アーケード版『ショーリンズロード』

『ショーリンズロード』は、1985年にコナミによって発表されたアクションゲームです。『イー・アル・カンフー』の番外編的な位置づけで、本作では敵をKOするのではなく、一定数を倒すことでステージをクリアします。縦画面仕様の本作は、主人公ワンピョウが幻の拳法「陳家秘伝の少林拳」を使い、悪の軍団「ヤムチャ団」に立ち向かいます。

『ショーリンズロード』とは

『ショーリンズロード』は、横画面の『イー・アル・カンフー』と異なり、縦画面で展開されるアクションゲームです。プレイヤーは主人公ワンピョウを操作し、ステージ上に現れる敵を倒していきます。敵は何度でも出現し、画面上部のアイコンで全滅までの目安が示されます。ステージは2ラウンド制で、後半にはボスが登場。ライフ制と残機制を採用しており、ダメージを受けるとライフが減少し、すべて無くなるとミスとなります。

ゲーム内容

本作の目的は、主人公の攻撃で画面内の敵を全滅させることです。ステージは5つあり、各ステージは前半戦と後半戦の2ラウンドから成り立っています。前半戦では雑魚敵のみが登場し、後半戦ではボスも加わります。操作はレバーと2ボタン（攻撃・ジャンプ）を使用し、レバーで移動や段差の上下移動、ボタンで攻撃やジャンプを行います。アイテムを取得することで特殊攻撃が可能になります。

ストーリー設定

主人公のワンピョウは「陳家秘伝の少林拳」を会得した拳士です。彼の師・ラオチューが悪の軍団「ヤムチャ団」に暗殺されたため、ワンピョウは「邪拳寺」に潜入し、脱出を図ります。ステージ2のボス、ミンミンは『イー・アル・カンフー』に登場したスターの妹という設定です。

ゲームシステム

ゲームシステムは、敵を全滅させることでステージをクリアするシンプルなものです。ライフ制と残機制を採用し、ダメージを受けるとライフが減少します。操作はレバーと2ボタンで、移動、攻撃、ジャンプが可能です。アイテムを使用することで特殊攻撃が行えます。

アイテム

『ショーリンズロード』には、敵を倒すことで出現する様々なアイテムが存在します。これらのアイテムは一定時間が経過すると自動的に消えるため、プレイヤーは迅速に獲得する必要があります。中でも特徴的なのが、紫色、黄色、緑色の3種類の玉です。紫色の玉を獲得すると、プレイヤーは貫通力を持つ鉄球を投げることができます。この鉄球は、プレイヤーが向いている方向に投げられ、左右のレバー入力によって操作可能です。有効時間内であれば、何度でもキャッチして再投げすることができるため、戦略的に使用することが重要です。黄色の玉は、左右に気合弾を放つ能力をプレイヤーに与えます。この気合弾は貫通力はありませんが、広範囲の敵を攻撃するのに有効です。緑色の玉は、プレイヤーにバリアを提供します。これにより、一定時間、敵の攻撃から身を守ることができます。加えて、ラーメンやシュウマイといったボーナスアイテムもゲーム中に登場します。これらのアイテムに攻撃を加えることで、追加のボーナスを獲得することが可能です。

操作方法

方向レバーと2つのボタンを使用します。レバーで左右移動や段差の上下移動、攻撃ボタンでキック攻撃、ジャンプボタンでジャンプが可能です。

データ

このタイトルの基本情報です。

評価

『ショーリンズロード』は、その軽快なテンポと爽快なゲームプレイで多くのプレーヤーから高い評価を受けている作品です。本作の最大の特徴は、余計な演出を排除し、アップテンポで敵を倒していくスタイルにあります。各ラウンドは短期決戦形式で、1分もかからずに終了するため、テンポの良さが際立っています。また、敵を倒す際の効果音とビジュアルエフェクトは、プレイヤーにとって非常に満足感の高い体験を提供します。グラフィックとサウンドの面では、カンフー映画を彷彿とさせるスタイルが採用されており、これがゲームの雰囲気を一層引き立てています。キャラクターの個性や舞台設定の細かな描写は見事で、カンフー映画のお約束を忠実に再現している点も魅力的です。BGMはチャイニーズアクション風で、主人公がピンチに陥るとテンポが上がるなど、緊迫感を盛り上げる演出が施されています。しかし、本作の難易度は比較的低めに設定されています。敵の行動パターンがわかりやすく、簡単に攻略できる点がその理由です。また、主人公のダメージ許容回数が多く、ダメージを受けてもリセットされるシステムがあるため、ミスをしてもゲームオーバーになりにくい設計となっています。周回プレイの難易度上昇も緩やかで、長時間プレイしても難しくなる感覚が少ないです。

このような特徴から、『ショーリンズロード』は特に忙しい日常の中で短時間の息抜きを求めるプレーヤーや、カンフー映画のファン、そしてアクションゲーム初心者に特におすすめできる作品です。軽快なテンポと直感的な操作性で、誰でも簡単に楽しめる点が大きな魅力です。ただし、高い難易度を求める上級者にとっては、やや物足りなさを感じるかもしれません。全体的には、アクションゲームの入門作として、または気軽に楽しめるカジュアルゲームとして、幅広い層に受け入れられる作品であると言えます。