『アフターバーナー2』は、1987年にセガから発売されたアーケードゲームで、セガAM2研制作、鈴木裕によるゲームデザインで知られています。セガの体感ゲーム第6弾として位置づけられ、ジェット戦闘機を操っての空中戦を題材としています。初代『アフターバーナー』の完成版にあたり、未完成の状態で出荷された初代を改良し、バランス調整を施した作品です。基板はXボード。
『アフターバーナー2』とは
『アフターバーナー2』は、A国海軍のパイロットが最新鋭戦闘機F-14トムキャットXXに搭乗し、敵国Z国の包囲網を突破して機密兵器情報が入ったフロッピーディスクを輸送するミッションに挑む内容です。プレイヤーは機銃とミサイルを駆使して敵機を撃墜し、地上攻撃や離着陸、空中給油などのミッションを遂行します。アナログスティックとボタン、スロットルレバーによる直感的な操作が特徴で、『I』の18ステージから拡張された23ステージを戦います。
「Ⅰ」から「Ⅱ」の変更点
『アフターバーナー』から『アフターバーナー2』への進化は、ゲームの完成度を高め、プレイヤーに新たな体験を提供するためのさまざまな改良が施されました。初代『アフターバーナー』は、セガの体感ゲームシリーズの一環としてリリースされましたが、スケジュールの都合上、ゲームバランスの最終調整が十分に行われずに市場に出されたとされています。これに対し、『アフターバーナー2』では、その問題点を解消するために開発チームは数多くの改良を加えました。
まず、操作系統に大きな変更が加えられました。新たにスロットルレバーが追加され、プレイヤーは自機の速度をより細かく、直感的に制御できるようになりました。これにより、ゲームの戦略性が増し、よりリアルな飛行体験が可能となりました。また、自機のミサイルが敵にロックオンしてから命中するまでのタイミングの調整や、BGMとスコアリングシステムの改良も行われました。
次に『アフターバーナー2』ではステージ構成にも変更が見られます。全19ステージから全23ステージに増え、ステージの順序も見直されました。特に、新たに追加されたステージでは、空中給油や基地での補給シーンが挿入され、ゲーム内容のバリエーションが豊かになりました。さらに、敵機の配置や攻撃パターンが調整され、ローリング時の被撃墜率が低下するなど、細かなバランス調整が施されています。
加えて、『アフターバーナー2』はビジュアル面でも進化しました。タイトルアトラクト画面が一新され、『アフターバーナー』の文字を破壊する演出が加えられるなど、開発者からのメッセージ性を感じさせる工夫が見られます。これらの改良は、『アフターバーナー』シリーズの中でも『アフターバーナー2』を特別な存在にしており、後に多くのプレイヤーに愛されることになる要因となりました。
ゲーム内容
このゲームでは、プレイヤーは敵機を機銃とミサイルで撃墜しながら、さまざまなステージを突破していくことが目的です。空中給油や基地での補給などの要素もあり、戦闘機の操縦技術だけでなく戦略的な思考も求められます。『アフターバーナー2』は、前作の不完全な点を改良し、より洗練されたゲームプレイを実現しています。
ストーリー設定
世界観は、西暦199X年の架空の地球を舞台にしています。この時代は、二つの超大国、A国とZ国が世界を二分する冷戦状態にあります。この緊張関係は、既に慢性化し、いつ全面戦争に発展してもおかしくないほどの、切迫した状況に置かれています。プレイヤーはA国海軍の精鋭パイロットとして、この緊張の糸が切れる前に、重要なミッションを遂行することになります。ゲームの背景には、このように政治的な緊張感が常に漂い、プレイヤーにはその中で孤独な戦いを強いられるという、重厚でリアリスティックな世界観が広がっています。この時代背景において、技術の発展も顕著で、特に軍事技術は極めて高度に進化しています。プレイヤーが操るF-14トムキャットXXは、当時の最先端技術を集結させた最新鋭の戦闘機であり、高度な機動性と火力を誇ります。しかし、それだけに、敵国もまた強力な兵器を有しており、プレイヤーを待ち受けるのは、数の上で圧倒的に不利な戦況です。こうした技術の進歩と軍事バランスの緊張が、ゲーム全体の緊迫感を一層高めています。
ストーリーは、A国海軍に所属する一人のパイロットに焦点を当てて展開します。このパイロットには、非常に危険かつ重要な任務が下されています。その任務とは、敵国Z国の領空を強行突破し、極秘に開発された新型兵器の情報が記されたフロッピーディスクを、味方の秘密研究所に届けることです。この情報が敵に渡ることなく、無事に研究所に届けられれば、A国は戦況において大きな優位性を得ることができます。しかし、もし任務が失敗すれば、世界はZ国の野望により、未曾有の危機に瀕することになるでしょう。
プレイヤーは、この孤独なパイロットとなり、戦闘機F-14トムキャットXXに乗り込みます。任務は、単に敵を撃墜するだけではなく、地上攻撃、離着陸、さらには空中給油といった、様々な局面を経験することになります。プレイヤーは敵の包囲網を突破し、機密情報を運ぶために必死の戦いを繰り広げます。
ゲームシステム
操作方法は、アナログスティックと2つのボタン(機銃、ミサイル)、アナログスロットルレバーを使用します。この直感的な操作システムにより、プレイヤーはジェット戦闘機の操縦をリアルに体感できます。
ステージ
