『メトロクロス』は、アーケード向けのアクションゲームです。1985年、ナムコが発売しました。
『メトロクロス』とは
このゲームの主人公は走ることとジャンプすることしかできません。ゴールまでにはいろいろな障害物があります。障害物をかわしてひたすら走り、制限時間内でのゴールを目指します。このゲームはナムコブランドだけあって、当時は知名度が高いタイトルでした。ただ、アミューズメント施設への導入が少なく、プレーしたくてもプレーができないという状況でした。その後、コンシューマーゲーム機へ移植されるようになって、誰もがプレーできるようになりましたが、時既に遅し。ゲームユーザーの関心はなくなり、知名度も低いタイトルになってしまいました。
ゲーム内容
制限時間内でゴールを目指します。障害物に当たるとスピードダウンしたり、転んだりして、タイムロスの原因になります。ジャンプで障害物を避けましょう。制限時間内にゴールすればラウンドクリアになりますが、制限時間内にゴールにたどり着けないときはゲームオーバーとなります。なお、このゲームはひたすらゴールを目指して走り続けるゲームです。ラスボスは存在しません。
- 各ステージのゴールを目指す
- 8ステージ(32ラウンド)構成
- 残タイムがゼロでゲームオーバー
操作方法
方向レバー | 移動 |
ボタン1 | ジャンプ |
ゲーム画面
番号 | 名称 |
---|---|
① | 自機 |
② | ラウンドの残タイム |
③ | 現在のラウンド |
④ | 到達状況 |
⑤ | クレジット |
⑥ | 1Pスコア |
⑦ | ハイスコア |
アイテム・障害物
ゲーム中、ゲームクリアをサポートするアイテムやプレーヤーの行く手を阻む障害物が登場します。
サポートアイテム
エリア中のアイテムをうまく利用しましょう。缶は蹴り続けるとスコアがアップし、また、踏めば少しの間タイムを止めることができます。スペシャルドリンクは、取ると一定時間だけスピードがアップします。
アイテム | 効果 |
---|---|
アルミ缶 | 踏み潰すとタイマーを2秒間止めることができる。連続で蹴ると高得点獲得。得点の計算式は下記「得点計算」を参照。 |
スペシャルドリンク | 一定時間ランナーのスピードアップ。また、効果継続中にアルミ缶を潰すと止めた時間分だけ効果延長できる。 |
スケートボード | スケートボードに乗っているときはスリップゾーンを無効化できる。ジャンプボタンを押すと降りる。障害物に当たると落ちる。 |
ジャンプ台 | 台の上でジャンプボタンを押すと遠くへジャンプすることが可能。台に乗る前にボタンを押しっぱなしでも良い。 |
障害物
ゲーム開発者からの挑戦とも言える障害物が多数登場します。全障害物を看破すればゲームクリアに近づきます。障害物の数はサポートアイテムよりも多く設定しています。
障害物 | 特徴 |
---|---|
ジャンボ缶 | 巨大な缶。コース上を転がってくる。正面からぶつかるとキャラクターが潰れてしまうが、ジャンプしていればつまずく程度で済む。 |
スリップゾーン | 緑色のタイル。走行スピードが落ちる。スケートボードに乗っていれば無効化できる。 |
クラッカー | クラッカーを踏むと上方に吹き飛ばされてしまう。この性能を活かして、障害物を飛び越えることが可能。 |
ハードル | 障害物競走にでてくるものと同じ。正面からぶつかると転倒、ジャンプ中なら躓く程度。 |
落とし穴 | 落ちるとしばらくの間、起き上がることができず、タイムロスにつながる。 |
ネズミ | ランナーに噛み付く。噛み付かれている最中はスピードダウン。3匹以上なら動けない。レーナーの左右で振り払い可能。 |
ウォール | 高さのある壁。ジャンプで飛び越すことができるがタイミングは難しい。腕に自信がなければ避けるのが賢明。 |
ナイト&キング | コースを飛び跳ねながらランナーに向かってくる。正面からぶつかると転倒、ジャンプ中であれば躓くか転倒。 |
ジャンボタイヤ | 前方から飛び跳ねながら転がってくる。正面からぶつかると転倒。ジャンプしても交わすことが難しい。 |
キューブ | 赤い箱。正面からぶつかると転倒する上に、複数回、踏みつけ攻撃を受けることもある。ゲーム中、最凶の障害物。 |
得点計算
基本的なスコアは、各ラウンド完走時の残タイムによって算出するボーナス点です。1から3ラウンド、4ラウンドでボーナス点の計算式が異なります。
ラウンド | 計算式 |
---|---|
1-3 | 残タイム0.1秒毎に50pts |
4 | 残タイム0.1秒毎に100pts |
コース上に落ちているアルミ缶を得点が入ります。アルミ缶を連続して蹴ると、高得点獲得のチャンスです。
蹴った回数 | 1回 | 2回 | 3回 | 4回 | 5回 |
---|---|---|---|---|---|
得点 | 100 | 500 | 1,000 | 2,000 | 5,000 |
ゲーム中、クリア時の状態によってボーナスを獲得することができます。
