AC版『クレイジークライマー』操作法から秘密の技まで完全ガイド!

クレイジークライマー

『クレイジークライマー』は、1980年に日本物産からリリースされた業務用アーケードゲームです。無謀にも命綱なしで超高層ビルを登る冒険を描いており、独自の2本のレバー操作が特徴的です。

『クレイジークライマー』とは

プレイヤーは命綱なしで高層ビルを登るクライマーを操作します。このゲームは、2つのレバーを使った独特の操作方法が特徴で、各レバーがクライマーの左右の腕をそれぞれ制御します。ビルの窓や障害物を避けながら頂上を目指す過程は、リアルタイムで策略とスキルが要求されるため、当時としては革新的な内容でした。また、このゲームはそのユニークなゲーム性から多くのファンを獲得し、アーケードゲームとしての地位を不動のものにしました。現在でもレトロゲームファンの間で高い評価を受けています。

ゲーム内容

プレイヤーの目的は、命綱なしでビルの屋上を目指し、そこで待っているヘリコプターに到達することです。途中、窓が開いたり閉じたりするなどの障害物があり、これを避けながら登っていく必要があります。

ストーリー設定

『クレイジークライマー』は、ストーリーが存在するわけではありませんが、ゲームの設定はプレイヤーが直面する様々なチャレンジに焦点を当てています。このゲームの世界観は、都市の超高層ビルが立ち並ぶ大都市を舞台にしています。プレイヤーは1人の冒険者、すなわち「クライマー」として、何の安全対策もなしにこれらのビルを登ります。

ゲーム開始時、クライマーはビルの最下層からスタートし、屋上に待機するヘリコプターまで到達することが最終目標です。道中、プレイヤーは様々な障害に遭遇します。これには窓が突然閉まる、ビルの住人が様々な物を窓から投げ落とす、そして突如として現れる巨大な敵キャラクターなどが含まれます。これらの障害を克服しながら、プレイヤーは2本のレバーを駆使してクライマーを操ります。

ゲームシステム

プレイヤーは2本の8方向レバーを用いて、クライマーの両腕を操作します。左のレバーが左腕に、右のレバーが右腕に対応しており、レバーを倒した方向に腕を伸ばすことができます。この操作により、プレイヤーはクライマーを高層ビルの壁面に配置された窓枠へと手をかけさせ、上へと登っていくことが目的です。ゲームのフィールドは縦長の画面で構成され、クライマーはビルの1階からスタートし、200階建てのビルの屋上を目指します。ビルには窓が一定のパターンで配置されており、プレイヤーは開いている窓枠に手をかけることで上に進めますが、窓はランダムに開閉するため、タイミング良く移動する必要があります。窓枠以外にも多くの障害物がプレイヤーの前進を阻みます。例えば、ビルの住人が植木鉢や鳥のフンなどを落としてきたり、特定の敵キャラクターが登場して攻撃を仕掛けてきます。これらの障害物に当たるとクライマーは転落し、ライフを失うことになります。ステージごとにボーナスレートが設定されており、スタート時は10,000点(1面)から40,000点(4面)のボーナスが与えられます。プレイヤーが障害物に当たるごとに、ボーナスレートから100点(1・2面)または200点(3・4面)が減算されます。しかし、一定の下限(1面の場合は3,000点)までしか減らず、それ以下では減点されない設定になっています。クリア条件はビルの屋上に到達し、そこで待機しているヘリコプターに手をかけることです。屋上に到達した後、一定時間内にヘリコプターに手をかけなければ、ボーナスレートの下限分のポイントしか得られず、登頂失敗と見なされます。

ゲーム画面

プレイヤーキャラクターが緑色のクライマーで、ビルの窓枠に掴まりながら登っていきます。画面の左側にはスコア情報が表示されています。上から順に「HIGH SCORE」はこれまでの最高得点、「SCORE1」は現在のプレイヤーの得点を示しています。その下には「STEP POINT」と表示されており、これはキャラクターが1階登る毎に加算される得点です。「BONUS RATE」はボーナスポイントの残高を示しており、最上階でヘリコプターに捕まるとこのボーナスポイントが加算される仕組みです。画面中央には高層ビルの壁が描かれており、窓が規則的に配置されています。プレイヤーはこの窓枠に掴まりながら上へと進んでいきます。窓は開いているものと閉じているものがあり、プレイヤーは開いている窓を利用して登る必要があります。画面右下の植木鉢は、面数を表しています。

