『新入社員とおるくん』は、1984年にコナミが開発・販売したアーケード向けアクションゲームです。
『新入社員とおるくん』とは
『新入社員とおるくん』は、コナミが1984年にリリースしたアクションゲームで、その独特な設定とゲーム内容で多くのファンを魅了しました。主人公の「とおるくん」が恋人の「みゆきちゃん」に会うために会社から抜け出すというストーリーは、他のゲームにはないユニークなコンセプトです。ゲーム内には多くの敵キャラクターやアイテムが登場します。
ゲーム内容
プレイヤーの目的は、「とおるくん」を操作して「みゆきちゃん」に会うために社内のハートを集め、ステージをクリアすることです。各ステージでは、敵キャラクターから逃れつつ、規定数のハートを集めると扉が開き、次のステージに進むことができます。全5ステージをクリアすると、みゆきちゃんの元にたどり着き、1周クリアとなります。2周目以降はステージ順が変わり、敵の動きも速くなるため、さらに難易度が上がります。
ストーリー設定
『新入社員とおるくん』の世界観は、「トウキョウショウジ」という架空の会社が舞台です。主人公の「とおるくん」は、新入社員として入社したばかりであり、恋人の「みゆきちゃん」とのデートの約束を果たすために会社から抜け出すことを試みます。ゲームの各ステージは、オフィス、更衣室、社員食堂、OLのオフィス(ダンススタジオ)、会社の前庭といった様々な社内環境で構成されています。プレイヤーは、悪山課長や同僚、先輩、掃除オジサン、コックさん、オールドミス、せかせか動くOL、ガードマンなど、多彩な敵キャラクターから逃れつつ、ハートを集めていきます。ステージをクリアするごとに、新たなチャレンジが待ち受けており、2周目以降はさらに難易度が上がります。とおるくんがみゆきちゃんの元にたどり着くまでの道のりは、一筋縄ではいかず、プレイヤーの技術と戦略が試されます。
ゲームシステム
『新入社員とおるくん』のゲームシステムは、4方向レバーと2つのボタンで操作します。レバーでキャラクターを移動させ、ボタンでドアの開閉や投擲アイテムの使用、頭突き攻撃を行います。
操作方法
操作方法はシンプルでありながら奥深いです。プレイヤーはレバーで「とおるくん」を上下左右に動かし、左ボタンでドアの開閉やアイテムを投げる際に使用します。右ボタンで頭突き攻撃が可能で、敵に当てると一定時間動きを封じることができます。ヒップアタックは、座っている社員を椅子から落とすために使用します。さらに、廊下のドアを開けて敵にぶつけるドアアタックや、通路にあるボールや肉を投げつけることで敵を足止めするアイテム投げ付けなど、多彩な攻撃方法があります。これらの操作を駆使して、ステージを攻略していきます。各ステージには異なる敵キャラクターが登場し、それぞれの行動パターンに合わせた戦略が求められます。例えば、悪山課長はプレイヤーを追いかけてくるため、椅子に座ることで一時的にかわすことができます。ステージが進むごとに敵のスピードや動きが複雑になり、2周目以降はさらに難易度が上がるため、プレイヤーのスキルが試されます。
攻撃方法 | 内容 |
---|---|
ヘッドバット | 敵が近づいてきた時にボタンを押すことで発動する攻撃です。敵に当たると一定時間動けなくなります。 |
ヒップアタック | 座っている社員を椅子から落とすために使用します。レバーを押すことで発動し、ハートを取る際に必要です。 |
ドアアタック | 廊下のドアを開けて敵にぶつける攻撃です。当たった敵は画面の左右端まで飛ばされます。 |
アイテム投げ付け | 通路にあるボールや肉を取った後、投げ付けることで行います。敵に当たると一定時間足止めすることができます。 |
ステージ構成
『新入社員とおるくん』は5つのステージで構成されています。ステージ1はオフィス、ステージ2は更衣室、ステージ3は社員食堂、ステージ4はOLのオフィス(ダンススタジオ)、ステージ5は会社の前庭です。各ステージでプレイヤーはハートを集め、敵キャラクターから逃れながら次のステージへ進みます。ステージごとに異なる敵キャラクターや障害物が登場し、2周目以降はステージ順が変わり、敵のスピードが上がるため、難易度が増します。
ステージ | 舞台 |
---|---|
ステージ1 | オフィス |
ステージ2 | 更衣室 |
ステージ3 | 社員食堂 |
