『ボスコニアン』は、1981年にナムコからリリースされたアーケード向けの多方向シューティングゲームです。このゲームでは、プレイヤーは自機を操作し、前方と後方に同時に弾を発射しながら、敵の基地を破壊することを目指します。敵の攻撃をかわしつつ、レーダーを活用して進行するシステムが特徴です。各ラウンドでは、敵基地をすべて破壊すると次のラウンドに進むことができます。
『ボスコニアン』とは
『ボスコニアン』は、宇宙を舞台にした多方向シューティングゲームで、1981年にナムコによってリリースされました。このゲームは、プレイヤーが敵の宇宙基地を破壊することを目的としています。独自のレーダーシステムと、前後に同時に攻撃ができるユニークな操作性が話題となりました。多方向シューティングの祖としても評価されており、その革新性は今も高く評価されています。
ゲーム内容
プレイヤーの目的は、宇宙を舞台に敵の基地を全て破壊することです。基地は6つの砲台を持っており、これを1つずつ破壊するか、コア部分を一撃で破壊することでクリアとなります。各ラウンド(ラウンド1と2を除く)に8つの敵基地が存在。レーダーで敵の位置を確認しながら、敵の戦闘機やミサイルの攻撃をかわして進む必要があります。全ての基地を破壊すると次のステージに進むことができます。
ストーリー設定
当時の『ボスコニアン』のプロモーションツールには「宇宙海賊」との戦いを描いたものであることが書かれています。
ゲームシステム
『ボスコニアン』は、8方向に移動し、前後に攻撃を行うシステムが特徴です。また、敵の基地を破壊するために6つの砲台を狙うか、中央のコアを破壊することが必要です。
ゲーム画面
画面左側には、星々がちりばめられた暗い宇宙空間が広がっています。常に自機は画面中央に位置。画面右側には、状態表示エリアがあり、「HI-SCORE」(ハイスコア)と現在のスコアがあります。また、「CONDITION」は宇宙空間における緊張度を表しています。さらに、CONDITIONの下にはレーダーがあり、ラウンド内の敵基地や敵の位置を表示しています。自機の残機数は、レーダーの直下に小さなアイコンとして表示。その下には現在のROUND数の情報があります。
ゲームルール
- 敵や敵の攻撃、障害物に当たるとファイターを1機失います。
- ファイターを全機失うとゲームオーバーです。
- 2万点、7万点でファイターが1機増え、以後7万点ごとに1機ずつ増えます。
- ゲームオーバー後にコンティニュー画面が出ます。このときクレジットを入れると、ゲームの続きができます。
操作方法
『ボスコニアン』の操作はシンプルですが、戦略的な要素が求められます。プレイヤーはレバーで宇宙船を8方向に操作し、ボタンで前後に弾を発射します。敵の基地を攻撃する際には、6つの砲台を破壊するか、コアを狙う必要があります。敵の攻撃は次第に激しくなり、ミサイルやスパイ機などの多彩な攻撃パターンに対応しなければなりません。敵の動きはレーダーで確認でき、戦闘中に「バトルステーション!」や「レッドコンディション!」といった警告音声も特徴的です。
8方向レバー | 自機の移動 |
ボタン1 | ミサイルの発射(同時に前方・後方) |
コンディション/レーダー表示
画面右には「コンディション(CONDITION)」と「レーダー」の表示があります。
コンディションは、宇宙での戦闘状況です。全部で3種類あります。「GREEN」は敵の攻撃がないこと、「YELLOW」は敵のミサイルが攻撃していること、そして「RED」は敵の総攻撃の状態を示しています。
レーダーは敵基地の場所を緑、自機の現在位置を白、敵編隊を赤のドットで示しています。
キャラクター
『ボスコニアン』には6種類以上のキャラクターが登場します。プレイヤーが操作する「ファイター」は、8方向に移動でき、前後にミサイルを同時発射可能なスペースパトロール機です。敵基地は6つの砲台を持ち、砲台の破壊や中心部への攻撃で攻略可能です。また、3種類の敵ミサイルが編隊を組んで攻撃し、さまざまなフォーメーションが存在します。偵察機や障害物として登場する宇宙機雷や小惑星も、戦略的に重要な役割を果たします。
ファイター
ギャラガに登場する自機に似ている8方向に移動できるスペースパトロール機です。前後に同時にミサイルを発射する攻撃能力があります。画面上のミサイルの最大数は4つ。敵のミサイルとほぼ同じ速度で移動できます。常にゲーム画面の中央に位置します。自機のデザインは白と灰色の基調に、赤のアクセントが加えられています。形状は中央にコックピットを持ち、両側には翼のような構造が特徴的です。翼部分には赤いピクセルが施されており、動きや攻撃の際の視覚的な強調に役立っています。
敵基地
すべての敵基地には6つの砲台が装置されています。砲台は、ファイターに向かって小さなミサイルを発射。敵基地には中心部が縦になっているタイプと横のタイプの2通りが存在します。面クリアのキーとなる敵基地を破壊する方法は2つ。6つの砲台をすべて破壊するか、基地中心部にミサイルを打ち込むかのどちらかです。中心部に攻撃するときに、シェルターが閉じていたら攻撃は効きません。
敵ミサイル
