アーケード版『ティンクルピット』の魅力と攻略法

ティンクルピット

『ティンクルピット』は、ナムコ(現・バンダイナムコエンターテインメント)より1994年3月に発売されたアーケード向けアクションゲームです。使用基板は『F/A』や『コズモギャング・ザ・パズル』でも使用されたNA-1で、ディレクターは見城こうじ氏が担当しています。ナムコ創立40周年を記念して製作されたこのゲームには、『パックマン』や『ディグダグ』など過去のナムコ作品のキャラクターが多数登場する点が特徴です。また、一部のステージにはナムコゲームのタイトルや固有名詞が使われていることも大きな魅力です。

『ティンクルピット』とは

『ティンクルピット』は、ナムコの多くの人気キャラクターが登場するアーケードゲームで、過去の名作に触れながら新しいゲーム体験を提供する独自性が特徴です。プレイヤーは「ピット」(パティ)を操作し、鈴玉(ティンカーボール)やポップコーンを使って敵を倒して進んでいきます。迷路状のステージ構成や多様な敵キャラクターの追跡パターン、そして豊富なアイテムや隠れキャラクターなど、プレイヤーを飽きさせない工夫が随所に盛り込まれています。特にナムコ40周年を記念してのリリースということで、多くのファンにとっても注目されるタイトルとなりました。

ゲーム内容

『ティンクルピット』のゲーム内容は、プレイヤーがピット(パティ)を操作して、ステージ上の全ての敵を倒すことを目的としています。4方向レバーで移動し、Aボタンで鈴玉を置くことができ、Aボタンを押し続けて移動するとラインが引かれ、Aボタンを離すと鈴玉が戻ってくると同時にライン上の敵を一掃します。また、ポップコーンを拾ってBボタンで敵に投げることも可能です。各ステージには特定のテーマが設定されており、プレイヤーは様々な界域を進んで最終ボスを倒すことでエンディングを迎えます。

ストーリー設定

『ティンクルピット』の世界観は、ナムコの歴史とキャラクターに満ちたファンタジーです。プレイヤーは「ピット」(または「パティ」)を操作し、各界域に点在する敵を倒していく冒険に挑みます。各界域は、花と緑のブルブルーム、おもちゃのトイポップ、海のエメラルディア、お菓子のスイートショップなど、多彩なテーマで構成されており、ナムコの過去の作品を思い起こさせるデザインやキャラクターが随所に登場します。敵キャラクターも個性豊かで、プレイヤーを追いかける兵隊やプーカァ、炎を吹くファイガーなど、ナムコの他のゲームからのゲストキャラクターも多数登場します。ゲーム内では、鈴玉を使って敵を一掃する爽快感や、アイテムを駆使して進む戦略性が求められます。また、各ステージにはボーナスターゲットや隠れキャラクターが登場し、プレイヤーは高得点を目指して探し出す楽しみもあります。ゲームの最後には、プレイヤーの腕前が問われる最終ステージが待ち受けており、全ての敵を倒すことでエンディングを迎えます。このように、『ティンクルピット』はナムコ40周年を記念するにふさわしい、歴史とキャラクター愛に満ちた作品となっています。

