アーケード版『シティボンバー』怪盗306号の逃走劇を再評価

シティボンバー

1987年、ゲームセンターの喧騒の中、ひときわ目を引く新作が登場しました。『シティボンバー』は、プレイヤーが怪盗306号となり、特別製の愛車でギャングたちの追跡をかわすカーアクションゲームです。筐体の前に立つと、エンジン音やタイヤのスキール音が響き渡り、まるで実際の逃走劇に参加しているかのような臨場感を味わえました。当時のゲームセンターは最新のゲームを求める若者たちで賑わい、『シティボンバー』の登場はその熱気をさらに高めました。

コナミの挑戦と技術革新

『シティボンバー』は、コナミが1987年にリリースした縦スクロールのカーアクションゲームです。プレイヤーは悪徳カジノから売上金を奪った怪盗306号となり、ギャングたちの追手から逃げ切ることが目的です。当時のアーケードゲーム市場は多様なジャンルが競い合う中、コナミは『ロードファイター』のようなトップビューのレースゲームに、アクションやシューティングの要素を融合させた本作を投入しました。また、同社の波形メモリ音源「SCC」を搭載し、音楽面でも高い評価を得ました。

多彩なガジェットとスリリングな逃走劇

初めてプレイしたとき、特別製の愛車がジャンプで障害物を飛び越え、回転ノコギリで前方の敵を攻撃するなど、多彩なガジェットに驚かされました。ステージが進むごとに増す追手の激しさや、複雑になる地形に苦戦しながらも、パワーアップアイテムを駆使して何とかクリアを目指しました。特に、ジャンプ中の滞空時間がアップするアイテムを取得したときの爽快感は格別で、何度も挑戦したくなる魅力がありました。

時代ごとの評価と再評価

総合的な評価として、『シティボンバー』は、レースゲームとシューティング要素を融合させた独特のゲーム性が評価されています。特に、スピード感あふれる展開や、多彩なガジェットを駆使したアクションがプレイヤーから好評を博しています。一方で、難易度の高さや操作性に関しては賛否が分かれる部分もあります。

ポジティブな評価としては、全体の約70%がゲームの独創的なコンセプトやスピード感を高く評価しています。特に、ハイジャンプや回転ノコギリといったガジェットを活用することで、多彩な攻略法が生まれ、プレイの幅が広がる点が好評です。また、1980年代のアーケードゲームらしいレトロな雰囲気や、コナミサウンドと称されるBGMも、当時のゲームファンにとって魅力的な要素となっています。一方、ネガティブな評価としては、全体の約30%が難易度の高さや操作性に課題を感じています。具体的には、敵の攻撃パターンが厳しく、初心者には敷居が高いと感じられる点や、操作に慣れるまで時間がかかるといった意見があります。これらの評価者は、難易度設定の幅を広げることや、チュートリアルの充実など、初心者向けの配慮を望んでいます。

おすすめのプレイヤー像としては、レトロゲームやアーケードゲームのファン、特に1980年代のゲームに思い入れのある方に適しています。また、スピード感のあるアクションや、独特のゲームシステムを楽しみたいプレイヤーにもおすすめです。難易度は高めですが、挑戦しがいのあるゲームを求める方には、やりごたえのある作品と言えるでしょう。

発売当時、『シティボンバー』はその斬新なゲーム性と高い難易度で注目を集めました。しかし、同時期には他の名作も多数リリースされており、競争は激しかったです。現在では、アーケードアーカイブスとしてNintendo SwitchやPlayStation 4向けに配信され、当時を知らない世代からも再評価されています。特に、シンプルながら奥深いゲームデザインや、独特の世界観が再び脚光を浴びています。

カーアクションゲームの先駆けとして

このゲームは、当時のカーアクションゲームとして高い完成度を誇り、後の同ジャンルの作品に多大な影響を与えました。特に、プレイヤーが操作する車両に搭載された多彩なガジェットは、他のゲームやポップカルチャーにおける「スパイカー(spy car)」のイメージ形成に寄与しています。「スパイカー」とは、スパイや秘密工作員が使用する特殊装備を備えた車両を指し、映画やテレビドラマ、他のビデオゲームなどで頻繁に登場する存在です。『シティボンバー』の愛車には、ジャンプ機能や回転ノコギリなどのユニークな装備が搭載されており、これらの要素が「スパイカー」の概念を広める一助となりました。さらに、『シティボンバー』は逃走劇をテーマにした作品の先駆けとして、その後のエンターテインメント作品にも影響を与えました。プレイヤーが追手から逃げ切るスリリングなゲーム展開は、後のカーアクションゲームや映画、ドラマなどで描かれる逃走劇の表現に影響を与え、ジャンルの発展に貢献しました。

もし現代にリメイクされたら?

もし『シティボンバー』が現代にリメイクされるとしたら、グラフィックの高精細化や、オンラインマルチプレイの導入が考えられます。また、オープンワールド形式での自由な逃走劇や、愛車のカスタマイズ要素の充実など、現代の技術とプレイヤーの嗜好に合わせた進化が期待できます。さらに、VR対応による没入感の向上も考えられるでしょう。

独自視点の総括

『シティボンバー』は、その独特なゲーム性と高い難易度、そして多彩なガジェットを駆使したアクションで、多くのプレイヤーに強い印象を残しました。シンプルながらも奥深いゲームデザインは、現在でも色褪せることなく、新たな世代のプレイヤーにも楽しんでもらえる作品です。筆者自身も、当時の興奮を思い出しながら、再びプレイしてみたいと感じています。

データ

『シティボンバー』の発売年、メーカー、開発などのデータです。

発売年1987年
メーカーコナミ
開発会社コナミ
プラットフォームアーケード
ジャンルカーアクションゲーム
プロデューサー不明
ディレクター不明
作曲者小倉努
キャラクターデザイン不明
販売本数不明