『スクランブルフォーメーション』は、1986年にタイトーからリリースされたアーケードゲームです。ジャンルは縦スクロール型のシューティングゲームで、プレイヤーは赤いプロペラ駆動の飛行機を操作し、東京の上空を飛行します。
『スクランブルフォーメーション』とは
このゲームは、謎の飛行物体に襲われた東京を舞台にしています。プレイヤーは最新鋭戦闘機「バイプレーン」を操り、捕らわれた仲間たちを助け、フォーメーションを組んで敵に立ち向かいます。ゲームは8方向ジョイスティックと2つのボタン(攻撃、チェンジ)で操作され、敵や敵弾に当たるとミスとなります。
ゲーム内容
プレイヤーはバイプレーンを操作し、赤い小型機を捕獲してフォーメーションを組みます。3種類のフォーメーションから選ぶことができ、それぞれ空中および地上の敵を効果的に攻撃します。ゲームは東京の主要地区を舞台に展開され、特定のポイントで巨大な母艦に直面します。
ストーリー設定
19XX年、突如として東京に巨大な隕石が落下しました。その隕石の落下と同時に、謎の飛行物体が東京を襲い、首都としての機能を停止させてしまいました。この事態に日本中は大パニックに陥り、日本政府は国連にSOSを発信しました。国連はこの危機に対応するため、米国とソ連が極秘に共同開発していた最新鋭の戦闘機「バイプレーン」の実戦投入を決定しました。この戦闘機は日本で最後の調整を終えたばかりでした。あなたは、捕らわれている仲間たちを救出する任務を担います。彼らを助け出し、フォーメーションを組んで敵に立ち向かい、東京に平和を取り戻すことが目的です。国会議事堂の地下深くにある格納庫から、あなたは「バイプレーン」を操り、勇敢に飛び立ちました。これからの戦いで、あなたと仲間たちの勇気が東京の運命を左右することになります。
ゲームシステム
『スクランブルフォーメーション』のゲームシステムを解説します。
操作方法
8方向ジョイスティックと2つのボタンを使用します。プレイヤーは自機「バイプレーン」を操作し、敵機を撃墜しながら進むループゲームです。敵や敵弾に自機が当たるとミスとなり、自機がすべて無くなるとゲームオーバーになります。
フォーメーションシステム
このゲームでは、敵を倒すことで「ミニプレーン」と呼ばれる僚機を獲得し、自機の編隊に加えることができます。赤い空中敵を倒すとミニプレーンが登場し、これを取ると自機の列機として加わります。最大で4機まで編隊に加えることが可能です。また、赤い地上敵を破壊すると、自動的に仲間機が4機増えます。仲間機が2機以上になると、フォーメーションを変更できるようになります。チェンジボタンを押すことで、以下の3種類のフォーメーションを選択できます。
フォーメーション | 概要 |
---|---|
F1 | 対地空両用フォーメーション。自機を先頭に縦一列に並び、地上と空中の両方を攻撃します。しかし、攻撃幅は狭く、弾数も少ないです。 |
F2 | 対空用フォーメーション。自機を頂点とした三角形編隊を組み、対空中弾を広範囲に発射しますが、地上の敵には効果がありません。 |
F3 | 対地用フォーメーション。自機を中心に取り囲むような編隊を組み、対地ミサイルを連射できますが、空中の敵には効果がありません。 |
僚機が敵や敵弾に当たると、エネルギー体に変わり、円軌道を描きながら敵を破壊し、敵弾を相殺します。2つのボタンを同時に押すことで、僚機をミサイルのように発射し、より大きな軌道で敵を攻撃することもできます。この場合、当たらなかった僚機は編隊に戻ります。僚機は5機目以降もストックされ、失われた場合や自機がミスになった際には、ストックから補充されます。ただし、自機がミスになると、その時の僚機は失われます。ゲーム中には、雲上シーンで敵大型戦艦が出現します。この戦艦の中央部にある3箇所の赤いエンジンを対地攻撃で破壊することで倒すことができます。ただし、射程を正確に合わせなければ破壊できません。また、味方機が3機以上ある場合の対地用フォーメーションでは、一撃で倒すことも可能です。
ゲーム画面
トップダウンビューのシューティングゲームです。画面上部にはプレイヤーのスコアが左寄りに「PLAYER1」として表示されており、その右側には現在のハイスコアが「HI-SCORE」として表示されています。ゲームの状態を示す他の要素として、「残機」が画面の左下にあります。プレイの機会を表す「CREDIT」が画面の右下に「CREDIT」として表示されています。背景には、都市の上空を飛ぶ自機が描かれており、細かいビルのデザインや、大きなスタジアムのような構造物が特徴的です。色使いはグレースケールに近く、モノクロームのパレットが使われていて、レトロ感あふれる雰囲気を醸し出しています。このゲームのデザイン要素は、ミニマリスティックだが情報を的確に伝えるための工夫が見られ、プレイヤーが必要な情報を迅速に理解できるようになっています。特に注目すべきは、ゲームのUI(ユーザーインターフェース)がゲームプレイの視界を妨げないように、画面の周辺に配置されている点です。
ステージ構成