ゲームシステム

『ティンクルピット』のゲームシステムは、4方向レバーでキャラクターを操作し、敵を倒して進んでいくシンプルかつ奥深いアクションゲームです。

操作方法

『ティンクルピット』の操作方法は非常にシンプルでありながら戦略的です。プレイヤーは4方向レバーを使ってピット(またはパティ)を自由に動かすことができます。Aボタンを押すと、ピットはその場に鈴玉(ティンカーボール)を置きます。Aボタンを押したまま移動すると、鈴玉を引きずり、線を引いていきます。Aボタンを離すと、鈴玉がその線を戻ってきて、道中の敵を一掃することができます。また、迷路内に落ちているポップコーンを拾うと、Bボタンでそれを敵に投げて攻撃することもできます。プレイヤーはステージ上の全ての敵を倒すことが目標です。各ステージは複数のラウンドに分かれており、最後のラウンドではボスが待ち受けています。各ラウンドをクリアすることで次の界域へと進み、最終的には全ての界域を制覇することが目的です。敵キャラクターには異なる追跡パターンがあり、プレイヤーはその動きを見極めながら戦略的に行動する必要があります。また、各ステージには隠れキャラクターやボーナスアイテムが配置されており、それらを全て集めることで高得点を狙うことができます。シンプルな操作ながらも、深い戦略性と爽快なアクションが楽しめるのが『ティンクルピット』の魅力です。

敵キャラクター

『ティンクルピット』には、多彩な敵キャラクターが登場します。各敵キャラクターは異なる追跡パターンを持ち、プレイヤーにとって異なる挑戦を提供します。例えば、兵隊はプレイヤーに向かって直線的に追いかけてくるタイプで、比較的動きが遅いですが、数が多いため注意が必要です。一方で、プーカァは時折怒り出し、速度が上がるとともに壁を抜けて移動するため、対応が難しくなります。また、ファイガーは炎を吹く攻撃を持ち、遠距離からの攻撃に注意しなければなりません。ムーニルはガラガラを投げて攻撃し、ティンボットはレーザーを放つなど、各キャラクターが異なる攻撃方法を持っています。さらに、ボスキャラクターとして登場する魔界王ダークプリンスは、永久パターン防止キャラとして無敵の力を持ち、プレイヤーを追い詰めます。これらの多様な敵キャラクターとの戦いを通じて、プレイヤーは自分のスキルを駆使し、戦略を練りながら進めていくことが求められます。

敵キャラクターの追跡タイプは4種類に分かれています。Aタイプは、プレイヤーまでの縦と横の距離をそれぞれ計算し、遠い方の座標を優先的に合わせて追跡してきます。Bタイプは、プレイヤーまでの縦と横の距離を計算し、近い方の座標を優先的に合わせて追いかけてきます。Cタイプは、プレイヤーに接近しようとしますが、岐路に来るたびにプレイヤーに最も近づける方向を選んで進むという動きです。そして、Dタイプは、基本的にはプレイヤーから遠ざかるように逃げますが、敵の残り数が少なくなり、Hurry UpモードになるとAタイプと同様にプレイヤーを積極的に追いかけるようになります。これらの追跡パターンは、敵キャラクターごとに設定されており、プレイヤーはそれぞれの動きを見極めながら戦略的に行動することが求められます。例えば、兵隊やプーカァはAタイプであり、プレイヤーに直線的に近づいてくるため、鈴玉やポップコーンを巧みに使って対処する必要があります。一方で、ファイガーはBタイプであり、プレイヤーに接近しながら炎を吹く攻撃を繰り出します。各タイプの敵を理解することで、より効率的にステージをクリアすることが可能です。

キャラクター追跡タイプ
兵隊Aタイプ
プーカァAタイプ
ファイガーBタイプ
ムーニルAタイプ
ティンボットCタイプ
パーチクAタイプ
ポピーナイトBタイプ
クリッパーAタイプ
スティンガーDタイプ
ポット&パラサイトAタイプ
モンスター(アカベー、ピンキー、アオスケ、グズタ)アカベー:Aタイプ、ピンキー:Bタイプ、アオスケ:Aタイプ、グズタ:ランダム
スパーキーライン上を走る
魔界王ダークプリンス永久パターン防止

ボーナス・ターゲット

『ティンクルピット』のボーナス・ターゲットは、各面で得点を大きく稼ぐための重要な要素です。ボーナス・ターゲットは1面につき最高8個出現し、大(1,500点)と小(500点)の2種類があります。面のスタート時には大が2個、小が1個配置されています。大のターゲットを取ると、画面上の小のターゲットが大に変身し、新たに小が1個追加で出現します。小のターゲットを取ると、さらに小が1個出現する仕組みです。このプロセスを繰り返し、8個全てを大ターゲットで取得すると、面クリア時にパーフェクトボーナスとして20,000点が加算されます。

