アーケード『ワードナの森』は、1987年にタイトーから稼働された横スクロールアクションゲームです。開発は東亜プランが担当し、ファンタジー世界を舞台にした作品として注目を集めました。プレイヤーは魔法の炎を操る少年となり、誘拐された少女を救うため、森の支配者ワードナの城を目指して冒険します。全5ステージ構成で、敵を倒して得たゴールドを使い、ステージ間のショップでアイテムを購入して自機を強化する要素が特徴です。
開発背景や技術的な挑戦
『ワードナの森』は、シューティングゲームで知られる東亜プランが手掛けた数少ないファンタジーアクション作品です。開発当時、アーケード市場では『魔界村』のような高難度アクションゲームが人気を博しており、本作もその流れを汲んでいます。プログラマーの和田悦拓氏が中心となり、限られたハードウェアリソースの中で、滑らかなアニメーションや多彩な敵キャラクターの実装に挑戦しました。
プレイ体験
ゲームは8方向レバーとショット、ジャンプの2ボタンで操作します。初期状態では単発の炎しか撃てませんが、敵を倒して得られるアイテム「ボール小」を16個集めるか、「ボール大」を1個取得することで、最大10連射までパワーアップ可能です。ステージクリア後にはショップが登場し、ゴールドを使って「魔法のマント」や「針と糸」などのアイテムを購入できます。これらのアイテムは、敵の攻撃を防ぐなどの効果があり、攻略の鍵となります。
評価と再評価
稼働当初、『ワードナの森』はその高難度と独特の世界観から、プレイヤーの間で賛否が分かれました。しかし、時間が経つにつれて、その戦略性やリプレイ性の高さが再評価され、レトロゲームファンの間で根強い人気を誇る作品となりました。特に、2022年に発売された『飛翔鮫!鮫!鮫! -TOAPLAN ARCADE GARAGE-』にDLCとして収録されたことで、再び注目を集めました。
他ジャンル・文化への影響
『ワードナの森』は、アーケードゲームにおけるファンタジーアクションの先駆けとして、後の作品に影響を与えました。特に、ステージクリア後のショップシステムや、アイテムによる自機の強化要素は、後のアクションRPGやプラットフォームゲームにおいて一般的な要素となりました。また、その独特の世界観やキャラクターデザインは、同ジャンルの作品におけるデザインの参考となっています。
リメイクでの進化
現代に『ワードナの森』がリメイクされる場合、グラフィックの高解像度化や、オンラインランキング機能の実装などが期待されます。また、難易度設定の追加や、チュートリアルの充実により、初心者でも楽しめる設計が可能です。さらに、追加ステージや新たなアイテムの導入など、オリジナル版にはない要素を加えることで、新旧のファン双方に訴求できる作品となるでしょう。
まとめ
『ワードナの森』は、東亜プランが手掛けた数少ないファンタジーアクションゲームとして、アーケードゲーム史に名を刻んでいます。その高難度ながらも戦略性の高いゲーム性や、独特の世界観は、今なお多くのファンに愛されています。リメイクや移植を通じて、今後も新たな世代のプレイヤーにその魅力が伝わることを期待しています。
© TAITO CORPORATION 1987