1993年、ゲームセンターの喧騒の中、ひときわ目を引く大型筐体が登場しました。鮮やかなグラフィックと軽快な音楽が響き渡り、多くのプレイヤーがハンドルを握りしめ、世界各地のコースを駆け抜けていました。そのゲームこそ、セガの『アウトランナーズ』です。
開発背景や技術的な挑戦

『アウトランナーズ』は、1986年の『アウトラン』、1989年の『ターボアウトラン』に続くシリーズ第3作として、セガの第1AM研究開発部によって開発されました。本作では、最大8人までの通信対戦が可能となり、8種類の車種から選択できるなど、シリーズ初の試みが多数盛り込まれました。また、セガのシステム32基板を使用し、美麗なグラフィックとスムーズな動きを実現しました。
プレイ体験
プレイヤーは、8種類の個性的な車種から1台を選び、世界各地の名所を舞台にしたコースを走行します。コース中には象や路面電車などの障害物が配置されており、クラッシュしてもコミカルに復帰する演出が印象的でした。ルート分岐も復活し、プレイヤーの選択によって異なる景色や難易度を楽しむことができました。
初期の評価と現在の再評価
稼働当初、『アウトランナーズ』はゲーム誌『ゲーメスト』の第7回ゲーメスト大賞(1993年度)にて、大賞8位、ベストアクション賞5位、ベストグラフィック賞5位、ベストVGM賞4位を獲得するなど、高い評価を受けました。現在でも、その多人数対戦や多彩なコース選択が再評価され、レトロゲームファンから愛されています。
他ジャンル・文化への影響
『アウトランナーズ』は、その明るくコミカルな演出や多彩なコース設計により、後のレースゲームやアーケードゲームに影響を与えました。また、シリーズ全体としても、ドライブゲームの楽しさや自由度を広める役割を果たしました。
リメイクでの進化
現代にリメイクされる場合、オンライン対戦や高解像度のグラフィック、VR対応などが期待されます。さらに、リアルな物理演算や新たな車種の追加など、最新技術を活用した進化が考えられます。
まとめ
『アウトランナーズ』は、シリーズの魅力を継承しつつ、多人数対戦や多彩なコース選択など、新たな要素を取り入れた意欲作でした。コミカルな演出や自由度の高いプレイスタイルは、多くのプレイヤーに愛され、現在でもその魅力は色褪せていません。
攻略
プレイヤーは性能の異なる8つの車種から自分の車を選び、制限時間内に次のチェックポイントに到達しながら世界各国の著名な場所を舞台にレースを行います。東回りと西回りの2つのコースがあり、ルート分岐を利用してさまざまなステージを走破していくことが目的です。最大8人までの通信プレーが可能で、友達と一緒に観光気分を味わいながら楽しむことができます。また、選択できる車種はオートマチックトランスミッションとマニュアルトランスミッションのどちらかが選べるようになっており、様々な運転スタイルに対応しています。
ゲームシステム
プレーヤーはまず性能の異なる8つの車種から自分の車を選択します。選んだ車で制限時間内に次のチェックポイントに到達しながらレースを進めていきます。全5ステージをクリアするとゴールとなります。舞台は地球全土で、アメリカを起点に東回りと西回りの2つの大きく異なるコースが用意されています。スタート直後に最初のコース分岐点が現れ、東か西のどちらかを選択します。その後、各ステージの最後で次のステージへの分岐点が現れます。通信対戦では、コース選択時に先頭を走っているプレーヤーにコースの選択権が与えられます。2位以降のプレーヤーは先頭が選んだコースを走ることになります。シフトレバーは上がLOW、下がHIGHの2方向になっており、LOWに入れると1速シフトダウン、HIGHに入れると1速シフトアップします。オートマチックトランスミッションを選択した場合は、シフトレバーを使用しないことになります。
車種
プレーヤーは性能の異なる8つの車種から自分の車を選択できます。各車種はオートマチックトランスミッションかマニュアルトランスミッションのいずれかが選べます。車種は以下の通りです。
車種 | 色 | 特徴 |
---|---|---|
Easy Handling | ブルー | ハンドリングに優れ、扱いやすいが、クラッシュ時の減速が大きい |
Smooth Operator | シルバー | 性能はEasy Handlingと似ており、主な差異はシフト数 |
Bad Boy | ブラック | 全車中最も加速が速いが、ハンドリングは最も悪い |
The Road Monster | ピンク | 衝撃に強く、障害物にぶつかっても減速が小さいが、ハンドリングと最高速度は低い |
Quick Reactor | オレンジ | 加速・ハンドリング性能に優れるが速度は遅く、クラッシュすると完全停止するほど衝撃に弱い |
Wild Chaser | グリーン | コース外を走ると加速と最高速度が増す。通常時の加速はやや高いが速度は遅い |
Mad Power | イエロー | 最高速度が速く、加速性能もやや高い。ただしハンドリングはやや低い |
Speed Buster | レッド | 最高速度が速く、Mad Powerよりハンドリングも高いが代わりに加速性能が低い |
ステージ
ステージ構成は、2つの大きなコースに分かれています。それぞれのコースは、さらに多くのサブステージに分岐します。最初の分岐点で東回りコースに進むか、西回りコースに進むかを選択できます。
コース | ステージ | 名称 |
---|---|---|
東回りコース | ステージ1 | Grand Canyon |
東回りコース | ステージ2 | Niagara Falls または South America |
東回りコース | ステージ3 | Switzerland または Atlantic Ocean Tunnel または Spain |
東回りコース | ステージ4 | Germany または France または Mediterranean Sea または Egypt |
東回りコース | ステージ5 | Russia または China Japan または Hong Kong または Australia |
西回りコース | ステージ1 | San Francisco |
西回りコース | ステージ2 | Hawaii または Pacific Ocean Bridge |
西回りコース | ステージ3 | China または Japan または Hong Kong |
西回りコース | ステージ4 | Germany または France または Mediterranean Sea または Egypt |
西回りコース | ステージ5 | Northern Europe または Switzerland または Atlantic Ocean Tunnel または Spain または Kenya |
BGM
プレーヤーが10曲のBGMから好みの曲を選ぶことができます。各車種には初期設定BGMが存在し、ハンドル左側にあるMUSIC SELECTボタンを押すことで他の曲に切り替えることが可能です。また、隠しBGMとして「Jingle Bell」があり、左右の選曲ボタンを同時に押すことで選択できます。さらに、「DJ/MUSIC」ボタンを押すと、Mega Radio StationというDJモードに切り替わり、DJの声とともにステージごとの曲が流れます。このボタンを押すたびに、DJモードとBGMが切り替わります。『アウトラン』で選べる3曲のうちの1曲である「Passing Breeze」も楽しむことができます。他の2曲、「Splash Wave」と「Magical Sound Shower」も1993年版として収録されています。
楽曲名 | 説明 |
---|---|
Speed King | Easy Handlingの初期BGM |
Picture the Rivers | Smooth Operatorの初期BGM |
Blow Your Cool | Bad Boyの初期BGM |
Sonic Control | The Road Monsterの初期BGM |
Looking for the Rainbow | Quick Reactorの初期BGM |
Adventure | Wild Chaserの初期BGM |
Splash Wave(1993) | Mad Powerの初期BGM |
Magical Sound Shower(1993) | Speed Busterの初期BGM |
Passing Breeze(1993) | どの車の初期BGMでもない |
Jingle Bell | 隠しBGM、左右の選曲ボタンを同時に押すと選択 |
© 1993 SEGA