AC版『奇々怪界』

奇々怪界

『奇々怪界』は、巫女の主人公が妖怪を退治するアクションゲームです。1986年にタイトーから発売され、その愛らしいキャラクターデザインとユニークなゲームシステムで人気を博しました。

『奇々怪界』とは

『奇々怪界』は、巫女の小夜ちゃんが主人公となり、妖怪にさらわれた七福神を救うために戦うアクションゲームです。飛び道具の御札や近くの敵を吹っ飛ばせる御払い棒で妖怪を退治しながら進みます。また、このゲームに登場するキャラクターは、コミカルで可愛らしく、特に小夜ちゃんはその愛らしい姿から人気を集め、タイトーの看板キャラクターとなりました。そのクオリティの高い音楽は、『ダライアス』や『ニンジャウォーリアーズ』を手がけた小倉久佳氏によるもので、その完成度は非常に高かったと評価されています。

ゲーム内容

プレーヤーは巫女の小夜ちゃんを操作し、妖怪にさらわれた七福神を救うために戦います。途中、数多くの妖怪が現れ、巫女ならではのお祓い棒と御札で撃滅しながら進みます。また、最後の部屋に潜む大物妖怪を退治すると、そのステージはクリアとなります。

ストーリー設定

『奇々怪界』は、日本の伝統的な「妖怪退治」を描いたアクションゲームです。主人公の巫女「小夜ちゃん」は、妖怪にさらわれた七福神を救うため、妖怪の里へと乗り込む冒険が描かれています。

小夜ちゃん

小夜ちゃんは本作の主人公です。お札とおはらい棒を武器に使い、さらわれた七福神を救出するための旅立ちます。

七福神

七福神は、小夜ちゃんが奉仕する7人の福の神たちです。彼らは祈りを捧げている最中に妖怪軍団によってさらわれてしまいました。

ゲームシステム

『奇々怪界』はアクションゲームで、近接攻撃のお祓い串と遠距離攻撃のお札を使い分けながら妖怪を退治し、神社の境内を進んでいきます。ステージごとに1人ずつ囚われた七福神を救出することが目的で、道中に落ちている鍵を手に入れるとステージ最後の部屋に待ち受ける大物妖怪を退治できます。敵および敵弾への接触、水や谷への落下で1ミスとなります。全8ステージ(通常7ステージ+宝船探しステージ)構成で、ゲームオーバーになると数字3桁のルーレットが現れ、3桁の数字が得点の末尾3桁と一致すれば、1クレジット増えます。

操作方法

プレーヤーは8方向レバーで主人公の「小夜ちゃん」を操作し、2つのボタンで近接用の武器「お祓い棒」と飛び道具「お札」を使い分けます。両ボタンを同時に押すことによって、道中で手に入れた水晶球を使用できます。

方向レバー移動
ボタン1 御札
ボタン2 お祓い棒

アイテム

『奇々怪界』には、プレーヤーの戦闘を助けるさまざまなアイテムが登場します。これらのアイテムには、お札の飛距離を伸ばしたり敵を貫通させたりするおふだ、敵の動きを止めたり全滅させたりする水晶玉、1UPするおはらい棒、ステージボスの部屋に入るための鍵などがあります。

アイテム効果
水色のおふだお札の飛距離が伸びます。複数回取得することでさらに飛距離が伸び、ゲームの難易度も上がります。この難易度の上昇は、ミスをしても解除されません。
赤色のおふだお札が敵を貫通する能力を得ます。
二重のおふだお札の連射速度が上昇します。
黄色のおふだお札が「大入り」のお札に変化し、当たり判定が大きくなります。
水色の水晶玉ボス以外のすべての敵の動きを一時的に停止させることができます。ただし、敵と接触するとミスとなります。
黄色の水晶玉ボス以外のすべての敵を一掃することができます。
おはらい棒1UPします。特定の条件を満たすと入手できます。
鍵はステージ内のどこかに落ちており、ステージボスのいる部屋に入るために必要となります。

