1980年代初頭、日本のゲームセンターにはさまざまなジャンルのアーケードゲームが並び、その一角にあったのが、シンプルながらも熱中度の高いスポーツゲーム『インドアサッカー』でした。小型の筐体からは、ボールの音とプレイヤーたちの歓声が絶えず響き、まるで室内のフットサル場が再現されたかのような空間が広がっていました。
開発背景や技術的な挑戦
『インドアサッカー』は、ユニバーサル(UNIVERSAL)によって開発・発売されたアーケード用スポーツゲームです。ユニバーサルは、当時『Mr. Do!』や『レディバグ』など個性的なゲームを生み出していたことで知られており、この『インドアサッカー』でもまた、同社らしい遊びやすさとユニークさを両立させています。
通常のサッカーゲームとは異なり、狭いスペースで繰り広げられる高速なボールのやり取りや、壁を使った反射プレイが魅力の一つでした。2Dトップビューで構成された画面はシンプルながらも見やすく、初期のデジタルスポーツ表現の中では完成度の高いものの一つと言えます。
プレイ体験
プレイヤーは、操作可能な選手を動かしながら敵チームのゴールを狙います。反射的な操作と素早い判断力が要求されるゲーム展開により、次第に手汗を握るような真剣勝負となっていきます。1人プレイも可能ですが、やはり対人戦でこそこのゲームは真価を発揮しました。狭いフィールド内でパスを回すか、反射を利用して強引にシュートを狙うか、その駆け引きがとても面白く、リプレイ性の高いタイトルとして記憶に残っています。
他ジャンル・文化への影響
『インドアサッカー』は、のちに登場するフットサルや小規模サッカーゲームの基礎的なスタイルに影響を与えたと見ることができます。また、同ジャンルのゲーム開発において、”狭い空間での駆け引き”をテーマにするアプローチを広めた作品の一つとして知られています。
リメイクでの進化
もし現代に『インドアサッカー』がリメイクされるとすれば、オンライン対戦やAIプレイヤーの搭載、リアルな物理エンジンによるボール挙動の再現など、さらなるリアリティと戦略性を兼ね備えた作品になるでしょう。スマートフォンや家庭用ゲーム機向けに展開すれば、カジュアル層からも人気を集める可能性があります。
まとめ
『インドアサッカー』は、シンプルなルールと直感的な操作性で誰もが楽しめるアーケードスポーツゲームとして、多くのプレイヤーに親しまれました。ユニバーサルならではの創意工夫が詰まったこの作品は、今なおレトロゲームファンの間で語り継がれる一作です。サッカーゲームの原点とも言える存在として、再評価の声も高まりつつあります。
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