また、1つの界域(4〜6ステージ)すべてでパーフェクトを達成し、ハイスコアランキングのトップ10に入ると、ネームとともにパーフェクトを取ったターゲット(例えば、第1界域ならリンゴ)が表示され、プレイヤーの栄誉を称えます。ターゲットの出現順序や位置は各ステージごとに決まっていますが、最初のターゲットを取る方向で順序が逆になることもあります。例えば、左または上から取れば設定通りの順番ですが、右または下から取ると順序が逆になります。

このシステムにより、プレイヤーは戦略的にターゲットを取得し、より高い得点を目指すことが求められます。パーフェクトボーナスを狙うことで、ゲームの難易度が上がるとともに、得点の大幅な増加が期待できるため、プレイヤーの挑戦心を刺激します。

出現アイテム

『ティンクルピット』には、プレイヤーをサポートする様々な出現アイテムがあります。特殊攻撃系アイテムは、敵を倒すやボーナスターゲットを取るなどでポイントが蓄積され、150ポイントに達すると次のラウンドで出現します。例えば、スピードアップアイテムはプレイヤーの移動速度を向上させ、2周目以降は5,000点で入手可能です。鈴玉スピードアップは、鈴玉の戻ってくる速度を速め、最大2段階のパワーアップが可能で、3個目以降は5,000点となります。ライン・パワーアップは、ライン上の敵を足止めできるショックウェイブを発生させ、3段階まで強化可能です。ポップコーンは、Bボタンで投げて敵を攻撃するアイテムで、倒した敵がランダムで落とすこともあります。他にも、トルネードやホーリィハレーション、ペンギンブリザードなどの強力なアイテムがあり、敵を一掃する効果があります。これらのアイテムは、ステージを攻略する上で非常に有用であり、戦略的に利用することで難易度の高い場面でも有利に進めることができます。

アイテム効果
スピードアッププレイヤーの歩行速度がアップします。2周目以降は5,000点で入手可能です。
鈴玉スピードアップ鈴玉の戻ってくる速度が速くなります。2段階にパワーアップ可能で、3個目以降は5,000点となります。
ライン・パワーアップラインを引くとショックウェイブが走り、ライン上の敵を足止めできます。3段階まで強化可能です。
ポップコーンBボタンで投げて敵に当てることができます。倒した敵がランダムで落とすこともあります。
ドル箱ボーナス得点アイテムです。ノーミスで取ることでスコアがアップします。
トルネードBボタンで投げ、ぶつけた敵を竜巻に巻き込んで倒すことができます。まとめて倒すと高得点が得られます。
ホーリィハレーション聖なる光で画面上の敵を消滅させるアイテムです。効力持続中は追加敵が出現しません。
ペンギンブリザードブリザードが吹き、画面上の敵を氷づけにして一掃します。効力持続中は追加敵が出現しません。
パックアタック一定時間、自分がパックマンに変身して敵を食べることができます。続けて食べると高得点が得られます。
ディグダグロック画面上方から無数の岩が降り、敵を押しつぶします。降っている間、自分は無敵です。
ボーナス・フラッグ初期配置敵を全て同時に倒すと出現するアイテムです。10,000点から始まり、連続で出現させると100,000点までアップします。
スペシャル・フラッグ点数が500,000点・1,000,000点に達すると次の面で出現します。1UPアイテムです。
隠れキャラクターゲーム中に特定の範囲を通過すると、ナムコのキャラクターが現れます。各面につき1つずつ出現します。

隠れキャラクター

『ティンクルピット』の隠れキャラクターは、ナムコの過去のゲーム作品から登場するキャラクターたちで、各面に1つずつ出現します。隠れキャラクターを見つけるには、ラウンド開始時のスコアに対応した特定のエリアを開始後4〜24秒以内に通過する必要があります。このタイミングで、万の位が縦のライン、千の位が横のラインとして計算され、その位置を通過すると16秒間隠れキャラクターが出現します。