ミス

『クレイジークライマー』におけるミスとなる条件は、多岐にわたります。基本的に、プレイヤーが操作するクライマーがビルから転落することがミスの主な原因ですが、その状況は以下のように様々です。

  1. 窓の閉鎖: クライマーが手をかけている窓が閉められると、手がかりを失ってしまいます。片手のみで別の窓枠に掴まっている状態で、手をかけていた窓が閉じれば、支えを失い転落することになります。
  2. 落下物: ビルの住人が落とす植木鉢や鳥のフンなどの障害物がクライマーに直撃すると、片手しか窓にかけていない場合はバランスを崩して転落します。しかし、両手で窓枠にしっかり掴まっている「耐えのポーズ」を取っている時は、一時的に耐えることが可能ですが、連続して障害物に当たると転落することがあります。
  3. 敵キャラクターの攻撃: 特定の敵キャラクター、例えば「キングゴリラ」が繰り出すパンチは、直接当たるとクライマーが転落する原因になります。特に狭い場所での遭遇は避ける必要があります。
  4. 高さによる影響: 20階以上の高さで鉄骨や鉄アレイに当たると、通常は転落死となります。しかし、19階以下では両手を下ろした姿勢で耐えることが可能です。この微妙な差が戦略的な位置取りを要求します。
  5. 落下看板とシビレ看板: 特定の障害物、例えば大きな落下看板に当たると、クライマーは転落します。また、シビレ看板に触れ続けると感電し、長時間触れ続けると転落します。

登場キャラクター

登場する障害物には、おじゃまMAN、しらけコンドル、キングゴリラが含まれ、それぞれ異なる方法でクライマーの進行を妨げます。また、鉄骨やシビレ看板などがランダムに降ってくることで、プレイヤーは常に高い警戒を保ちながら上へと登る必要があります。

おじゃまMANは、クライマーがビルを登る際に突然現れ、窓から顔を出して様々な物を落としてきます。落とされる物には植木鉢やコップ、瓶などがあり、これらがクライマーに当たるとバランスを崩して転落する可能性があります。おじゃまMANは、クライマーが登っている列の窓からランダムに出現し、クライマーが一定の階を通過するたびに現れます。彼が出現すると、窓が閉まった状態と同じ扱いになりますので、その窓枠を使ってさらに上に登ることはできません。また、おじゃまMANはただ物を落とすだけでなく、クライマーの動きを制限する役割も果たします。例えば、おじゃまMANが顔を出している窓枠に手をかけている状態で、別の落下物に当たると、クライマーは即座に転落してしまいます。このため、おじゃまMANが現れたときは特に注意が必要です。

しらけコンドルは、ゲームの1面、2面、および4面で出現します。しらけコンドルは、画面の上部から登場し、小松政夫のヒット曲「しらけ鳥音頭」のイントロに合わせて飛び回ります。このコンドルは、一定の間隔で卵と糞を落としてきます。これらの落下物は、プレイヤーが操作するクライマーに当たると、クライマーが転落する原因となり得ます。

小松政夫は、タレントで、特に1970年代から1980年代にかけて人気を博しました。彼の歌は、その独特な声質と情感豊かな表現で多くのファンに支持されています。小松政夫の代表曲のひとつが「しらけ鳥音頭」です。この曲は、1978年にリリースされ、日本全国で広く親しまれました。「しらけ鳥音頭」は、その名の通り、音頭のリズムにのせて歌われる曲です。歌詞の内容は、しらける(興ざめする)状況をユーモラスに描いたもので、日常のささいな出来事をコミカルに表現しています。この曲の人気により、小松政夫は一躍有名になり、その後も長いキャリアを築くことに成功しました。

