『怒』は、1986年にSNKが制作・稼働したアーケードゲームで、縦スクロール型のアクションシューティングゲームです。このゲームは国連に届いた極秘情報を基に、悪の組織に立ち向かう特殊部隊の物語を描いています。
『怒』とは
『怒』は、ラルフ大佐とクラーク少尉という2人の兵士が主人公のアクションシューティングゲームです。プレイヤーは、悪の組織に立ち向かうために、敵地に潜入します。このゲームは、特殊な「ループレバー」と呼ばれるレバーと2つのボタンを使用し、8方向に移動しながら攻撃方向を調整します。プレイヤーは、敵を倒してパワーアップアイテムを集めながら、戦車に乗り込んだり、手榴弾を使用したりすることで、ステージを進めていきます。
『ランボー』のような世界観
アーケードゲーム『怒』と映画『ランボー』は、いくつかの類似点を持っています。まず、両者は1980年代に人気を博した作品で、その時代のアクションジャンルに強い影響を与えました。
『怒』のストーリーは、極秘情報に基づき、少数精鋭の特殊部隊が悪の組織と戦うというものです。主人公のラルフ大佐以下、4名の特殊工作隊が敵地に送り込まれますが、飛行機が墜落し、ラルフ以外の部隊員が全滅してしまいます。このプロットは、孤立無援の状況での戦いという点で、映画『ランボー』の主人公、ジョン・ランボーの状況と似ています。ランボーはベトナム戦争の帰還兵で、戦友を訪ねた田舎町でトラブルに巻き込まれ、保安官との対立から山中での生存戦へと追い込まれます。このように、『怒』と『ランボー』は、1人または少数のキャラクターが敵と対峙する状況、戦場の緊張感や爽快感を表現する点、そして社会的なテーマを背景に持つ点で共通しています。
ゲーム内容
『怒』のプレイヤーは、ラルフ大佐またはクラーク少尉を操作し、様々な敵や障害物を乗り越えながら進んでいきます。ゲームの途中で出現するアイテムを拾うことで、銃や手榴弾の強化が可能です。ただし、手榴弾には弾数制限があり、戦車にはガソリン制限が設けられています。プレイヤーはこれらの資源を上手く管理しながら、ゲームを進めていく必要があります。
ストーリー設定
国連に届いた極秘情報により、ラルフ大佐とクラーク少尉は悪の組織の基地に潜入します。しかし、作戦開始直前に飛行機が墜落し、ラルフ以外の部隊員は全滅してしまいます。ラルフの前に現れたクラークの真意は不明ですが、2人は共に敵に立ち向かいます。
キャラクター | 概要 |
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ラルフ大佐 | 1P専用キャラクターで、赤いバンダナを頭に巻いています。 |
クラーク少尉 | 2P専用キャラクターで、外見はラルフの色違いで青いバンダナを頭に巻いています。 |
クック大佐 | 最終ボスで、自体は攻撃をしてこないが、周りの4つの大砲が攻撃してきます。 |
ゲームシステム
8方向に動く「ループレバー」と2つのボタンを使って操作します。ループレバーはSNKの登録商標で、一般的にはダイヤルスイッチとして知られています。このレバーは、スティックの上部にダイヤルが付いており、このダイヤルを回転させることで攻撃方向を調整し、レバーを倒すことで自機を移動させます。このダイヤルは1周12方向の設定で、180度の反転操作も120度の回転で行えます。ゲームには2つのボタンがあり、これらは銃と手榴弾の使用に主に利用されます。敵兵を倒すことで、様々なアイテムが出現することがあります。特に注目すべき点は、銃弾と手榴弾に弾数制限があるため、これらのアイテムを拾うことは、単にパワーアップのためだけではなく、弾薬の補給を行う重要な要素となります。また、プレイヤーはゲーム内で味方の空戦車を見つけた際に、手榴弾ボタンを押すことで戦車に乗り込むことができます。ただし、戦車はガソリンメーターが存在し、ガソリンが無くなると停止して爆発します。そのため、アイテムを拾ってガソリンを補給する必要があります。戦車から降りる際にも、同じく手榴弾ボタンを使用します。
