AC版『大王 DAIOH』

AC版『大王 DAIOH』

『大王』(だいおう、DAIOH)は、1993年にサミー工業が販売したアーケードゲーム用縦スクロールシューティングゲームです。開発は『デザエモン』を手掛けたアテナが担当しています。プレイヤーは赤または青の自機を操作し、全7ステージを2周することが目的です。国内版にはストーリーやキャラクター設定がない一方で、海外版にはストーリーが存在します。

『大王』とは

『大王』は、戻り復活制を採用しており、プレイヤーがミスした場合は特定の地点から再開することになります。ただし、ボス戦ではその場で復活します。国内版と海外版ではゲームの仕様が異なり、国内版は2ボタン(Aボタン:ショット、Bボタン:ボンバー)、海外版は6ボタン仕様となっています。海外版では、3種のショットと3種のボンバーがそれぞれ異なるボタンに割り当てられています。国内版では、ウェポンチェンジユニットを取ることでショットの種類を変更できます。

ゲーム内容

プレイヤーは、自機を操作して敵を撃破し、ステージを進めていくことが目的です。ウェポンチェンジユニットを取ることで、ショットの種類を変更でき、異なる戦略を取ることが可能です。また、パワーユニット、ボンバーユニット、スピードアップユニット、1UP、スペシャルパワーユニットなどのアイテムが存在し、これらを利用してゲームを有利に進めることができます。

ストーリー設定

調査中

ゲームシステム

アイテム

主要なアイテムとして「ウェポンチェンジユニット」があり、これには3種類の武器が含まれます。まず「バルカン」は扇状に広がるショットを発射し、対応するボンバーは広範囲の敵を一掃します。次に「ライトニングレーザー」は、敵を追尾する雷撃を放ち、そのボンバーは直線状の強力なビームを発射します。最後に「ミサイルシェル」は攻撃力の高いミサイルを発射し、ボンバーは中規模の爆発で広範囲の敵に大ダメージを与えます。その他のアイテムには、「パワーユニット」があり、これによりショットのレベルが最大4まで上昇します。レベルアップに必要なパワーユニットの数は進行につれて増加します。「ボンバーユニット」はボンバーのストックを1つ増やし、「スピードアップユニット」は自機の移動速度を向上させます。「1UP」は自機の数を1つ増加させ、「スペシャルパワーユニット」はショットのレベルを最大にし、一度だけのダメージを防ぐアーマーを装備できます。

ウェポンチェンジユニット効果
バルカン扇状の拡散ショットを発射。ボンバーは広範囲の敵を一掃する。
ライトニングレーザー敵を追尾する雷撃を撃つ。ボンバーは破壊力の高い直線状のビーム。
ミサイルシェル攻撃力の高いミサイルを発射。ボンバーは中規模の爆発で一定範囲の敵に大ダメージを与える。
アイテム効果
パワーユニットショットのレベルが上がる(最大レベル4)。レベルを上げるために必要なパワーユニットの個数は徐々に増えていく。
ボンバーユニットボンバーのストックが1つ増える。
スピードアップユニット自機の速度が上がる。
1UP自機が1つ増える。
スペシャルパワーユニットショットのレベルが最大になり、ダメージを1発だけ防ぐアーマーを装備する。

操作方法

8方向レバーと2つのボタンを使用します。

データ

このタイトルの基本情報です。

発売年1993
プラットフォームアーケード
ジャンルシューティング
プレー人数1-2人(同時プレー)
メーカーサミー工業
開発会社アテナ
プロデューサー高崎敬之
ディレクター
シナリオ
グラフィックUNDEAD TAMA, KATA CHUMURI, NUMA
サウンド佐々木彰太郎
販売数
受賞歴

評価

『大王』は、その高い難易度と特徴的なゲームシステムにより、特定のプレーヤー層に向けたシューティングゲームであると言えます。本作は、敵弾のスピードが速く、自機の当たり判定が大きいことから、プレーヤーには高度な回避スキルが求められます。また、攻撃の回避が困難な場面も存在し、これらの要素が組み合わさることで、難易度はかなり高い部類に入ります。ゲームシステム自体は標準的ですが、ボムの所持数やスコアボーナス化したアイテムの取得、レバー操作を駆使したランク上昇など、これらの要素が極端に組み合わさることで、ゲームの進行に大きな影響を与えます。特に、アイテムをすべて取得して進むと、序盤から高速弾が画面内を飛び交うため、中盤まではパワーアップを控えめにすることが推奨されています。グラフィック面では、爆風演出の多用により、処理落ちや画面のちらつきが頻発する点が挙げられます。これは、ゲームプレイ中の視認性を低下させ、ミスを招きやすい要因となっています。一方で、ボス撃破時の爆風や破片の飛散は、破壊演出としては派手で魅力的です。また、ザコ敵が大量に現れる場面での群がる敵を一掃する爽快感は、本作の大きな魅力のひとつです。サウンド面では、BGMに関してはそこそこ高い評価を受けています。ゲームの雰囲気を盛り上げる要素として、その役割を果たしていると言えるでしょう。しかし、本作は1993年のリリース時には、他の人気縦シューティングゲームや対戦格闘ゲームブームの影に隠れ、あまり注目されなかったという背景があります。家庭用への移植も長らく行われず、知名度は低い状態が続いていました。ゲーム単体としての評価も、「大味で古臭い」という否定的な意見が一般的ですが、前作『ストライクガンナー S.T.G』からの反省点が生かされている部分もあり、シューティングゲームとしては一定の楽しさを提供しています。

総合的に考えると、『大王』は高い難易度と特有のゲームシステムを楽しめる上級者や、レトロゲームやシューティングゲームのマニアにおすすめできる作品です。