AC版『レイストーム』戦略的ロックオン攻撃と美麗3D空間

アーケード版『レイストーム』

1996年、アーケードゲーム市場はシューティングゲームの進化と多様化を迎えていました。その中で、タイトーが開発した『レイストーム』は、斬新な3Dグラフィックとロックオンレーザーを駆使した戦闘システムで話題を集めました。本作は、プレイヤーに360度の空間戦闘の感覚を与え、独特な浮遊感と爽快感を備えたシューティングゲームとして登場しました。

開発背景と技術的な挑戦

『レイストーム』は、タイトーの「レイシリーズ」の2作目として登場しました。前作『レイフォース』の2Dグラフィックから一新し、ポリゴンを活用した3Dグラフィックを採用。これにより、奥行きのあるステージやダイナミックなカメラワークが実現され、シューティングゲームの表現の幅を広げることに成功しました。また、本作の特徴的なシステムとして「ロックオンレーザー」があります。プレイヤーは複数の敵をターゲットして一斉に攻撃することが可能で、このシステムは戦略的なゲームプレイを求める要素として組み込まれました。

評価の変遷

『レイストーム』は、タイトーが1996年にアーケード向けにリリースした縦スクロール型シューティングゲームで、同社の「レイ」シリーズの第2作目です。前作『レイフォース』から一新された3Dポリゴンによる美麗なグラフィックと、独自のロックオンシステムが特徴です。総合的な評価としては、ポジティブな意見が約80%、ネガティブな意見が約20%と、高い評価を受けています。

ポジティブな評価の要因として、まず挙げられるのは、当時としては画期的な3Dポリゴンを駆使した美麗なグラフィックです。特に、ステージごとの多彩な背景や敵キャラクターのデザインは、プレイヤーに強い印象を与えました。また、従来のシューティングゲームとは一線を画すロックオンシステムにより、戦略的なプレイが求められ、ゲーム性の深さが増しています。さらに、ZUNTATAによるBGMも高く評価されており、ゲームの世界観を盛り上げる要素として欠かせない存在となっています。一方、ネガティブな評価としては、難易度の高さが指摘されています。特に、後半のステージになると敵の攻撃が激化し、初心者には攻略が難しいと感じられることがありました。また、一部のプレイヤーからは、操作性に慣れるまで時間がかかるとの意見も見受けられます。さらに、ステージ構成や敵配置において、パターン化された部分が多く、リプレイ性に欠けると感じる人もいました。

本作は、シューティングゲームに慣れ親しんだプレイヤーや、戦略的なゲームプレイを求める方に特におすすめです。

発売当初、『レイストーム』はその美しい3Dグラフィックとロックオンシステムにより、シューティングゲームファンから高い評価を受けました。一方で、難易度の高さや、2Dシューティングゲームに慣れたプレイヤーには取っ付きにくい面もありました。その後、PlayStationやセガサターンへの移植版が登場し、家庭用ゲーム機でも楽しめるようになったことで、さらに多くのプレイヤーに受け入れられました。近年ではリマスター版やデジタル配信により、新たな世代のゲーマーにも再評価されています。

影響と遺産

本作の「ロックオンレーザー」システムは、後のシューティングゲームにも影響を与えました。特に、3Dシューティングゲームにおけるターゲットロックの概念は、後のゲームデザインに多く取り入れられています。また、タイトーのシューティングゲームの中でも『レイストーム』は今なお高い評価を受けており、アーケードシューティングゲームの進化の過程を語る上で欠かせない存在となっています。

リメイクの可能性

もし現代にリメイクされるとすれば、グラフィックのリマスターやVR対応による没入感の向上が期待されます。さらに、オンライン協力プレイモードを追加すれば、新たなプレイヤー層の獲得にもつながるでしょう。また、現代のシューティングゲームに見られるカスタマイズ要素を導入することで、より自由度の高いプレイ体験が実現できるかもしれません。

まとめ

『レイストーム』は、シューティングゲームの新たな可能性を示した作品でした。3Dグラフィックの美しさ、独特のロックオンシステム、戦略的なプレイスタイルは、今なお色褪せることなく、多くのファンに愛されています。今こそ、その魅力を改めて体験してみてはいかがでしょうか。

攻略

「レイフォース」の続編に該当。スクリーン上の背景を自在にスクロールさせ、臨場感と迫力のある戦闘シーンを演出する「アクティブ・スクリーン」システムを搭載。

操作方法

初心者と上級者のそれぞれに適切な操作方法があります。まずは、初心者向きの操作方法です。ショットとレーザーを1ボタンにまとめて操作できます。

8方向レバー移動
ボタン1ショット+ロックオンレーザー。ショットは同高度の敵を攻撃。ロックオンレーザーは高度に関係なく、サイトに入った敵をロックオンします。 
ボタン2 スペシャルアタック。爆発を多数発生させ、広範囲にダメージを与える(無敵状態)

次に、上級者向きの操作方法です。ショットとレーザーを撃ち分ける高度な操作が要求されます。

8方向レバー移動
ボタン1 ショット。同高度の敵を攻撃するのに使用。
ボタン2ロックオン攻撃。高度に関係なく、敵を照準でロックした後、攻撃するのに使用。 
ボタン1+2スペシャルアタック。爆発を多数発生させ、広範囲にダメージを与える(無敵状態)。

(C)TAITO CORP.1996

データ

『レイストーム』の発売年、メーカー、開発などのデータです。

発売年1996
メーカータイトー
開発会社タイトー
プラットフォームアーケード
ジャンルシューティング
プロデューサー阿部幸雄
ディレクター阿部幸雄、中村辰男、山下智久
作曲者河本圭代(ZUNTATAのTAMAYO)
キャラクターデザイン不明
販売本数不明