アーケード版『超絶倫人ベラボーマン』特撮風アクションの魅力とは?

『超絶倫人ベラボーマン』

1988年、アーケードゲームセンターの喧騒の中、ひときわ目を引く筐体がありました。色鮮やかなグラフィックとコミカルなキャラクターが描かれたそのゲームは、『超絶倫人ベラボーマン』。プレイヤーたちは、特撮ヒーローさながらの主人公を操作し、次々と現れる敵を倒していく爽快感に夢中になっていました。

開発背景や技術的な挑戦

『超絶倫人ベラボーマン』は、ナムコ(現:バンダイナムコエンターテインメント)から1988年にリリースされました。開発の中心人物である中潟憲雄氏は、特撮映画や怪獣映画への愛情を持ち、それらをパロディ化した作品を作りたいと考えていました。ゲーム内のキャラクターやデザインには、当時の特撮作品の影響が色濃く反映されています。

本作の大きな特徴の一つが、圧力感知式のボタン「ベラボースイッチ」の採用です。プレイヤーがボタンを押す強さによって、攻撃のリーチやジャンプの高さが変化するという斬新な試みでした。しかし、このボタンは故障しやすく、メンテナンスの面で課題がありました。

プレイ体験

プレイヤーは、サラリーマンの中村等がアルファー遊星人から授かった力で「ベラボーマン」に変身し、悪の科学者・爆田博士の野望を阻止するために戦います。腕や足、首を伸ばして攻撃するユニークなアクションや、多彩な敵キャラクターとの戦闘が魅力でした。特に、ボタンの押し加減で攻撃やジャンプを調整する操作感は新鮮で、多くのプレイヤーを魅了しました。

初期の評価と現在の再評価

リリース当初、『超絶倫人ベラボーマン』はその独特な操作性やコミカルな世界観が評価され、ゲーム誌のアワードで高評価を得ました。しかし、圧力感知式ボタンの故障しやすさや、ゲームの難易度の高さから、プレイヤーの間で賛否が分かれることもありました。現在では、当時の技術的挑戦や独創的なデザインが再評価され、復刻版のリリースにより新たな世代のプレイヤーにもその魅力が伝えられています。

他ジャンル・文化への影響

『超絶倫人ベラボーマン』は、その後のゲームやメディアにも影響を与えました。例えば、1990年にはスピンオフ作品として『ピストル大名の冒険』がリリースされ、ベラボーマンの敵キャラクターであるピストル大名が主役を務めました。さらに、ウェブコミックやアニメーションとして再び脚光を浴び、古き良き特撮ヒーローの魅力を新たな形で伝えました。

リメイクでの進化

もし現代にリメイクされるとしたら、圧力感知式ボタンの技術は、タッチスクリーンやモーションセンサーを活用した操作方法に進化するでしょう。また、グラフィックやサウンドも高解像度化され、オンライン協力プレイやランキング機能など、現代のゲーム要素が加わることで、より多くのプレイヤーが楽しめる作品になると考えられます。

まとめ

『超絶倫人ベラボーマン』は、1980年代のアーケードゲームの中でも特に異彩を放つ作品でした。特撮ヒーローへのオマージュや独自の操作性、そしてコミカルな世界観が融合し、多くのプレイヤーに愛されました。技術的な挑戦やデザインの独創性は、現在でも評価され続けています。再リリースやメディア展開を通じて、その魅力はこれからも語り継がれていくことでしょう。

攻略

プレイヤーは主人公のベラボーマンを操作し、高度成長期の日本を背景にしたステージで爆田博士率いるロボット軍団と戦います。全32ステージは任意スクロールのアクションステージと強制スクロールのシューティングステージが混在しており、それぞれのステージで操作方法が異なります。体力ゲージがあり、敵の攻撃や体当たりで減少しますが、クレジットを投入することでその場で回復し、継続プレーが可能です。

ストーリー設定

『超絶倫人ベラボーマン』は、平凡なサラリーマン・中村等がアルファー遊星人から授けられた銀の力と超変身物質ヘラとボーを用いてスーパーヒーロー、ベラボーマンへと変身し、悪の科学者・爆田博士率いるロボット軍団との戦いに挑む、特撮ヒーロー風のアクションゲームです。1988年にナムコから発売され、その異色のゲーム性と特異なボタン設定で話題となりました。昭和40年代の高度成長期の日本を背景にしたノスタルジックな世界観が特徴で、主人公の腕や足、首が伸びるというユニークな操作性がプレーヤーを楽しませます。アクションステージとシューティングステージが混在し、操作性が異なる点も見どころのひとつです。

