステムを解説します。

操作方法

自機「X-002」の操作は、8方向レバーで移動し、1ボタンでショットとボムを使用します。さらに、触手の動きを活用することで、敵の攻撃を防いだり、強力な攻撃を繰り出すことが可能です。

パワーアップ

カプセルを取得することにより、自機の攻撃がパワーアップします。触手とビットを展開し、カプセルの色に応じてレーザー、ホーミング、シャドウなど様々な攻撃方式に変化します。これらのパワーアップを駆使して敵を撃破し、ステージを進めていきます。

カプセルの色武器効果
レーザー攻撃力が高く、敵を貫通する直線レーザーを前方に発射します。
ホーミング敵を追尾するミサイルを機体の上下から発射し、触手の先端からはノーマルショットが前方に発射されます。
シャドウ触手の先端が向いた方向にビットからリングビームを放射します。ビームの連射力と攻撃力は高く、攻撃方向をコントロールできますが、自機からの弾が撃てなくなるのが欠点です。
スピードアップスピードアップ自機の移動速度が1段階上がります。最大で4段階まで上がります。
スピードダウンスピードダウン自機の移動速度が1段階下がります。
ボムボム前方下方向にボムを発射します。パワーアップにより、2連射が可能になります。
1UP1UP自機のストックが1つ増えます。

攻略

『X・マルチプライ』は全7ステージから構成されており、各ステージは人体内部をモデルにしたユニークなデザインで、生物的な敵が多く登場します。ステージは「INTO THE HUMAN BODY」から始まり、「LUSTY HER MAJESTY」でクライマックスを迎えます。特に、ステージ2では巨大戦艦を撃破するという『R-TYPE』を彷彿とさせる構成が特徴的です。各ステージのボスには、クトゥルフ神話に由来する名称が付けられています。

ステージステージ名ボス
1INTO THE HUMAN BODYHOSTUR
2BK
3ABE GOOD-LOOKIN’ROKUSU
4THE ROLLING WORMSZARIKASU
5ILLEGAL ILLUSIONCHOUMS
6BLOODY BLOOMHIDRA
7TWILIGHT SIGHTDARYA
8LUSTY HER MAJESTYBYKHEE

データ

このタイトルの基本情報です。

発売年1989
プラットフォームアーケード
ジャンルシューティング
プレー人数1 – 2人(同時プレイ)
メーカーアイレム
開発会社アイレム
プロデューサー
ディレクター
シナリオ
グラフィック
サウンド石田雅彦
販売数
受賞歴

評価

アーケードゲーム『X・マルチプライ』のプレイヤー評価を分析すると、このゲームはその生物的なグラフィックとミクロの世界を舞台にした独特の設定で注目を集めています。特に、触手を使った攻撃システムはゲームのユニークな魅力を形成しており、多くのプレイヤーから好評を得ていることがわかります。グラフィックの質やゲームの戦略性、武器システムの多様性も高く評価されています。しかし、ゲームの難易度が高いことや「覚えゲー」という側面は、一部のプレイヤーにとって挑戦的である一方で、他のプレイヤーにはネガティブな点として捉えられています。特に、後半のステージやボス戦は、多くのプレイヤーが高い難易度に直面する部分です。

『X・マルチプライ』は、その複雑なゲームメカニズムと高い難易度を楽しむことができる経験豊富なシューティングゲームファンや、ユニークな世界観やグラフィックスタイルを求めるプレイヤーにとって非常に魅力的です。また、ゲームの深い戦略性を探求したいプレイヤーにもおすすめです。しかし、シューティングゲームの初心者や慣れていないプレイヤーにとっては、その難易度が挑戦的すぎることもあるため、プレイヤーが自身の好みやスキルレベルを考慮して適切なゲームを選択することが重要と言えます。

このように、『X・マルチプライ』は特定のプレイヤーグループにとっては非常に魅力的ながら、全てのプレイヤーにとってアプローチしやすいわけではない、独特の魅力を持つゲームであるということが分析から明らかになります。