アーケード版『ファイアーバレル』3周エンド制が魅力の名作STG

1993年、ゲームセンターの喧騒の中、ひときわ目を引く新作が登場しました。プレイヤーは戦闘機の操縦桿を握り、縦スクロールの戦場を駆け抜ける興奮に胸を躍らせました。敵弾をかいくぐり、迫り来る敵機を撃ち落とす爽快感は、多くのゲーマーを魅了しました。

開発背景や技術的な挑戦

『ファイアーバレル』は、アイレムの子会社であるタムテックスが開発し、1993年に稼働を開始した縦スクロールシューティングゲームです。当時、シューティングゲームは多くの作品がリリースされており、競争が激化していました。その中で本作は、全8面を3周することでエンディングに到達するという、珍しい3周エンド制を採用しました。これは、当時のシューティングゲームが2周エンドやエンドレスが主流であった中で、異彩を放つ試みでした。

プレイ体験

プレイヤーは、赤い戦闘機「ワナバーン」(1P)または青い戦闘機「ウルフェン」(2P)を操作し、多彩なショットやボンバーを駆使して敵を撃破していきます。特に、扇状に弾を放つ「ウイングショット」は、その広範囲攻撃で多くのプレイヤーに重宝されました。全体的に難易度は抑えられており、シューティングゲーム初心者でも楽しめる設計となっていました。

初期の評価と現在の再評価

稼働当初、本作はその地味なビジュアルや効果音の軽さから、他の派手なシューティングゲームと比較して目立たない存在でした。しかし、低めの難易度や安定したゲームデザインが評価され、現在では初心者向けの良作として再評価されています。

他ジャンル・文化への影響

『ファイアーバレル』は、シューティングゲームとしての基本を押さえた作品であり、その安定したゲームデザインは後のシューティングゲーム開発における参考例となりました。また、3周エンド制の採用は、他のゲームにも影響を与えたと考えられます。

リメイクでの進化

もし現代にリメイクされるとしたら、以下のような進化が考えられます。

  • グラフィックの高解像度化や3D化によるビジュアルの強化。
  • オンライン協力プレイやランキング機能の追加。
  • 新たな武器やステージの追加によるゲーム内容の拡充。

まとめ

『ファイアーバレル』は、派手さこそないものの、安定したゲームデザインと低めの難易度で多くのプレイヤーに親しまれた作品です。3周エンド制という独自の試みや、初心者でも楽しめる設計が評価され、現在でもシューティングゲームの一つの形として語り継がれています。

©1993 IREM CORP.