1997年、アーケードゲームセンターには多くのシューティングゲームが並び、その中でも独自のシステムを持つタイトルが次々と登場していました。そのひとつが『閃激ストライカー』です。当時のゲームセンターの片隅で、このゲームに熱中するプレイヤーたちは、小さな当たり判定と遅めの弾幕を駆使し、独特なオプションシステムを活かして攻略を進めていました。弾幕シューティングが流行し始めた時代に生まれた本作は、他の作品とは異なるアプローチでプレイヤーを引き込みました。
開発背景や技術的な挑戦
『閃激ストライカー』は、1997年7月に童(ワラシ)が開発し、カネコから発売された縦スクロールシューティングゲームです。同年2月にリリースされた『紫炎龍』に続く形で登場し、当時の童がシューティングゲームに積極的に取り組んでいたことが伺えます。本作は、ナムコの『ネビュラスレイ』を思わせる3D風レンダリングのグラフィックが特徴的で、敵や背景のデザインにもこだわりが見られました。しかし、発売後はあまり話題に上がらず、『紫炎龍』が後に移植される一方で、『閃激ストライカー』は未だに移植の機会を得られていません。
プレイ体験
本作のゲームシステムはシンプルながら独自性がありました。Aボタンでショット、Bボタンでボンバーを使用するオーソドックスな操作ながら、オプション装備の使い方が戦局を大きく左右します。追尾とレーザーの2種類のオプションを最大4つまで装着可能で、連射することで強力な攻撃を繰り出すことができます。
弾幕シューティングとしては敵弾の速度が遅く、画面内に長く留まるのが特徴です。そのため、単に弾を避けるのではなく、弾の流れを把握して動くことが求められます。さらに、オプションは一定回数敵の攻撃を受けると破壊されてしまい、攻略の難易度が大きく変化します。
通常ショットの威力が低いため、オプションを駆使しながら戦うスタイルが求められ、適切なタイミングで攻撃を仕掛ける戦略性が楽しめる作品となっています。
他ジャンル・文化への影響
『閃激ストライカー』は、同時期の他のシューティングゲームに比べると知名度が低く、大きな影響を与えた作品とは言えません。しかし、独特のオプションシステムや弾幕の特徴は、後のシューティングゲームに少なからず影響を与えた可能性があります。また、弾幕系シューティングの流れが加速していく時期にリリースされたこともあり、一部のコアなファンには記憶に残る作品となっています。
リメイクでの進化
もし『閃激ストライカー』が現代にリメイクされるとしたら、グラフィックの向上はもちろんのこと、弾幕の調整やオプションシステムの改良が求められるでしょう。特に、オプションの運用がゲーム性の鍵となっているため、カスタマイズ要素を追加することで、より戦略的なプレイが可能になるかもしれません。また、オンラインランキングやリプレイ機能の実装により、スコアアタックの楽しみが増すことが期待されます。
まとめ
『閃激ストライカー』は、1997年に登場した縦スクロールシューティングゲームで、弾幕シューティングが本格的に流行し始めた時期の作品です。オプションを駆使した独特なゲーム性や、3D風のグラフィックが特徴的ですが、移植されることなく埋もれてしまったタイトルでもあります。
本作の魅力は、単なる弾避けではなく、弾の流れを読みながら戦う戦略性にあります。知名度は高くないものの、当時のシューティングゲームの多様性を感じさせる貴重な作品として、今もなお一部のファンに語り継がれています。
© 1997 KANEKO / WARASHI