敵キャラクター

敵キャラクターは、ボス戦までに登場する一般キャラクターとボスキャラクターの2タイプが存在します。

一般キャラクター

さまざまな妖怪が登場します。妖怪たちは個々に特徴的な攻撃パターンを持っています。妖怪の中には、小夜ちゃんのお祓い攻撃が効かない者もいます。

キャラクター名特徴
プカプカ人魂のお化けで、一緒に近づいてきます。ステージが進むと弾を吐くようになります。
ばけちょうちん火の玉を吐き出すランタンの妖怪で、常に3匹で行動します。
かさべー傘を模した妖怪で、飛び跳ねながら接近し、周囲を旋回した後に突進します。
おたま火の玉のような妖怪で、一緒になって飛び回ります。お札かお祓いで全滅させるとアイテムを落とします。
おげい首を伸ばして攻撃するろくろ首の妖怪です。お祓い攻撃は効果がありません。
とおせんぼう足を持った墓石の妖怪で、道をふさぎ、小夜ちゃんが通ろうとすると突進します。
はしりたい人間の下半身がついた鯛の妖怪で、画面外から飛び出してきます。
みのじいみのを着た子泣きじじいで、小走りで小夜ちゃんに接近し、しがみつきます。
りんりん狐のお面をかぶった妖怪少女で、軽快に動き回り、お手玉や毬を投げてきます。
よねばあ砂を投げつける砂かけ婆の妖怪です。
にょろにょろ白ヘビの妖怪で、常に群れて近付き、接触すると締めつけてきます。地面を這っているためお祓いは効きません。
いちどうひとつ目小僧で、小夜ちゃんを見つけると仲間の妖怪を呼びます。
ばけうり井戸に潜むお化け瓜で、小夜ちゃんが近づくと飛び出します。時折、野菜が混じり、特定の野菜をお札で打つとアイテムが手に入ります。
るむるおんぶお化けで、しがみつくことで小夜ちゃんの移動速度を下げます。大量にしがみつかれるほど動きが鈍くなります。
がらこつ骸骨の妖怪で、小夜ちゃんが一定時間同じ場所に留まっていると出現します。障害物にぶつかるか、攻撃を当てると一時的に消えますが、すぐに復活します。
鬼火小夜ちゃんを追いかけるものと、横方向にジグザグに動きながら画面を縦断するものの2パターンが存在します。

ボスキャラクター

小豆洗いの豆頭から、雷神の雷電王、天狗の仙山、山婆や九尾の狐など、日本の妖怪や神話に題材を取ったキャラクターが多数登場します。

ステージキャラクター名特徴
SCENE1豆頭(ずず)小豆洗いとして知られるこのボスは、移動しながら豆を投げつけて攻撃してきます。
SCENE2雷電王(らいでんおう)雷神としての力を持つこのボスは、画面外へ小さな雷を飛ばしたり、地面に当たると燃え上がる大きな雷を放ちます。火柱はしばらく画面内に残ります。
SCENE3仙山(せんざん)天狗の仙山は、口から炎を吐いたり、手に持った団扇で突風を起こしたりします。また、突然突進してくることもあります。
SCENE4山婆(さんば)やまんばとして知られるこのボスは、両手で包丁を投げつけてきます。ダメージを与えるたびに、一度に投げる包丁の数が増えます。
SCENE5操珠僧(そうじゅそう)解いた数珠を振り回して攻撃してくる怪力の妖僧です。その長いリーチの攻撃は、非常に厄介です。
SCENE6魔尾狐(まびこん)九尾の狐として知られるこのボスは、子狐の群を使って攻撃します。自身は飛び跳ねながら体当たりしてきますが、動いているときにしか、ダメージを与えられません。
SCENE7魔奴化(まぬけ)八百八狐の化け狸である魔奴化は、主人公の小夜ちゃんに化けて現れます。一定時間動けなくなるお札を投げつけ、その隙にお祓い棒で小夜ちゃんを吹っ飛ばそうとします。ダメージを与えると狸の正体を現し、逃げ回りますが、しばらくすると再び小夜ちゃんに化けて向かってきます。このボスを倒すと、七福神が全員集まり、最終ステージの巻物探しに進むことになります。

SCENE8は、魔奴化との戦闘に勝利した後に訪れる最終ステージ「巻物探し」です。このステージは独特の形状を持ち、完全ループの迷路となっています。画面内には多くの地蔵が立ち並び、そのどこかには三種類の巻物が隠されています。これらの巻物は、お祓いの力を用いて探し出す必要があります。全ての巻物を見つけ、ゴールに到達することでエンディングを迎えることができます。そして、エンディングとスタッフロールの後には、2周目がスタートします。2周目以降、難易度がアップします。

データ

『奇々怪界』の基本情報です。

発売年1986
プラットフォームアーケード
ジャンルアクション
プレー人数1-2人(交互)
メーカータイトー
開発会社タイトー中央研究所熊谷分室
プロデューサー
ディレクター波多野幹夫
シナリオ
グラフィック西村年幸、三方一哉
サウンド小倉久佳(ZUNTATA)
販売数
受賞歴

関連タイトル

リストは本サイトの更新順です。関連タイトルは10タイトルまで表示。リスト外のものは検索ボタンから探してください。

評価

『奇々怪界』は、日本の昔話の世界を体現し、美しいグラフィックで和の世界観を表現したゲームです。主人公の小夜ちゃんから始まり、各種の日本妖怪をモチーフにした敵キャラクターまで、すべてが愛らしく描かれ、そのおどろおどろしさと可愛らしさが一体となった世界観は独特です。ただし、このゲームの難易度は高めで、主人公の当たり判定が大きく、回避が難しいこと、お札の射程が狭いために狙い撃ちが必要となること、パワーアップアイテムの取得が困難であることなどが挙げられます。特に、ショットの射程を延ばすための水色のお札を取ると、敵の耐久力が増え、ゲームの難易度が上がり続けるという仕様は、難易度の高さの大きな要因となっています。しかし、その高難易度は、やりこみの要素を提供し、一度覚えてしまえば、ゲームを進めることが可能になります。そのため、難易度の高さも、ゲームの魅力の一部と言えます。

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