画面の中央にいるファイターの斜め前方、後方から近づいてきます。敵ミサイルは全部で3種類存在します。
種類 | 得点 | 特徴 |
---|---|---|
アイヒ型ミサイル | 50点 | 斜め前方もしくは後方から追尾してくる。鮮やかな紫色とピンクの配色が特徴的で、真ん中に赤いコックピットが描かれています。 |
プルーア型ミサイル | 60点 | アイヒ型同様、斜め方向から現れ、ファイターを囲むように攻撃。鮮やかな青と緑のグラデーションが特徴的で、形状はブーメランのように湾曲したデザインが施されています。中央部分には赤い点が描かれています。 |
エッドール型ミサイル | 70点 | 4ラウンド以降、敵基地の中心部から発射されるミサイル。 |
ミサイルは編隊攻撃を仕掛けてくることがあります。5機構成で、色の違う機は隊長機です。隊長機を破壊すると編隊が崩れます。編隊をすべて破壊するとボーナスポイント500点~1,500点が加算。編隊攻撃のパターンは全9種類です。
編隊名 | 内容 |
---|---|
逆Vフォーメーション(逆V字編隊) | オレンジ色のプルーア型ミサイル司令機を中心に、青色のプルーア型ミサイルが逆V字型に配置された編隊。攻撃的で前方に向けた戦術。 |
クロス・フォーメーション(十字編隊) | 中央にオレンジ色のプルーア型ミサイル司令機が位置し、上下左右に青色のプルーア型ミサイルが配置された十字型の編隊。全方位からの防御と攻撃を行う。 |
ランスフォーメーション(槍編隊) | オレンジ色のプルーア型ミサイル司令機を先頭に、青色のプルーア型ミサイルが縦一列に並んだ槍のような編隊。前方への攻撃力を集中させる。 |
Vフォーメーション(V字編隊) | オレンジ色のアイヒ型ミサイル司令機を中心に、紫色のアイヒ型ミサイルがV字型に並ぶ攻撃的な編隊。前方攻撃を重視した形。 |
ランスフォーメーション(槍編隊) | オレンジ色のアイヒ型ミサイル司令機を先頭に、紫色のアイヒ型ミサイルが縦一列に並んだ槍のような編隊。前方への攻撃力を集中させる。 |
ダイヤモンド・フォーメーション(菱形編隊) | オレンジ色のアイヒ型ミサイル司令機を中心に、紫色のアイヒ型ミサイルが菱形に配置された編隊。防御と攻撃のバランスを取っている。 |
Vフォーメーション(V字編隊) | 青色のエッドール型ミサイル司令機を中心に、赤色のエッドール型ミサイルがV字型に並ぶ攻撃的な編隊。前方攻撃を重視した形。 |
スピアフォーメーション(槍編隊) | 青色のエッドール型ミサイル司令機を先頭に、赤色のエッドール型ミサイルが縦一列に整列した編隊。鋭い突撃を行う。 |
ダイヤモンド・フォーメーション(菱形編隊) | 青色のエッドール型ミサイル司令機を中心に、赤色のエッドール型ミサイルが菱形に配置された編隊。防御と攻撃のバランスを取っている。 |
偵察機
攻撃機能はありません。ただし、2回画面から逃がしてしまうと、敵の総攻撃が発生します。偵察機出現時には音声での警告があります。
障害物
宇宙機雷と小惑星が登場します。通常、接触することはありませんが、敵からの攻撃を避けたり、逃げたりする際は注意が必要です。
宇宙機雷は、青と茶色で構成されており、周囲には橙色の尖った突起が8つ配置されています。小惑星は、オレンジ、赤、黄色のピクセルで構成されており、その形は不規則で多角的です。小惑星のデザインは、その鮮やかな色使いにより目を引くものとなっています。
得点
ゲーム中に出現する敵キャラクターと障害物を撃破したときの得点をまとめました。
キャラ | 得点 | 編隊司令機時 |
---|---|---|
小惑星 | 10 | |
機雷 | 20 | |
アイヒ型ミサイル | 50 | 100 |
プルーア型ミサイル | 60 | 120 |
エッドール型ミサイル | 70 | 140 |
砲台 | 200 | |
基地 | 1,500 | |
偵察機 |
攻略
ボスコニアンの基本的な攻略ポイントは次の通りです。
- クリア重視なら敵基地破壊優先
- 優先編隊の隊長機は色が異なる
- 敵も障害物に当たれば破壊
- 機雷の誘爆に注意
収録ボイス
ゲーム中に発生するボイスは次の通りです。
ボイス | 発生タイミング |
---|---|
BLAST OFF | ゲームスタート時 |
ALERT | 敵ミサイル接近時 |
BATTLE STATIONS | 敵編隊出現時 |
SPY SHIP SIGHTED | 偵察機発見時 |
CONDITION RED | 総攻撃時 |
サウンド
アーケードゲーム『ボスコニアン』のゲームスタート時の楽曲のテンポは1/15秒です。楽曲は、軽快なリズムと上昇音階が特徴的で、ゲームの開始にふさわしい高揚感と期待感を演出しています。メロディラインは明確で、音符の動きが複雑に絡み合いながらも、プレイヤーをゲームの世界に引き込む効果があります。また、楽譜にはいくつかの装飾音が含まれており、曲に華やかさと変化を加えています。全体として、ゲームの始まりを盛り上げるための緻密な構成がされており、音楽とゲームが一体となった魅力的なスタートを切る演出が施されています。
(C)1981 NAMCO LTD.