状態 | 説明 | 得点 |
---|---|---|
スケボー乗り換え | スケボーで移動中、他のスケボーに乗り移る | 2,000 |
ゴールゲートの飛び越え | クラッカーやジャンプ台を利用してゴールゲートの上を飛び越える | 5,000 |
スケボーでゴール | スケボーに乗ったままゴールする | 10,000 |
全ラウンド・データ
全32ラウンドのスタート時タイムなどのデータをまとめました。
ラウンド | アルミ缶 | SPドリンク | 開始時残タイム |
---|---|---|---|
1 | 16 | 0 | 0’40’’00 |
2 | 4 | 3 | 0’45’’00 |
3 | 0 | 0 | 0’40’’00 |
4 | 8 | 2 | 0’30’’00 |
5 | 7 | 1 | 0’45’’00 |
6 | 14 | 0 | 0’57’’00 |
7 | 0 | 0 | 0’40’’00 |
8 | 4 | 1 | 0’33’’00 |
9 | 0 | 0 | 0’32’’00 |
10 | 7 | 1 | 0’32’’00 |
11 | 0 | 0 | 0’40’’00 |
12 | 3 | 2 | 0’34’’00 |
13 | 15 | 1 | 0’30’’00 |
14 | 8 | 1 | 0’28’’00 |
15 | 1 | 0 | 0’35’’00 |
16 | 14 | 0 | 0’26’’00 |
17 | 8 | 2 | 0’32’’00 |
18 | 6 | 1 | 0’30’’00 |
19 | 9 | 1 | 0’32’’00 |
20 | 3 | 0 | 0’22’’00 |
21 | 5 | 3 | 0’27’’00 |
22 | 14 | 3 | 0’30’’00 |
23 | 0 | 1 | 0’55’’00 |
24 | 9 | 1 | 0’40’’00 |
25 | 1 | 0 | 0’21’’00 |
26 | 1 | 0 | 0’25’’00 |
27 | 3 | 0 | 0’37’’00 |
28 | 3 | 1 | 0’25’’00 |
29 | 3 | 1 | 0’33’’00 |
30 | 9 | 0 | 0’05’’00 |
31 | 4 | 2 | 0’48’’00 |
32 | 4 | 2 | 0’10’’00 |
攻略ポイント
『メトロクロス』を攻略する上で、役に立つ情報をまとめました。
ライン合わせ
ランナーが走るときのライン取りのテクニックです。「走っているときはランナーの足」「スケートボードに乗っているときは車輪の中心」をタイルの継ぎ目に合わせると「キューブ」「ナイト&キング」「スリップゾーン」「ネズミ」以外の障害物に当たることなく走ることができます。
クラッカー活用法
クラッカーは障害物ですが、その特徴を活かすことで恩恵を受けることができます。例えば、ゴールゲート手前にある場合、クラッカーで大ジャンプしてゲートの上を通過してゴールするとボーナス点が加算。他にも、障害物の回避にも利用できます。ゲームの設計上、難易度を高くするために設置されている場合もありますが、開発者の意図によって攻略手段として設置している場所もあります。
3ブロックジャンプ
レバーを少し左に倒してからすぐに右に倒して、加速したところでジャンプすると通常よりも飛距離を伸ばすことができます。最長、3ブロック分を跳べるようになります。
ミスからの早期復活
障害物にぶつかって潰れているときや穴に落ちたときはジャンプボタンを連打することでなにもしないときよりも早く復活できます。
サウンド
『メトロクロス』の楽曲は、プレイヤーの感情に寄り添いながら進行するよう工夫されています。
ラウンドスタート時の楽曲
楽曲は軽快でテンポが速く、プレイヤーに緊張感を与える役割を果たします。音程が上下に跳ねるように配置されており、プレイヤーに動きとアクションを促す印象を強調しています。また、繰り返しのパターンが含まれているため、短いながらも印象に残りやすいメロディとなっています。
メイン楽曲
楽曲は軽快でスピード感があり、プレイヤーに緊張感と興奮を与えるために設計されています。特徴的なリズムパターンが繰り返されており、その中で音階の上昇と下降が交互に現れるため、躍動感のある音楽になっています。また、部分的に同じメロディが繰り返される構造になっており、聴き手に強く印象を残す効果があります。
ラウンドクリア時の楽曲
短いながらも印象的で、成功の瞬間を強調する役割を果たしています。音程が急激に上昇し、その後に下降するメロディラインは、緊張感が解ける瞬間を象徴しています。また、リズムの変化が少なく、安定感のある曲調で、プレイヤーに達成感を与えるように設計されています。
タイムアップ時の楽曲
曲調は非常に短く、急速なテンポでプレイヤーに焦燥感を与えるように設計されています。音程の急激な下降とともに、一貫したリズムが途切れるように終わるため、プレイヤーに終了の印象を強く与えます。
