1987年、ネオンが輝く六本木の街角。ゲームセンターの扉を開けると、タバコの煙と熱気が入り混じる空間に、最新のアーケードゲームがずらりと並んでいました。その中でもひときわ異彩を放つ一台、『対家麻濡感 六本木ライヴ編』が、プレイヤーたちの視線を集めていました。
開発背景や技術的な挑戦
『対家麻濡感 六本木ライヴ編』は、1987年に日本物産(ニチブツ)から発売された対戦型脱衣麻雀ゲームです。開発は日本物産とアルファ電子(後のADK)が共同で行い、前作『対家麻濡感 誘惑日記編』からの続編として登場しました。本作の最大の特徴は、専用の「特殊液晶コンパネ」を採用した点です。通常の麻雀ゲームでは、対戦相手に手牌が見えてしまうという課題がありましたが、この特殊液晶コンパネにより、プレイヤーそれぞれの手牌が個別の液晶画面に表示され、対戦相手からは見えないよう工夫されていました。
プレイ体験
ゲームセンターで初めて『対家麻濡感 六本木ライヴ編』に触れたとき、その専用筐体の存在感に圧倒されました。特殊液晶コンパネに表示される自分の手牌を見ながら、対戦相手との駆け引きを楽しむ新鮮さは、他の麻雀ゲームでは味わえないものでした。しかし、CPU戦においては、相手が和了すると即ゲームオーバーとなる厳しい仕様があり、攻略には高い集中力と技術が求められました。
初期の評価と現在の再評価
発売当初、専用筐体と特殊液晶コンパネを用いた対戦システムは注目を集めましたが、導入コストの高さやCPU戦の厳しいゲームバランスが影響し、普及は限定的でした。現在では、当時の技術的挑戦や独自性が再評価され、レトロゲームファンの間で語り継がれています。
他ジャンル・文化への影響
本作の特殊液晶コンパネを用いた対戦システムは、後の対戦型アーケードゲームにおけるインターフェース設計に影響を与えたと考えられます。また、脱衣麻雀というジャンル自体が、アーケードゲーム文化の一部として独自の地位を築くきっかけとなりました。
リメイクでの進化
現代にリメイクされるとすれば、オンライン対戦機能の実装や、グラフィックの高解像度化が期待されます。また、VR技術を活用することで、より没入感のある麻雀対戦を実現する可能性も考えられます。
まとめ
『対家麻濡感 六本木ライヴ編』は、1987年当時のアーケードゲームとして、技術的な挑戦と独自性を兼ね備えた作品でした。専用筐体や特殊液晶コンパネの導入は、対戦麻雀ゲームに新たな可能性を示しました。現在ではその希少性と革新性から、レトロゲームファンの間で再評価されています。
© 1987 日本物産