キングゴリラは、1面と3面に登場します。映画『キングコング』に触発された巨大なゴリラで、ビルの外壁に突如現れては、クライマーに向かってパンチを繰り出します。キングゴリラの攻撃パターンは予測が難しく、左右に瞬間移動しながら突然パンチを放ってきます。プレイヤーはキングゴリラの動きを注意深く観察し、適切なタイミングで回避動作を取る必要があります。クライマーがキングゴリラのパンチを食らうと、片手しか窓枠に手をかけていない場合はほぼ確実に転落し、ミスとなってしまいます。しかし、両手でしっかりと窓枠を掴んでいる場合には、一定の確率で攻撃を耐えることができますが、連続で当たったタイミングがほぼ同時だと耐え切れずに転落することがあります。キングゴリラが出現中には「ピンクパンサーのテーマ」が流れます。

鉄骨、鉄アレイは、画面上部から一定間隔でランダムに方向転換しながら落下してきます。その落下速度はクライマーの移動速度に比べて非常に速く、プレイヤーはこれを巧みに避けながらビルを登り続ける必要があります。鉄骨が出現するのは主に2面から4面の序盤であり、プレイヤーがノーミスでゲームを進めている場合、その面数と同じ数の鉄骨が同時に出現し、より高い階層に到達するほど、同時に出現する鉄骨の数が増えていきます。これにより、ノーミスクリアを目指すプレイヤーには高い難易度が課されることになります。一方、プレイヤーがミスをすると、出現する鉄骨の数が減少し、その分だけゲームの難易度が下がる設計になっています。特に注目すべき点は、鉄骨が20階以上の高さでクライマーに当たると、基本的には転落死となる点です。しかし、19階以下では、クライマーが両手を下ろした「耐えのポーズ」を取っている場合、鉄骨を耐えることが可能です。かすめただけの場合には転落せずに済むこともありますが、一度でも鉄骨に直撃すれば、その時点でミスとなります。

シビレ看板は、ビルの特定の場所に現れ、ちぎれた電線が火花を散らしながら腕を振り回すような状態になっています。クライマーがこの火花に触れると感電し、キャラクターの色(服・頭・手足)がランダムで変化します。感電した状態で一定時間操作を誤ると、クライマーは死亡してしまうため、シビレ看板は非常に危険な存在です。特に、片手でしか掴まっていない状態で再度感電すると、クライマーは転落死してしまいます。しかし、両手でしっかりと掴まっている状態で感電を完全に受けきると、それ以上の当たり判定は発生しなくなります。シビレ看板が出現するのは主に2面と4面で、特定の列にのみ現れるため、これを避けながら登ることも可能です。プレイヤーはシビレ看板が配置されている列を事前に識別し、避けるルートを計画する必要があります。

ハズレ看板は、ビルの壁面を下降してくる大型の障害物で、プレイヤーがこれにぶつかるとクライマーは転落してミスとなります。看板のサイズは窓枠2つ半の横幅があり、その大きさから避けるのが困難です。ハズレ看板の落下速度は比較的遅く、また左右にはほとんど移動せずに直線的に降下してきます。これにより、プレイヤーは看板の落下するパターンを見極め、タイミングよく移動することで避けることが可能です。ただし、当たり判定が看板内に点在しているため、特定の段やポーズによっては稀にすり抜けることがあります。この「すり抜け」が発生するかどうかは予測が難しく、確実な避け方としては看板の落下パスから完全に離れることが推奨されます。ハズレ看板は主に3面と4面で登場します。

ラッキーバルーンとは、2面と3面で「パッヘルベルのカノン」に合わせて出現し登場します。掴むとプレイヤーを即座に8階層上の階まで一気に運んでくれます。鉄骨の落下などの障害物から一時的に逃れることができるため、ノーミスクリアを目指すプレイヤーにとっては非常に価値が高いです。バルーンに掴まった瞬間から、ドラえもんのテーマソングが流れ始め、クライマーは安全に上へと運ばれます。ただし、バルーンがプレイヤーを降ろす階はランダムで、時には閉じた窓がある階に降ろされることがありますが、その場合は窓が再開するまで待機する必要があります。この待機時間中にはプレイヤーは攻撃を受けることはありません。