ステージ4 | OLのオフィス(ダンススタジオ) |
ステージ5 | 会社の前庭 |
ステージ1 – オフィス
ステージ1では、プレイヤーはオフィス内で悪山課長や同僚・先輩から逃れながらハートを集めます。同僚や先輩は座っている椅子にハートを持っているため、ヒップアタックで椅子から落としてハートを取る必要があります。悪山課長はプレイヤーを追いかけてくるので、空いた椅子に座ってかわすことができますが、長時間座っているとファイルを投げてきます。ステージを長時間移動せずにいるとハリーアップ音が鳴り、敵の動きが速くなるため、迅速にハートを集めて扉を開け、次のステージへ進むことが重要です。
ステージ2 – 更衣室
ステージ2では、悪山課長や掃除オジサン、コックさんが登場します。ハートはガラスの器に入っており、3度ヘッドバットすることで取ることができます。掃除オジサンはモップで行く手を阻むため、タイミングよく避ける必要があります。コックさんは時々肉を投げてくるので、それを避けながらハートを集めます。このステージでは、カゴに入っているボールを利用して敵を足止めすることが攻略の鍵となります。
ステージ3 – 社員食堂
ステージ3では、悪山課長とコックさん2人が登場します。ハートは床に散らばっており、コックさんは時々肉を投げてくるため、注意が必要です。カゴに入っている肉を投げつけることでコックさんを足止めできるので、これをうまく利用してハートを集めます。悪山課長の動きを予測しながら、効率よくハートを集めて扉を開け、次のステージへ進みます。
ステージ4 – OLのオフィス(ダンススタジオ)
ステージ4では、悪山課長やオールドミス、せかせか動くOLが登場します。ハートは床に散らばっており、オールドミスはプレイヤーが近づくと追いかけてきます。せかせか動くOLは踊っているような動きをするだけですが、触れると一定時間動けなくなります。2周目以降はキックを仕掛けてくるため、さらに注意が必要です。効率よくハートを集め、敵の動きをよく見て避けながら次のステージへ進みます。
ステージ5 – 会社の前庭
ステージ5では、悪山課長は登場せず、代わりにガードマンが3人登場します。ガードマンは移動が遅いものの、攻撃を受けても早く回復します。ハートを集めながら、ガードマンの動きを予測して避けることが重要です。全てのハートを集めた後、みゆきちゃんの元にたどり着くことでステージクリアとなります。このステージをクリアすると1周クリアとなり、次は2周目に進みます。
敵キャラクターと攻撃方法
『新入社員とおるくん』には多彩な敵キャラクターが登場し、プレイヤーはそれぞれに応じた攻撃方法を駆使して攻略します。主な敵キャラクターには、悪山課長、同僚・先輩、掃除オジサン、コックさん、オールドミス、せかせか動くOL、ガードマンなどがいます。
悪山課長
悪山課長は、ステージ1から4に登場し、プレイヤーを追い掛けてくる主要な敵キャラクターです。彼はステージを移動し続け、プレイヤーが一定時間同じ場所に留まっていると動きが速くなります。特に、ハリーアップ音が鳴った後は、ヘッドバットを当てても一瞬ひるむだけで倒れなくなるため、非常に厄介です。ステージ1では、他の社員をヒップアタックで椅子から落として空いた椅子に座ることでかわすことができますが、長時間座っていると怒ってファイルを投げてきます。悪山課長は、時々疲れて休むこともあり、その間に逃げることが可能です。インストラクションカードのイラストではメガネをかけた中年風の姿ですが、ゲーム内では頭がハゲていてお腹が出ています。
同僚・先輩
同僚や先輩はステージ1に登場し、基本的にプレイヤーに直接攻撃をしません。しかし、ハートを取るには彼らをヒップアタックで椅子から落とす必要があります。落とした同僚は一時的に画面から消えますが、他の同僚を落とすと復活します。復活直後はしばらくぐったりした状態となり、再度ヒップアタックが効かなくなります。同じ席の同僚を2回以上落とすことが可能ですが、2回目以降は得点が入りません。また、ハリーアップ音が鳴った後や2周目以降、プレイヤーが画面上部にいるときに一斉に怒号を飛ばしてきます。
掃除オジサン
掃除オジサンはステージ2と通路に登場します。彼はモップを使ってプレイヤーの行く手を阻む役割を持っています。掃除オジサンに接触すると一定時間動けなくなります。彼の動きは比較的遅いため、うまくかわして通り抜けることができます。