ゲーム内では、ステージ間のエリアの切れ目に位置する5つのゲートが存在し、これらは手榴弾や戦車砲でしか破壊できません。さらに、プレイヤー自身の弾や味方の弾に当たってもミスとなるなど、従来のゲームには無かった新しい仕様を取り入れています。
ゲーム画面
画面の左上にはプレイヤー1の情報が表示されており、「1 UP」と「HI-SCORE」が見えます。「1 UP」は現在のプレイヤーのスコア、「HI-SCORE」はこれまでの最高得点を表示しています。同じく右上にはプレイヤー2のスコアの情報が表示されています。プレイヤーは手榴弾と弾丸を使用して敵を倒していくことができます。画面左側に表示されている手榴弾と銃のアイコンと数は残りの弾数です。
クラウムズ
『怒』における「クラウムズ」とは、ゲーム内で重要な役割を果たす擬似人工知能です。このシステムは、ゲームプレイの基本的な流れやシーケンスを制御するために設計されています。具体的には、プレイヤーがどの程度の時間でどれくらいの敵を排除するかを監視し、それに基づいてゲームの難易度を調整します。「クラウムズ」の主な機能は、プレイヤーの技術レベルを評価することです。例えば、短時間で多くの敵を排除できるプレイヤーは「上手」と判断され、逆に敵を殺せないプレイヤーは「下手」と見なされます。この評価に基づき、「クラウムズ」は敵の出現率や位置、さらにはパワーアップアイテムの配置や数を変更します。また、プレイヤーがパワーアップアイテムをなかなか取らない場合、故意にそれらのアイテムの出現を減らすことで、プレイヤーにプレイスタイルを変更させたり、新たな戦略を考えさせたりします。
このような「クラウムズ」のシステムは、プレイヤーの技量や行動に応じてゲームの難易度が変化するため、初心者から熟練者まで幅広いプレイヤーが楽しめるようになっています。また、このシステムはプレイヤーに対して予測不可能な状況を生み出します。
攻略
全5つのエリアの特徴を紹介します。エリア5のラスボスを倒すとエンディングになります。
エリア1
主に歩兵からの攻撃が中心です。歩兵は数多く現れますが、個々の攻撃力はそれほど高くありません。そのため、素早い先制攻撃が攻略の鍵となります。敵が視界に入った瞬間に迅速に攻撃し、倒すことで被害を最小限に抑えることができます。特に注意すべきは、歩兵がグループで出現する場面です。一度に多数の敵と対峙する際は、落ち着いて一つずつ対処することが重要です。また、歩兵の攻撃範囲に入らないように、適度な距離を保ちながら移動しつつ戦うと安全です。
エリア2
敵戦車との戦闘が特徴です。敵戦車は、機動力が高く、攻撃を仕掛けてくるため、慎重に対応する必要があります。一方で、プレイヤーも道中に配置されている戦車に乗り込むことが可能です。この戦車に乗ることで、攻撃力と防御力が大幅に向上し、敵戦車との戦闘が有利になります。攻略方法としては、まず道中の戦車を優先的に確保することが重要です。戦車に乗ることで敵の攻撃を受けながらも反撃しやすくなります。また、戦車の操作に慣れておくことも重要です。戦車を活用する際は、敵戦車の動きを観察しつつ、先制攻撃を心がけることで被害を最小限に抑えることができます。さらに、敵戦車が現れるポイントを把握しておくことで、効率的に対処できます。
エリア3
このエリアでは、どこからともなく飛んでくるミサイルが大きな脅威となります。常に周囲に気を配り、ミサイルの動きを素早く察知して回避する必要があります。また、道中で川を渡ることになりますが、この川の中には敵兵が潜んでいます。川を渡る際は、水面や岸辺に注意し、敵兵の奇襲に備えることが重要です。さらに、このエリアでは攻撃ヘリコプターが登場します。ヘリコプターは高い機動力と強力な火力を持っているため、優先して撃破することが必要です。川を渡る前後で特に出現しやすいので、地上の敵兵と同時に対処する場面が多くなります。