「パッヘルベルのカノン」とは、ドイツの作曲家ヨハン・パッヘルベルが作曲した有名な楽曲です。この曲は正式には「カノンとジーグ ニ長調」の一部であり、特に「カノン」の部分が広く知られています。カノンとは音楽の形式のひとつで、繰り返しの旋律が遅れて入ることにより、複数の声部が美しく調和するように構成されています。特に結婚式や祝賀会などのフォーマルな場で演奏されることが多く、その美しい旋律は多くの人々に愛されています。また、クラシック音楽が苦手な人でも親しみやすく、耳に残るメロディは映画やテレビ、広告など、多岐にわたるメディアで使用されています。

サンプリングボイス

『クレイジークライマー』では、サンプリングボイス技術を使用して、ゲーム中のキャラクターにリアリティを持たせる工夫が施されています。この技術により、クライマーが障害物に当たった時の「イテッ」、長時間何も操作しないでいると聞こえる励ましの「ガンバレ」、転落時の叫び声「アーッ」など、様々な状況に応じた音声がゲーム内で再生されます。

裏技

ネームエントリーで名前を「JORDAN.LTD」と入力すると、プレイヤーのクレジット数が2つ追加されます。この裏技は、ゲームの基板のROMバージョンによって可能かどうかが異なりますので、すべてのマシンで利用できるわけではありません。

データ

このタイトルの基本情報です。

発売年1980
プラットフォームアーケード
ジャンルアクション
プレー人数1人
メーカー日本物産
開発会社日物レジャーシステム、ジョルダン
プロデューサー
ディレクター
シナリオ
グラフィック藤原茂樹
サウンド
販売数
受賞歴

評価

『クレイジークライマー』は、その独特の操作デバイスによる直感的な操作方法が非常に気持ち良いと評価されています。左右のレバーを交互に上へ入力するだけで登っていくシンプルな操作は初心者にも親しみやすく、多くの障害物にも対処方法があるため、コツを掴めば誰でも楽しむことができます。ただし、一部の場面では対処が難しく、鉄骨や看板が逃げ場のない場所で落下してくることがあります。レバーを2本使うゲームは非常に珍しく、本作以外では『リブルラブル』や『空手道』などが挙げられます。本作はバグの影響で全4面のループとなっており、移植版でもバグは解消されていません。また、音楽については無断使用の疑いがあり、移植版ではほぼ全てのサウンドが変更されています。

評価の中で、ポジティブなポイントとしては直感的で気持ち良い操作方法、シンプルなルール、独自の世界観が挙げられます。特に左右のレバーを使った操作は他のゲームでは味わえない楽しさがあり、初心者でもすぐに楽しめる点が高く評価されています。また、豊富なボイスや効果音、カラフルなグラフィックも評価の一環です。一方で、ネガティブなポイントとしては、一部の場面で運任せになる要素や無断使用の音楽が問題視されています。ポジティブな評価とネガティブな評価の比率をパーセンテージで表現すると、おおよそ70%がポジティブな評価、30%がネガティブな評価と言えます。多くのプレイヤーが楽しめる要素が多い一方で、一部の技術的な問題や運任せの要素がプレイ体験を損なうこともあります。

『クレイジークライマー』は、操作の面白さと直感的な楽しさを求めるプレイヤーにおすすめです。特に、昔のアーケードゲームが好きで、シンプルながらも奥深いゲームを楽しみたい人には最適です。また、ゲームの歴史や進化に興味がある人にとっても、本作はその独特な操作方法や技術的な挑戦が見られる貴重な作品です。ゲームセンターの雰囲気やレトロなゲームを楽しみたい人にもおすすめできる一品です。

分析の元データは、インターネット上の書き込み情報などを可能な限り収集。相当量の情報を元に解析を実施しています。