AC版『風雲スーパータッグバトル』タッグシステムの革新

風雲スーパータッグバトル

アーケードゲーム『風雲スーパータッグバトル』は、1996年にSNKから発売された対戦型格闘ゲームです。開発もSNKが手がけ、同社のNEOGEO基板(MVS)を使用して稼働しました。本作は前作『風雲黙示録』の続編であり、武器を用いた格闘家たちが二人一組のチームを組んで戦うタッグバトル形式を採用しています。バトル中のキャラクターチェンジや、簡単コマンドによるラッシング・コンビネーションなど、システムの融合と進化によるハイブリッド格闘アクションが特徴です。

開発背景や技術的な挑戦

『風雲スーパータッグバトル』は、前作『風雲黙示録』のシステムをベースにしつつ、新たにタッグバトルシステムを導入することで、戦略性とダイナミズムを高めることを目指して開発されました。特定のエリアでのみキャラクターの交代が可能な「タッグゾーン」の導入や、超必殺技のコマンドを全キャラクターで共通化するなど、プレイヤーの操作性とゲームバランスの向上に取り組みました。

プレイ体験

実際にプレイしてみると、タッグバトルならではの戦略性が際立ちます。交代のタイミングやタッグゾーンの位置取りが勝敗を左右し、緊張感のある駆け引きが楽しめます。また、各キャラクターの個性豊かな技やコンビネーションが、プレイヤーに多彩な戦術を提供します。特に、紅一点のロサや、餓狼シリーズでお馴染みのキム・カッファンの子孫であるキム・スイルなど、新キャラクターの登場が新鮮な体験をもたらします。

初期評価と現在の再評価

発売当初、本作は前作からの大幅なシステム変更や、タッグバトルの導入により賛否が分かれました。また、国内での知名度が低く、長らく移植もされなかったため、一部ではプレミアソフトとして扱われていました。しかし、近年ではその独自のシステムやキャラクターの魅力が再評価され、アーケードアーカイブスとして現代のプラットフォームで再リリースされたことで、新たなファン層にも受け入れられています。

他ジャンル・文化への影響

『風雲スーパータッグバトル』は、タッグバトルシステムをいち早く導入した作品として、後の格闘ゲームに影響を与えました。特に、SNKの他作品や、他社の格闘ゲームにおけるタッグバトルの採用に影響を及ぼしたとされています。また、登場キャラクターの一部は、他のSNK作品にも登場し、同社のゲーム世界観の広がりに寄与しています。

リメイクでの進化

もし本作が現代にリメイクされるとすれば、グラフィックの高解像度化やオンライン対戦機能の追加が期待されます。また、キャラクターモデルやアニメーションの刷新、バランス調整の見直しなど、現代の技術とプレイヤーのニーズに合わせた進化が求められるでしょう。さらに、ストーリーモードの強化やボイス演出の追加など、より没入感のある体験が提供される可能性があります。

まとめ

『風雲スーパータッグバトル』は、タッグバトルシステムを導入したことで、戦略性とダイナミズムを高めた意欲作です。発売当初は賛否が分かれましたが、現在ではその独自のシステムやキャラクターの魅力が再評価され、多くのファンに愛されています。今後、リメイクや新作の展開があれば、さらに多くのプレイヤーにその魅力が伝わることでしょう。

攻略

ストーリー

『風雲スーパータッグバトル』の世界観は、荒廃した近未来の架空都市を舞台にしています。かつては繁栄を誇った都市も、今では秩序が崩壊し、犯罪や暴力がはびこる無法地帯と化しています。市民たちは日々の生活すら脅かされる中、生き残るためには自らの強さを証明しなければならず、その象徴として「スーパータッグバトルトーナメント」と呼ばれる大規模な格闘大会が開催されます。

本作のストーリーは、この大会に集う多彩な格闘家たちの思惑や信念、過去にまつわる因縁が交錯する群像劇として描かれています。参加者の中には、混沌とした世界を変えようとする者や、己の強さを証明したい者、失われたものを取り戻そうとする者など、さまざまな動機が存在します。大会の裏には謎めいた主催者や巨大な陰謀も隠されており、トーナメントが進行する中で登場キャラクターたちの人間関係やドラマ、世界の真相が徐々に明かされていきます。戦いを通じて描かれる重厚な人間模様と荒廃した世界観が、本作の大きな魅力となっています。