エリア4
エリア4に突入すると、まず敵戦車2台が登場します。これらの戦車は非常に攻撃力が高く、プレイヤーに対して即座に攻撃を仕掛けてきます。そのため、エリアに入った直後から警戒を強め、迅速に戦車を排除する必要があります。できれば障害物をうまく利用しつつ、戦車の攻撃を避けることが重要です。さらに進むと石像が4つ並んでいる場所に到達します。この石像からは矢が放たれるため、慎重に進む必要があります。矢の射出タイミングを見計らい、隙を突いて進むか、手榴弾などで破壊する必要があります。
エリア5
最終エリアであり、プレイヤーが敵の基地へ侵入するステージです。このエリアは、非常に激しい戦闘が展開されます。プレイヤーは大量の攻撃ヘリコプターと敵戦車に直面し、同時に多方向からの攻撃を受けるため、素早い反応と的確な射撃が必要です。攻略のポイントとして、まず敵の出現パターンを覚え、優先的に撃破すべきターゲットを見極めることが重要です。特に、攻撃ヘリコプターは空中からの攻撃を行うため、地上の敵戦車と連携してプレイヤーを包囲しようとします。したがって、ヘリコプターを先に撃墜し、上空の脅威を減らすことで、地上戦車に集中できるようにするのが効果的です。エリアの最終地点では、ラスボスである「クック大佐」が登場します。
「クック大佐」を撃滅するとエンディングが流れます。エンディング時、プレイヤーに向けたメッセージが表示されます。
YOU DID IT!
CONGRATURATIONS!
GENERAL KAWASAKI
NEVER FORGET
YOUR GLORIOUS SURVIVAL.
NOW YOU HAVE
HONORABLE PRIZE
1,000,000 POINTS!
やりました!
おめでとうございます!
川崎将軍
あなたの栄光ある生存を
決して忘れません。
今、あなたは
名誉ある賞を
獲得しました
1,000,000ポイント!
データ
このタイトルの基本情報です。
発売年 | 1986 |
プラットフォーム | アーケード |
ジャンル | シューティング |
プレー人数 | 1~2人 |
メーカー | SNK |
開発会社 | |
プロデューサー | |
ディレクター | |
シナリオ | |
グラフィック | |
サウンド | |
販売数 | |
受賞歴 |
評価
アーケードゲーム『怒』は、1986年にSNKによって発売されたアクションシューティングゲームで、その革新的なゲームプレイと操作方法により、多くのプレイヤーから高い評価を受けています。ゲームの特徴としては、独特の「ループレバー」と2つのボタンを用いた操作システムが挙げられます。このシステムにより、プレイヤーは8方向に動きながら別の方向に射撃することが可能となり、当時のアーケードゲームとしては類を見ない操作感を実現しました。しかし、ゲームプレイにおいては、ゲームスタートからラスボスに到達するまでの間、戦闘員と数少ない兵器との戦いのみを繰り広げることになり、この点で単調な一面があるとも言えます。プレイヤーは同じタイプの敵との戦いを続けることになるため、一部のプレイヤーにとってはゲームプレイの多様性が不足していると感じられるかもしれません。このような単調さを2人同時プレイがカバーし、評価されています。
総合的に見ると、『怒』はアーケードゲームの中でも特に際立った存在であり、そのユニークな操作感、協力プレイの楽しさにより、長年にわたって多くのファンに支持されている作品です。
分析の元データは、インターネット上の書き込み情報などを可能な限り収集。相当量の情報を元に解析を実施しています。