操作方法

操作は8方向レバーと2つのボタンで行います。特徴的なのは「ベラボーマンボタン」と呼ばれるボタンで、これは攻撃用とジャンプ用に使用します。押す強さにより、主人公の手・足・首の伸びる長さやジャンプの高さが変わる「タッチレスポンススイッチ」が搭載されており、これにより戦略性が増します。

ゲームシステム

主に町や忍者屋敷を舞台にアクションステージが進行します。各ステージにはボスが存在し、これを倒すことでステージクリアとなります。初めてのプレーヤーも安心できるよう、最初のステージにはα遊星人が登場し、操作方法を教えてくれます。また、ゲーム中ではさまざまなアイテムが出現し、これらを活用して進行します。 アイテムには、「おにぎり」で体力が小回復、「ラーメン」で中回復、「寿司」で大回復といった体力回復系や、「貫通拳」で攻撃に貫通効果を付与、「波動弾」でガードを突破する飛び道具を使用できるものなど、多種多様なものがあります。さらに「オロ○ミンC」で一定時間、無敵状態になる、「新幹線」でステージのゴール地点まで一気にワープするなど、状況に応じて活用することでゲームを有利に進めることができます。 操作方法は基本的にレバーとトリガーを用い、様々な攻撃やアクションを行うことができます。例えば、レバーを左右に入力することで横移動が可能であり、さらにそのまま同じ方向に入力し続けると走り出します。攻撃は左トリガー、ジャンプは右トリガーで行います。これらのボタン操作の強さにより射程や飛距離が変化し、多彩な戦略が展開可能です。 また、本ゲームにはシューティングステージも存在します。ここでは海底を舞台に、レバーとトリガーを用いた操作で進行します。敵を倒すことでステージクリアとなり、さらなるステージへ進行します。

アクションステージ

アクションステージは、町や忍者屋敷を舞台に展開され、各ステージにはボスが存在します。ボスを倒すとステージがクリアとなります。ステージの最初では、α遊星人が操作方法を教えてくれます。ステージ内には様々なアイテムが登場し、体力回復や攻撃力強化、無敵状態になるなどの効果を得られます。また、特殊なアクションや攻撃を駆使し、敵を倒したり難所を越えたりします。レバーとトリガーを使った直感的な操作と、多彩なアクションで織り成すバラエティ豊かなステージが魅力のひとつです。

横方向へ移動レバーを左右に入力することにより実現。同じ方向へ入れっぱなしにすることにより走り出す。
しゃがむレバーを下方向に入れるとしゃがむ。
攻撃左トリガーで攻撃を行う。ボタンを叩く強さにより射程が変化する。
ジャンプ右トリガーでジャンプを行う。ボタンを叩く強さにより飛距離が変化する。
ベラボーパンチ直立状態および小ジャンプ中の攻撃。
ベラボーキック直立状態でレバーを上に入れての攻撃。斜め頭上へキックを繰り出す。大ジャンプ中に攻撃ボタンを押すと真横にキックする。
ベラボーヘッドバットしゃがみ状態での攻撃。四足でしゃがんだ状態から首を伸ばして頭突きする。
ベラボーハイハイしゃがみ状態のまま左右へ移動。このアクションを使わないと通れない箇所もある。
ジャドーハイジャンプベラボージャンプ(大ジャンプ)の上昇中に攻撃を連打すると通常の大ジャンプよりも遙かに高い場所までジャンプすることができる。低い位置から連打を始めれば到達点はより高くなる。これを使わないと到達することの出来ない地形も存在するが、この操作をしなくてもゲームクリアへの支障は無い。ジャンプの下降中には攻撃を連打したりレバーを下方向に入れたりすることで着地のタイミングを調節できる。
アイテム効果
おにぎり体力小回復
ラーメン中回復
寿司大回復
貫通拳攻撃に貫通効果が付与され、体力の高いボス敵などには多段ヒットとなる。横幅が広いほど与えるダメージも大きい。PCエンジン版では時間制限あり。
波動弾アイテムひとつにつき10発撃てる、ボス敵のガードをもぶち抜く飛び道具。福引男により支給された特殊エネルギーを手の甲の「ベラボーイニシャルビームガン」から発射する。
オロ○ミンC一定時間、無敵状態となる。
新幹線そのステージのゴール地点まで一気にワープする。ステージによってはオロ○ミンCと同効果を得られる。
スカはずれアイテム。得点が少し入るのみ。

