アーケード版『ラウンドトリップRV』SNK初の3Dレースが魅せた技術革新

アーケードゲーム『ラウンドトリップRV』は、1997年にSNKから発売されたレースゲームで、同社初のリアルタイム3Dポリゴン描写を採用した作品です。プラットフォームは「ハイパーネオジオ64」で、本作はその第1弾タイトルとして登場しました。ゲームジャンルはオフロード系のレースゲームで、最大4人までのリンクプレイが可能です。プレイヤーは実在のSUVやピックアップトラックを模した車両を操作し、アメリカ、アジア、ヨーロッパをモチーフにした3つのコースを走行します。

開発背景や技術的な挑戦

『ラウンドトリップRV』は、SNKが新たに開発したアーケード基板「ハイパーネオジオ64」の初タイトルとして登場しました。従来の2D描写から脱却し、リアルタイム3Dポリゴン描写を採用することで、よりリアルな車両やコースの表現を実現しました。これは、当時の業界における技術的な挑戦であり、SNKにとっても新たな試みでした。

プレイ体験

ゲームは「トライアルモード」と「チャンピオンシップモード」の2つのモードが用意されており、前者では1つのコースを選んでプレイし、後者では3つのコースを連続して走行します。コースはアメリカ(サンフランシスコ風)、アジア、ヨーロッパ(雪山)をモチーフにしており、それぞれ異なる景観と難易度が特徴です。プレイヤーは、5速マニュアル(上級者向け)、4速オートマチック(初心者向け)、オートブレーキ付きオートマチック(学生ドライバー向け)の3種類のトランスミッションから選択できます。また、走行中にBGMを変更することも可能で、ボタン1~3で他のコースのテーマに切り替え、ボタン4でBGMをオフにできます。

初期評価と再評価

発売当初、『ラウンドトリップRV』はSNK初の3Dレースゲームとして注目されましたが、他社の同ジャンル作品と比較して知名度は低く、マイナーな存在となっていました。しかし、近年ではその独特なゲーム性やユニークな裏技が再評価され、レトロゲームファンの間で話題となっています。

他ジャンル・文化への影響

『ラウンドトリップRV』は、SNK初の3Dレースゲームとして、同社の技術的進化を示す作品となりました。また、寿司に変化する裏技など、ユーモアを取り入れたゲームデザインは、後の作品にも影響を与えたと考えられます。さらに、本作のBGMは、新世界楽曲雑技団によって制作され、エレキギターを主体としたレースゲームらしいサウンドが特徴です。

リメイクでの進化

もし現代にリメイクされるとすれば、グラフィックの高解像度化やオンラインマルチプレイの導入、車両やコースの追加などが期待されます。また、現代のゲーム機の性能を活かし、よりリアルな物理演算やエフェクトの強化が可能となるでしょう。さらに、隠し要素や裏技も現代風にアレンジされ、新たな楽しみ方が提供されるかもしれません。

まとめ

『ラウンドトリップRV』は、SNKが新たな技術に挑戦した意欲作であり、独特なゲーム性やユーモアを持ち合わせた作品です。発売当初はマイナーな存在でしたが、現在ではその魅力が再評価され、レトロゲームファンの間で注目を集めています。もし機会があれば、実際にプレイしてその独特な世界観を体験してみてはいかがでしょうか。

© SNK CORPORATION 1997