このゲームでは、プレイヤーは東京上空を飛行し、様々なランドマークを巡ります。ステージは国会議事堂から始まり、赤坂、後楽園球場、代々木、新宿を経て、再び国会議事堂に戻ります。その後、銀座、赤坂、新宿、代々木を経由し、最終的に遊園地(または代々木)に到達します。各ランドマーク間は雲海で区切られており、プレイヤーはこれらのエリアを通過しながら進んでいきます。背景マップは航空写真を基に作成されており、当時の東京の風景が再現されています。ただし、使用された航空写真は少し古いもので、1986年当時の東京の正確な風景とは異なる部分があります。例えば、実際にはビルが建っている場所がゲーム中では空き地として描かれていることがあります。また、新宿や銀座にはゲーム内で巨大なクレーターが形成されており、これが特徴的な景観を作り出しています。初期バージョンではマップの最終部に遊園地が存在していましたが、後期バージョンや移植版ではこの遊園地が削除されています。
敵大型戦闘機
進行中、敵の大型戦闘機と雲の上で戦闘になります。有効な武器は、地上攻撃で機体の中央にある赤いエンジン部分をすべて破壊すると機能が停止します。
得点
特定の地上の敵をまとめて倒すと高得点を獲得できます。
特定の敵の撃破数 | 得点 |
---|---|
4 | 8,000 |
7 | 16,000 |
データ
このタイトルの基本情報です。
発売年 | 1986 |
プラットフォーム | アーケード |
ジャンル | シューティングゲーム |
プレー人数 | 1-2人 |
メーカー | タイトー |
開発会社 | |
プロデューサー | |
ディレクター | |
シナリオ | |
グラフィック | |
サウンド | |
販売数 | |
受賞歴 |
移植タイトル
『スクランブルフォーメーション』の移植タイトルです。
発売年 | プラットフォーム | タイトル | 発売 | 開発 |
---|---|---|---|---|
1987 | MSX2 | スクランブルフォーメーション | タイトー | タイトー |
2005 | PlayStation 2 | Taito Legends(ヨーロッパ版) | Empire Interactive | タイトー |
2005 | Xbox | Taito Legends(US版) | セガ | Empire Interactive |
2005 | Windows | Taito Legends | セガ | Atomic Planet |
2007 | PlayStation 2 | タイトーメモリーズII 上巻 | タイトー | タイトー |
2008 | PlayStation 2 | タイトーメモリーズII 上巻エターナルヒッツ | タイトー | タイトー |
2022 | イーグレットツー ミニ | スクランブルフォーメーション | タイトー | |
2023 | PlayStation 4 | スクランブルフォーメーション | ハムスター | タイトー |
2023 | Nintendo Switch | スクランブルフォーメーション | ハムスター | タイトー |
評価
『スクランブルフォーメーション』は、占拠された帝都・東京を解放することを目的としたアーケードゲームです。このゲームは、背景の描き込みにおいて特に評価されています。国会議事堂や後楽園球場、国立競技場など、東京のランドマークが丁寧に描かれており、この時代のゲームとしては高いクオリティを持っていると言えます。しかし、これらの背景はゲーム進行には直接関係がないため、プレイヤーのゲーム体験に大きな影響を与えるわけではありません。
ゲームシステムに関しては、他のシューティングゲームと異なる特徴を持っています。仲間機を加えることで様々なフォーメーションを選択できる点は、戦略的な楽しみを提供しています。特にF2フォーメーションは、空中の敵を広範囲で攻撃できるため、最もバランスが取れていると評価されています。しかし、各フォーメーションには長所と短所があり、プレイヤーによって好みが分かれる可能性があります。
難易度に関しては、自機のスピードが速くないため、地味に高いとの評価があります。中ボスのような敵爆撃が出現するものの、大きなボスは1体のみで、ザコ敵も印象に残るような特徴は少ないです。これにより、ゲームの緊張感や挑戦意欲を感じるプレイヤーと、単調さを感じるプレイヤーに分かれる可能性があります。
BGMについては、ノリが良く、クオリティが高いとの評価がありますが、一方でゲームとの単調さが指摘されています。これは、音楽がゲームプレイの雰囲気を盛り上げる一方で、ゲームの繰り返しによる単調さを際立たせてしまう可能性があることを意味しています。
総合的には、『スクランブルフォーメーション』は、背景の詳細な描写と独特のフォーメーションシステムが特徴の良作シューティングゲームです。おすすめのプレイヤー像としては、戦略的なプレイを楽しむことができ、ゲームの背景やBGMにも興味を持つことができるプレイヤーです。また、高い難易度に挑戦することを楽しむプレイヤーにも適しています。ですが、単調なゲームプレイや敵キャラクターの印象の薄さを気にするプレイヤーには、やや物足りないかもしれません。
分析の元データは、インターネット上の書き込み情報などを可能な限り収集。相当量の情報を元に解析を実施しています。