最終ラウンドクリア時の楽曲
曲調は他のラウンドクリア時の楽曲と比較して、より壮大で達成感を強調する構成となっています。テンポは速く、メロディの上下動が激しく、ゲームのクライマックスを印象付ける要素が随所に見られます。また、終盤にかけて音程が上昇し、最後に勢いよく締めくくられることで、プレイヤーに最終的な勝利の感覚を強く与えます。
ゲームオーバー時の楽曲
全体的にゆったりとしたテンポで構成され、ゲームの終わりを象徴するメランコリックな雰囲気が漂っています。メロディは下降音階を基調としており、失敗の感覚を強調しています。また、終盤では音が徐々に消えていくような形で終了し、プレイヤーに終わりの余韻を残すように工夫されています。
ネームエントリー時の楽曲
テンポは穏やかで、落ち着いた雰囲気が特徴的です。シンプルなメロディラインが繰り返されることで、プレイヤーに安心感を与えながら名前を入力する時間を提供します。全体的にリラックスした調子で、ゲームプレイ中の緊張感を和らげる効果があります。また、メロディが徐々に上昇する部分もあり、達成感を感じさせると同時に、名前を入力し終わるまでの時間を飽きさせない工夫がなされています。
データ
このタイトルの基本情報です。
発売年 | 1985 |
プラットフォーム | アーケード |
ジャンル | アクション |
プレー人数 | 1人 |
メーカー | ナムコ |
開発会社 | |
プロデューサー | |
ディレクター | |
シナリオ | |
グラフィック | |
サウンド | |
販売数 | |
受賞歴 |
評価
『メトロクロス』(1985年、ナムコ)は、独特な障害物コースを駆け抜けるアクションゲームとして登場しました。プレイヤーは「ランナー」として、多彩な障害物を避けつつゴールを目指すというシンプルかつスリリングな体験ができます。
総合評価として、このゲームはシンプルな操作性ながら、非常に挑戦的であるため、カジュアルなプレイヤーにとっては難易度が高いと感じられることが多いです。ポジティブな評価としては、その高速でスリリングなアクションや、コースごとのバリエーションが挙げられます。例えば、スケートボードやジャンプ台を活用することでスピードアップし、効率的にコースをクリアする楽しさが評価されています。また、レベルが進むごとに増える複雑な障害物やパズル要素も、やり応えがあります。一方、ネガティブな評価は全体の40%ほどを占めており、主に難易度の高さやタイムリミットの厳しさに対する不満が挙げられます。特に、各コースの制限時間が非常に短いため、タイミングを一度でも逃すとクリアが難しくなる点が批判されています。このようなプレイヤーは、より柔軟な時間設定や難易度調整を期待しているようです。
このゲームは、瞬時の判断力や反射神経を求められるゲームが好きなプレイヤーに特におすすめです。また、レトロなゲーム体験を楽しみたい、挑戦的なゲームを求める方にはぴったりです。
評価要素ごとの採点は次の通りです。総合評価は80点満点中65点。
- ゲームプレイ体験(40点中):28点
操作はシンプルでありながらも、障害物のバリエーションや緊張感あふれるタイムリミットにより、プレイヤーに緊張感を持たせる点は評価されます。しかし、難易度が非常に高く、特にタイムリミットの厳しさがプレイヤーのストレス要因となり、プレイ体験の満足度に影響を与えています。 - グラフィックスとビジュアル(20点中):12点
ビジュアルに関しては、ドット絵のシンプルさがレトロゲームとしての味を出していますが、コースのバリエーションが少なく、長時間プレイすると単調に感じるプレイヤーも少なくありません。特に、グラフィックの変化が少ない点がネガティブに捉えられることが多いです。 - 音楽とサウンド(15点中):10点
サウンドトラックは、短く耳に残るものの、音のバリエーションが少なく、繰り返しプレイするとやや飽きが来るという意見があります。アーケードゲームとしては十分なレベルですが、特筆すべき要素ではありません。 - 技術的なパフォーマンス(10点中):7点
当時のアーケードゲームとしては処理落ちなど大きな問題はありません。 - UIとUX(5点中):3点
ユーザーインターフェースはシンプルでわかりやすいものの、特に工夫があるわけではありません。 - 独自性と革新性(5点中):3点
障害物レースというアイデアはユニークですが、1985年当時としても類似のゲームがすでにいくつか存在していたため、突出した独自性があるわけではありません。 - 価値と満足度(5点中):2点
最も厳しく評価される点です。プレイヤーが一度のプレイでどれだけの満足感を得られるかについて、難易度の高さや繰り返しのプレイが必要となる点で多くのネガティブな意見が寄せられています。短時間でゲームオーバーになることが多く、リプレイ性は高いものの、満足感に欠けるとの指摘が多いです。
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