コックさん
コックさんはステージ3に登場し、床にある肉を投げつけてプレイヤーの動きを封じることがあります。また、コックさんに肉を投げつけると、彼はその肉を食べ始め、一定時間動けなくなります。ステージ3ではコックさんが2人登場し、プレイヤーにとっては厄介な存在です。
オールドミス
オールドミスはステージ4に登場します。彼女はプレイヤーが近付いたときにのみ追い掛けてきますが、接触すると一定時間動きを封じられます。オールドミスの動きは比較的遅いので、適切なタイミングで回避することができます。
せかせか動くOL
せかせか動くOLはステージ4に登場し、踊っているような動きをします。彼女は直接攻撃はしてきませんが、触れると一定時間動きを封じられ、100点の得点が入ります。2周目以降はプレイヤーが近づくとキックを仕掛けてきますが、ミスにはなりません。
ガードマン
ガードマンはステージ5に登場します。彼は移動が遅いものの、攻撃を受けても他の敵よりも早く回復します。プレイヤーはガードマンから逃れつつ、ハートを集める必要があります。
パンチ(2周目以降はキック)
通路にて出てくる扉と次のステージへの扉以外の扉を開けると出現することがあります。当たると一定時間動けなくなります。
アイテム
『新入社員とおるくん』には複数のアイテムが登場します。ハートは集めることで扉が開き、ステージクリアに必要です。弁当やハンバーガーは取ると得点が入り、ボールや肉は敵に投げつけて一定時間足止めができます。金髪の女性はボーナスアイテムで、出現すると5,000点が入ります。これらのアイテムを活用することで、敵をかわしながらステージを進むことが可能です。
アイテム | 獲得点 | 効果 |
---|---|---|
ハート | 200点(大きい時は1,000点) | 集めることで部屋の扉が開き、ステージクリアに必要です。 |
弁当・ハンバーガー | 1,000点 | 取ると得点が入ります。 |
ボール・肉 | なし | 敵に投げつけることで一定時間足止めができます。 |
金髪の女性 | 5,000点 | ボーナスアイテムで、出現すると高得点が入ります。 |
データ
このタイトルの基本情報です。
発売年 | 1984 |
プラットフォーム | アーケード |
ジャンル | アクション |
プレー人数 | 1-2人(交互) |
メーカー | コナミ |
開発会社 | コナミ |
プロデューサー | |
ディレクター | |
シナリオ | |
グラフィック | |
サウンド | |
販売数 | |
受賞歴 |
関連タイトル
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評価
アーケードゲーム『新入社員とおるくん』のプレイヤー評価を総合すると、ユニークな設定とゲームプレイが強く印象に残る一方で、一部のゲーム要素に対する厳しい指摘も見られます。
このゲームの評価ポイントとしては、まずそのユニークな設定が挙げられます。会社を舞台にしたバイオレンス要素満載の内容は珍しく、強烈な印象を残しました。また、敵を誘導して倒す戦略性や、ハイスコアを狙うためのパターン化されない展開が評価されています。特に、ヘッドバットを使った攻撃は楽しく、スコア稼ぎのためにガンガン決める必要がある点がプレイヤーに好評でした。さらに、ステージ1とステージ4で流れるビートルズの楽曲アレンジが印象的で、音楽面でも楽しめる点が挙げられています。しかし、難易度の高さや操作の分かりづらさも指摘されています。ヘッドバットの当たり判定が非常に短く、操作が難しいため、熟練を要する点が難易度を高めています。また、レバーの横連打操作が分かりにくく、これに戸惑ったプレイヤーが多かったことが指摘されています。さらに、ヘッドバット後の硬直時間が長く、複数の敵に囲まれると対処が難しい点も問題視されています。
『新入社員とおるくん』は難易度の高さや操作の複雑さから、一部のプレイヤーにとっては敷居が高いゲームかもしれません。しかし、その分戦略性の高さやユニークな設定、楽しさが詰まっており、ハードコアなゲーマーやレトロゲーム愛好者には大いに楽しめる作品です。
分析の元データは、インターネット上の書き込み情報などを可能な限り収集。相当量の情報を元に解析を実施しています。