ゲームシステム

タッグバトルシステム

『風雲スーパータッグバトル』の大きな特徴は2人1組のタッグバトル形式です。プレイヤーは2人のキャラクターを選び、バトル中に専用エリアでパートナーと交代することができます。交代は戦略的な要素として重要で、体力の消耗や相手との相性を見て適切なタイミングで入れ替える必要があります。一方のキャラクターがKOされるとチーム全体の敗北となるため、慎重な戦い方が求められます。

ラッシング・コンビネーション

本作には、連続攻撃を簡単に繰り出せる「ラッシング・コンビネーション」システムが搭載されています。決められたコマンドを入力することで、初心者でも派手なコンボが発動可能です。軽攻撃から重攻撃へとつなげるチェーンコンボもあり、多彩な連携が楽しめます。

ガードキャンセルと防御崩し

防御面では「ガードキャンセル」や「防御崩し」など独自のシステムが導入されています。ガードキャンセルはガード中にコマンドを入力することで瞬時に反撃が可能となり、防御崩しは相手のしゃがみガードを突破するための特殊な攻撃として機能します。これにより、攻防の駆け引きがさらに深まっています。

超必殺技と共通コマンド

各キャラクターには超必殺技が用意されており、全キャラクター共通のコマンドで発動できます。この仕様により、さまざまなキャラクターを選択しても操作感の差が少なく、多くのキャラクターに挑戦しやすくなっています。

4人同時プレイ対応

アーケード版には、4人同時プレイが可能なバージョンも存在します。専用の4人用ボードを用いることで、それぞれ1人ずつキャラクターを操作しタッグバトルを楽しむことができます。ただし、同時に4人が画面上で戦うのではなく、交代制でプレイが進行します。

キャラクター

ロサ

ロサは反体制のレジスタンス組織に属する女性剣士であり、圧政に苦しむ人々を守るために剣を手に取り、スーパータッグバトルトーナメントに身を投じた戦士です。ラテンアメリカ系の血を引く彼女は、鋭く洗練された刀術と俊敏な身のこなしで戦場を駆け抜けます。戦闘スタイルは剣による中距離戦を得意とし、スピードとテクニックを兼ね備えていることから初心者から中級者まで幅広く扱いやすい性能を持っています。代表的な必殺技では、素早く踏み込んで斬撃を繰り出す技や、相手の攻撃をかわしながら一閃するカウンター的な動きが特に活躍しやすく、敵の隙を突くことで真価を発揮します。

ショー・ハヤテ

風雲拳を操る若き格闘家ショー・ハヤテは、ブーメランと空手を融合させた独自のスタイルで戦場を駆け抜けます。日本出身で、風雲拳の使い手として知られ、父から受け継いだ技をさらに磨き上げています。彼の戦闘スタイルは、スピードとテクニックを重視しており、初心者でも扱いやすいキャラクターです。代表的な必殺技には、ブーメランを用いた遠距離攻撃や、素早い連続攻撃があり、相手の隙を突く戦法が得意です。

マックス・イーグル

アメリカンプロレス界のスター、マックス・イーグルは、ヘラクレス・アックスを武器に豪快な戦いを繰り広げます。アメリカ出身で、SWF所属のレスラーとして活動しており、プロレスと武器を組み合わせた独自のスタイルを確立しています。彼のプレイスタイルは、パワーとリーチを活かした攻撃が特徴で、中級者以上におすすめのキャラクターです。代表的な必殺技には、アックスを振り下ろす強力な一撃や、投げ技を駆使したコンボがあり、相手を圧倒する戦法が得意です。

キム・スイル

キム・スイルは、テコンドーと我流棒術を組み合わせた戦闘スタイルを持つキャラクターであり、キム・カッファンの子孫とされています。彼の戦闘スタイルは、スピードとパワーを兼ね備えた攻撃が特徴で、中級者以上におすすめのキャラクターです。代表的な必殺技には、棒を用いた連続攻撃や、テコンドーの蹴り技を組み合わせたコンボがあり、相手を圧倒する戦法が得意です。