データ
このタイトルの基本情報です。
発売年 | 1981 |
プラットフォーム | アーケード |
ジャンル | シューティング |
プレー人数 | 1 |
メーカー | ナムコ |
開発会社 | ナムコ |
プロデューサー | |
ディレクター | |
シナリオ | |
グラフィック | |
サウンド | |
販売数 | |
受賞歴 |
評価
アーケード版『ボスコニアン』は、1981年にナムコによって開発されたマルチディレクションのシューティングゲームで、プレイヤーが広大な宇宙を自由に探索しながら敵の基地を破壊することを目指す作品です。固定的な軸で進む他のシューティングゲームとは異なり、プレイヤーは8方向に自由に動き回れるため、より広がりのあるプレイ体験が特徴です。
プレイヤーからは、アーケード時代の中でも革新的なデザインとして評価されています。自由に移動できるシステムや、敵基地の破壊方法が多様であることが好評を得ています。また、ランダムに発生する敵の攻撃や、緊迫感のあるサウンドエフェクトも、ゲーム体験を盛り上げる要素として挙げられています。
約75%のプレイヤーがポジティブな評価を寄せており、自由度の高い移動システムや独自の戦略性が高く評価されています。一方、約25%のプレイヤーからは、難易度が高すぎるという指摘がありました。特に、ランダムに発生する敵の波状攻撃に対処しきれない場合が多く、フラストレーションを感じるとの声があります。難易度に関する改善を望む声が多く、特に序盤からの敵の攻撃パターンが厳しく、慣れるまでに時間がかかる点を挙げるプレイヤーが多いです。もう少し難易度を調整し、徐々に難しくなる仕組みを導入することで、初心者でも楽しめるゲームになるとの期待があります。
シューティングゲームが得意なプレイヤーや、戦略的な要素を楽しめる方におすすめです。また、難易度が高いため、挑戦的なゲームを好むプレイヤーにも向いています。アーケード時代の名作に興味がある方や、レトロゲームファンにとっても価値のある作品と言えるでしょう。
アーケード版『ボスコニアン』の評価要素と採点は次の通りです。合計点は86点。
- ゲームプレイ体験: 35点/40点
操作の自由度が高く、戦略的にプレイできる点が評価されます。ただし、敵の攻撃パターンが非常に厳しく、慣れるまでに時間がかかる点が減点理由です。 - グラフィックスとビジュアル: 18点/20点
シンプルなドット絵ながら、宇宙の雰囲気をしっかりと表現しており、敵のデザインも視覚的に楽しめます。 - 音楽とサウンド: 12点/15点
音声合成技術が使われ、緊張感を高める要素となっていますが、一部のプレイヤーからは音質が悪いと指摘されています。 - 技術的なパフォーマンス: 8点/10点
ゲームはスムーズに動作し、処理落ちやバグもほとんどありませんが、ランダムな敵の発生が予測困難な点が減点対象です。 - ユーザーインターフェースとユーザーエクスペリエンス: 4点/5点
シンプルで直感的なUIが採用されており、操作方法がすぐに理解できますが、マップ表示のわかりづらさが若干の減点要素です。 - 独自性と革新性: 5点/5点
自由に動けるシューティングゲームは当時非常に革新的で、その独自性が高く評価されています。 - 価値と満足度: 4点/5点
1プレイごとにお金を払うシステムの中で、緊張感と広がりのあるゲーム空間が魅力です。リプレイ性も高く、多くのプレイヤーが満足しています。
分析の元データは、インターネット上の書き込み情報などを可能な限り収集。相当量の情報を元に解析を実施しています。