シューティングステージ

シューティングステージは、ベラボーマンが海に落下した地点から始まります。このステージでは海底が舞台となり、プレーヤーは海底や岩にぶつかってもペナルティを受けません。しかし、画面端と岩に挟まれるとダメージを受けますので注意が必要です。ステージの最後にはボスが待ち構えており、ボスを倒すことでステージをクリアすることができます。ステージ中の敵は福引き券を持っていないため、パワーアップの要素はありません。ただし、体力回復アイテムはステージ中に出現しますので、それを利用してゲームを進めていくことが重要です。旧バージョンのゲームでは、ウ号を撃ち続けると永久パターンになる問題がありましたが、新バージョンではこの問題が修正されています。シューティングステージの操作は非常にシンプルで、レバーによりベラボーマンを任意の方向へ移動させることができます。攻撃にはトリガーを使用します。左トリガーを使用すると正面への射撃が、右トリガーを使用すると下方向へ弧を描く弾を発射することができます。

登場キャラクター

『ベラボーマン』の登場キャラクターは、一風変わった能力や特徴を持つ多彩な面々です。主人公ベラボーマンは普通のサラリーマンが超変身物質でパワーアップしたヒーローで、家族や職業まで設定され、リアルな背景を持っています。対して敵キャラクター達は、マッドサイエンティスト、忍者、戦闘ロボ軍団リーダー、改造鶏など、個性的で風変わりで、特殊な攻撃や行動パターンを有しています。また、アイテムや情報を提供するキャラクターなど、プレーヤーを助けるサポートキャラクターも存在します。