隠れキャラクターを出現させると、ゲーム内で特別なボーナスを得られるわけではありませんが、すべての隠れキャラクターを出現させることがプレイヤーの目標となります。隠れキャラクターを出し逃すと、その面に出るはずだったキャラクターは次の面に持ち越されるため、全ての隠れキャラを一度に出すことはできません。

隠れキャラクター得点
カッパーコイン10点
シルバーコイン20点
ゴールドコイン30点
ミューキーズ50点
ベロベロ90点
レッドエイリアン100点
第3種族ZAKO100点
エッドール型ミサイル140点
モミジ160点
マシュリン200点
ストロベリー300点
カピ300点
モナリザ400点
グリーンフロッサー410点
ホブリン500点
金庫500点
ギャルボス800点
ニャームコ1,000点
タイトリアン2,000点
ベル3,000点
4,000点
モレック4,000点
5,000点
ギャラクシップ5,000点
スイカ6,000点
パケット10,000点
レインボーブロック20,000点
サンドラ30,000点
コズモ40,000点
ガム50,000点
司令部60,000点
70,000点
迷子80,000点
勾玉90,000点
ミル100,000点
レッドバロン150,000点
マイカー200,000点
アチャ250,000点
ソルバルウ300,000点
ご先祖様350,000点
リブルラブル400,000点
マッピー450,000点
ディグダグ500,000点
カイ600,000点
キング765,000点
ラッキーフラッグ1,000,000点

データ

このタイトルの基本情報です。

発売年1994
プラットフォームアーケード
ジャンルアクション
プレー人数1〜2人
メーカーナムコ
開発会社ナムコ
プロデューサー
ディレクター見城こうじ
シナリオ
グラフィック
サウンド
販売数
受賞歴

関連タイトル

このゲームの関連タイトルです。

評価

『ティンクルピット』は、ナムコが1994年にリリースしたアクションゲームですが、プレイヤーからの評価は非常に低いです。ポップな世界観やオールスターキャラクターの登場といった面白さを期待されましたが、実際のゲーム内容は期待を裏切る結果となっています。

このゲームにはポジティブな点もあります。ディグダグやトイポップのキャラクターが登場し、ステージデザインもお菓子の世界など、見た目の楽しさは評価されています。また、掃除機のコードから着想を得た攻撃方法など、ユニークなアイデアが見られます。しかし、基本アクションの操作性の悪さや、ボール攻撃の使いにくさが大きな問題点として挙げられています。ボール攻撃が直線的でなく、かつ1つで1体しか倒せず、すぐになくなるため実用性に欠けるという批判があります。また、ボス戦がやたらと硬く、戦闘がダルく感じられるという不満も多いです。さらに、対戦格闘ゲームブームの影響で、アーケードでプレイする機会が少なかったことも評価に影響しています。このゲームはナムコの40周年記念作品として注目されましたが、実際にはプレイヤーに広く遊ばれることなく、評価が低くなりました。

『ティンクルピット』はポジティブな評価が20%、ネガティブな評価が80%と、ネガティブな意見が圧倒的に多いです。それでも、ナムコのオールスターキャラクターが登場するため、ナムコの歴史やキャラクターに愛着のあるレトロゲームファンや、ユニークなゲームメカニクスを楽しみたい人には向いているかもしれません。また、レアなゲームタイトルとして収集したい人にも魅力的です。

総括すると、『ティンクルピット』はナムコの40周年記念作品として注目されたものの、プレイアビリティやゲームデザインの面で期待を下回る結果となりました。レトロゲームとしての価値はあるものの、実際のゲーム体験は操作性や戦闘の楽しさに欠けるという評価が多いです。それでも、ナムコファンやレアなゲームを探している人には一見の価値があるかもしれません。

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