1980年代初頭、ゲームセンターの薄暗い空間に響く電子音と、カラフルな画面が並ぶ中、一際目を引くゲームがありました。『サタンオブサターン』の筐体は、宇宙をテーマにしたデザインで、プレイヤーたちは未知の惑星への冒険に胸を躍らせたものです。
開発背景や技術的な挑戦
『サタンオブサターン』は、1981年にSNK(新日本企画)によって開発された固定画面シューティングゲームです。北米ではタイトーが『Zarzon』のタイトルでライセンス販売を行いました。ゲームはSNKの6502アーケードシステム基板上で動作し、同じハードウェアを使用した他のタイトルには『Sasuke vs. Commander』(1980年)や『Vanguard』(1981年)などがあります。
プレイ体験
プレイヤーは宇宙船を操り、サターン(惑星)に向かい、多数の敵を撃破することが目的です。ゲームは4つの異なるステージで構成されており、各ステージで異なる敵や障害物が登場します。特に、彗星やトンボ型の敵を倒すことでボーナスポイントが得られるシステムが特徴的です。また、5,000点または10,000点に到達すると追加の宇宙船が与えられるため、高得点を狙う戦略性も求められます。
初期の評価と現在の再評価
発売当初、『サタンオブサターン』は『スペースインベーダー』の流れを汲むゲームとして注目されました。しかし、ゲーム性やグラフィック面で先行するタイトルを凌駕する要素が少なく、当時のゲーム市場では大きな成功を収めるには至りませんでした。現在では、SNK初期の作品として、また1980年代初頭のシューティングゲームの一例として再評価されています。
他ジャンル・文化への影響
『サタンオブサターン』自体が他のジャンルや文化に大きな影響を与えたという具体的な記録は少ないものの、1983年の映画『Joysticks』に本作のアーケード筐体が登場しています。これは、当時のアーケード文化の一端を示すものとして興味深い事例です。
リメイクでの進化
現代にリメイクされる場合、オリジナルの固定画面シューティングの魅力を保持しつつ、グラフィックの高解像度化やサウンドのリファインが期待されます。また、オンラインランキングや協力プレイモードの追加により、現代のゲームプレイヤーにも受け入れられる要素を取り入れることが考えられます。
まとめ
『サタンオブサターン』は、1981年にSNKが手掛けた固定画面シューティングゲームで、当時のアーケードゲームの一翼を担いました。ゲーム性やグラフィック面での課題はあったものの、SNK初期の作品として、また1980年代初頭のゲーム文化を知る上で貴重なタイトルです。現代においても、その歴史的価値から再評価されるべき作品と言えるでしょう。
© 1981 SNK Corporation