キャラクター詳細
ベラボーマン本作の主人公。サラリーマン中村等が超変身物質と銀の力によって変身した姿。昭和33年3月20日生まれ(29歳)[要出典]。福島県飯坂出身、東京都多摩市豊ヶ丘の公団住宅在住。保険会社「目蒲火災海上保険」のセールスマンが本業。まり子という名前の妻と息子、娘がいる。「絶倫」は「群を抜いて優れていること」で、「超絶倫」は「べらぼうな」を意味する。梅津秀行(CV)。
α遊星人(アルファーゆうせいじん)中村等に「超変身物質」を授けた宇宙人。そのステージのボスに関する情報をくれるが、大した内容ではない。殴ると「アホタレ!なにすんねん!」などと色々叫ぶ。
福引男(ふくびきおとこ)ベラボーマンにアイテムをくれる、下半身がガラポン型のロボット。敵を倒し、福引補助券を10枚(=福引券1枚になる)集めると鈴の音と共にどこからともなく登場し、体力回復・攻撃力上昇といったアイテムを置いて去っていく。ただしスカもあり。なお、アイテム自体は特定の場所にも配置されている。また、アクションステージの最後に登場、福引券の枚数と同数のおにぎりをくれる。α遊星人同様、殴ると色々なことを言う。8発殴ると怒り出し、そのプレー中は一切のアイテムをもらえなくなる。
ブラックベラボーマン市街地ステージのボス。ベラボーマンと同じ形状で色違いの黒のパワースーツに身を包み、ベラボーマンと同様の攻撃を繰り出してくる。通常攻撃6発分のダメージを与えると「おぼえてろよ」と捨て台詞を残して去っていく。正体は中村等の商売敵であるミロ保険のベテラン・セールスマン、妙島。29歳、独身。ラストバトル直前での最後の戦いに打ち勝つと、実はα遊星人が愛のムチとして自分を差し向けていたことを明かし、ベラボーマンの成長を認め回復アイテムを授けて去っていく。飛田展男(CV)。
爆田博士(ばくだはかせ)本作の最終ボス。体中の半分以上にサイバネティック化を施したマッドサイエンティスト。131歳、ナイスミドルのロマンスグレー。本名、爆田狂男(くるお)。きのこ雲のように逆立った紫色の巨大なパーマヘアが特徴的。ミサイル攻撃と頭髪からのレーザー攻撃が武器。ダメージを与えるには弱点を突く必要があり、一定回数ダメージを与えるとボディが爆発。残った頭部だけで分身の術を繰り出しながらレーザー攻撃を繰り返す。子供の頃は平賀源内、学生時代は西村真琴と研究し、その後アインシュタインやヒトラーに学び、現在はバイオテクノロジーを研究している。結婚経験はないが、妾が100人以上いる。中潟憲雄(CV)。
ゾルタン市街地ステージのボスで、戦闘ロボ軍団のリーダー的存在。中世の騎士のような上半身と、馬の後半身に翼が生えたかのような下半身を持つ。V字軌道を描きながら体当たりをかけて来る。1発でもこちらの攻撃が入ると盾を装備して画面右隅へと移動し、上下に往復移動しつつ弾をばら撒く。盾を後ろへ引いた時しか攻撃を受け付けない。アーケード版では最後まで倒すことができず一定ダメージを与えると捨て台詞を残して逃げていく。
わや姫(わやひめ)忍者屋敷ステージの中ボスで、忍者軍団の紅一点。「アナタの負けよ」と空中から舞い降り、けたたましい笑い声と共に振り下ろした刀から火柱を走らせる「おほほの術」を繰り出す。花咲きよみ(CV)。
ピストル大名(ピストルだいみょう)忍者屋敷ステージのボス。得意技は土下座からの騙し討ち。土下座して改心した振りをしつつちょんまげ型の頭部の大砲からミサイルを発射する。アーケード版では3度目の土下座の後に姿を消す。本作では敵役だが、後に『ピストル大名の冒険』にて主役を務めることとなる。本作での卑怯な性格も、正義に燃える正々堂々とした物に改められている。
雷丸(いかずちまる)忍者屋敷ステージのボス。雷手による張り手を連発しながら画面を往復する。前面からでは貫通拳でもダメージを与えられない。アーケード版ではかなりの頻度で登場し、最終ステージ手前では他のボスと同時に何度も出てくる。2体同時に登場するステージでは片方が空中を歩く。飛田展男(CV)。
ベンジャミン大久保彦左衛門(ベンジャミンおおくぼひこざえもん)忍者屋敷ステージのボスで、通称ヘビメタ忍者。奇妙な踊りを披露しながら手裏剣を投げてくる。後半のステージでは2人同時に登場し、プレーヤーを苦しめる。
ツイン・スキュレーン海底ステージのボスで、アトランティスの守護神獣。うねりながら弾をばら撒く二本の首を破壊すれば本体は逃げる。後半のステージでは赤いバージョンが出る。
初号401(うごうよんまるいち)爆田博士の頭部を模した巨大メカ。ベラボーマンを追跡しつつレーザーを連発してくる。永久パターン防止キャラクターだが、旧バージョンでは倒すことができたため、後のバージョンで修正された。ボスとして登場する場合は破壊可能。
響笑翔衝斉(きょうしょうしょうしょうさい)忍者屋敷ステージのボス。十字手裏剣型に変形して体当たりしてくる。
トリガーG7市街地ステージのボス。鶏肉として加工されそうになっていた鶏が、爆田博士に救われ、改造されたもの。長く伸びた首の先の頭から弾を撃ってくる。
アタックボンバーV9市街地ステージのボス。ロケットパンチを繰り出しながら移動。足元には当たり判定がなく、ベラボーハイハイで通り抜けることができる。体力がゼロになると背中に搭載された自爆装置が起動、特攻を仕掛けてくる。
アトランチス大王「シルヴィアンI世」海底ステージのボス。中央に座って弾を撃ち、その周りをアトランチス人4体が守っている。本体は一切動かず、アトランチス人4体を全て倒せば本体は逃げる。
海底ウ号(かいていウごう)ウ号の水中バージョン。アトランチス大王同様、アトランチス人4体が守っている。
ボスウンババトーテムポールとだるま落としをモチーフとした市街地ステージのボス。本体は上下に動き、緑の顔や赤の顔は斧のような弾を飛ばしてくる。柱を形作る赤と緑の顔を攻撃すると画面右へ吹っ飛び、更に跳ね返ってくる。跳ね返って来た顔は避けないとダメージを受ける。本体だけにしてしまえば何もできなくなる。

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