ゴズウ

赤い装束を纏う忍者、ゴズウは、テロリスト集団「邪呀」に所属し、邪呀殺法「剛」を駆使して戦います。彼のプレイスタイルは、パワーとスピードを兼ね備えた攻撃が特徴で、中級者以上におすすめのキャラクターです。代表的な必殺技には、強力な突進攻撃や、連続斬りを繰り出す技があり、相手を圧倒する戦法が得意です。

メズウ

青い装束を纏う忍者、メズウは、テロリスト集団「邪呀」に所属し、邪呀殺法「琉」を駆使して戦います。彼のプレイスタイルは、スピードとトリッキーな動きが特徴で、上級者向けのキャラクターです。代表的な必殺技には、水遁の術を用いた攻撃や、相手の背後を取る素早い動きがあり、相手を翻弄する戦法が得意です。

影・獅子王

影・獅子王は、前作では中ボスとして登場し、今作では通常キャラクターとして参戦しています。彼の戦闘スタイルは、パワーとスピードを兼ね備えた攻撃が特徴で、中級者以上におすすめのキャラクターです。代表的な必殺技には、強力な突進攻撃や、連続斬りを繰り出す技があり、相手を圧倒する戦法が得意です。

チュン・パイフー

炎の杖と仙術を操る世捨て人、チュン・パイフーは、独特な戦闘スタイルで相手を翻弄します。中国出身で、仙術と炎の杖を組み合わせた技を駆使し、山に篭って修行を積んできました。彼のプレイスタイルは、トリッキーな動きと多彩な技が特徴で、上級者向けのキャラクターです。代表的な必殺技には、炎を纏った杖での連続攻撃や、相手の動きを封じる仙術があり、相手の隙を突く戦法が得意です。

ゴードン・ボウマン

犯罪者も恐れる鬼警官、ゴードン・ボウマンは、スタン・トンファーを駆使した実戦逮捕術で戦います。アメリカ出身で、警察官としての経験を活かした戦闘スタイルを持ち、娘の治療費を稼ぐために大会に参加しています。彼のプレイスタイルは、パワーと耐久力に優れており、初心者でも扱いやすいキャラクターです。代表的な必殺技には、トンファーを用いた連続攻撃や、相手を押し込む強力な突進技があり、防御を固めつつ反撃を狙う戦法が得意です。

ジョーカー

不気味な闇の大道芸人ジョーカーは、スペイン出身の犯罪グループ「マジカルヒポポ」のリーダーであり、トランプや催眠術を駆使したジャグルファイトで相手を翻弄します。彼の戦闘スタイルはトリッキーで、初心者には扱いが難しいものの、相手の隙を突く戦法が得意です。代表的な必殺技には、トランプを用いた遠距離攻撃や、催眠術で相手の動きを封じる技があり、相手を混乱させる戦法が特徴です。

ジャズウ

ジャズウは、テロリスト集団「邪呀」の首領であり、最終ボスとして登場します。彼の戦闘スタイルは、邪呀殺法「極」を駆使した妖術的な攻撃が特徴で、上級者向けのキャラクターです。代表的な必殺技には、カギ爪を用いた連続攻撃や、相手の動きを封じる呪術があり、相手を翻弄する戦法が得意です。

真獅子王

真獅子王は、前作『風雲黙示録』の最終ボスでもあり、本作ではその正体が明かされ、影武者である獅子王とは異なる真の存在としてプレイヤーの前に立ちはだかります。金色の重厚な鎧に身を包み、覇王の風格をまとった彼の正体は、マックス・イーグルの兄であり、本名はアックス・イーグルとされています。裏社会で権力と財力を得るため、自らを獅子王と名乗り、影武者を使ってトーナメントを操っていたことがストーリー上で明かされます。戦闘スタイルは「獅子王道」と呼ばれ、剣術とボクシングを融合させた圧倒的な破壊力を持ちます。彼の必殺技には、雷をまとった突進斬撃や広範囲を薙ぎ払う剣技があり、画面を支配するような強さを誇ります。その攻撃はリーチが長く、ガードを崩しやすいため、対策なしでは太刀打ちが困難です。

©SNK CORPORATION ALL RIGHTS RESERVED.