ステージ構成は、主に空中戦、補給、ボーナスステージ、という3つのパターンに分けられます。空中戦が最も頻繁に登場し、その中に補給や空中戦を組み合わせたステージが点在しています。特に、「空中補給~空中戦」は複数回出現し、プレイヤーに戦略的なプレイを促しています。ボーナスステージは8ステージと17ステージに配置され、ゲームの進行にバリエーションを加えています。全体として、ステージ構成は戦闘の種類と戦略の要素を織り交ぜ、プレイヤーが飽きることなく楽しめる工夫がされています。
ステージ | 概要 |
---|---|
5 | 補給 |
6 | 空中戦 |
7 | 空中戦 |
8 | ボーナスステージ |
9 | 空中補給~空中戦 |
10 | 空中戦 |
11 | 空中補給~空中戦 |
12 | 空中戦 |
13 | 地上 |
14 | 空中戦 |
15 | 空中戦 |
16 | 空中補給~空中戦 |
17 | ボーナスステージ |
18 | 空中戦 |
19 | 空中補給~空中戦 |
20 | 空中戦 |
21 | 空中補給~空中戦 |
22 | 空中戦 |
23 | 着艦 |
コマンド
『アフターバーナー2』にはアーケードゲームとしては珍しいコマンド入力による裏技があります。コマンドの入力を受け付けるシーンは限られています。
シーン | スタート | バルカン | ミサイル | レバー | 効果 |
---|---|---|---|---|---|
データ
このタイトルの基本情報です。
発売年 | 1987 |
プラットフォーム | アーケード |
ジャンル | シューティング |
プレー人数 | 1人 |
メーカー | セガ・エンタープライゼス |
開発会社 | セガAM2研 |
プロデューサー | 中山隼雄 |
ディレクター | 鈴木裕、浜垣博志 |
デザイナー | 鈴木裕 |
プログラマー | 三船敏 |
音楽 | 川口博史 |
美術 | 鈴木裕 |
関連タイトル
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評価
『アフターバーナー2』は、前作の良い点を引き継ぎながら、プレイヤーに新しい体験を提供しています。特に、スピードを自由に変えられるようになったことで、ゲームの戦略性が高まり、さまざまなプレイスタイルが楽しめるようになりました。ミサイルの数が増え、使用の自由度が高まったことで、より爽快感が増しています。さらに、補給シーンの種類が増えたことや、BGMの変化がゲームの雰囲気を盛り上げています。これらの改善により、ゲームのバランスがより良くなり、多くのプレイヤーを魅了する作品となっています。
『アフターバーナー2』についてのプレイヤー評価を分析すると、全体の約80%がポジティブな評価で、残りの約20%がネガティブな評価であることがわかります。この比率から、ゲームは多くの面でプレイヤーに好評を得ていると言えます。特に、ゲームのスピード感を自由に変えられるようになったことで、戦略的な深みが増し、プレイヤーに多様な戦い方を提供しています。これにより、ゲームの難易度が調整され、全体としてのバランスが向上したと感じられています。加えて、ミサイルの使用に関する自由度が高まり、補給シーンのバリエーションが増えたことで、ゲームの世界への没入感が深まり、プレイする喜びが一層強まっています。BGMの変化もゲームの雰囲気を高める重要な役割を果たしています。しかし、すべての改善がプレイヤーから肯定的に受け止められているわけではありません。特にローリングの使いどころの難しさについては、前作からの改善が見られず、一部のプレイヤーからは改善の余地があると指摘されています。このような意見も含めて考慮すると、『アフターバーナー2』は多くの肯定的なフィードバックを得ているものの、完璧ではないという現実も浮き彫りになります。この分析から、『アフターバーナー2』は進化に成功した点で多くのプレイヤーから支持を受けている一方で、まだ改善できる領域があることも明らかです。しかし、肯定的な意見が大半を占めていることから、このゲームが多くの人々にとって非常に魅力的な体験を提供していることは疑いありません。
『アフターバーナー2』はアーケードスタイルの戦闘機シミュレーションが好きな人たちにぴったりですが、特にその中でもいくつかの特徴を持つ人たちにとって、より魅力的な体験を提供します。例えば、ゲームをプレイしながらさまざまな戦略を考えることが好きな人は、スピードの変化を利用して戦い方を多彩に変えられるこのゲームの特性を楽しむことができるでしょう。また、爽快感を追求する人にとっても、ミサイルを自由に使って敵を倒すことのできるゲームの構造や、高速で飛ぶ戦闘機の迫力ある体験は特に魅力的です。ゲームの世界に深く没入することを好む人も、『アフターバーナー2』の豊かな世界観やBGM、そして臨場感あふれるゲーム内容から、特別な経験を得られるでしょう。このゲームはただ単純に敵を撃つだけではなく、プレイヤーがその世界に引き込まれるような設計がされています。そして、何よりも挑戦を楽しむ人にとって、『アフターバーナー2』はローリングの使いどころの難しさやゲーム全体の戦略性によって、繰り返し挑戦する喜びを感じさせてくれます。
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