アーケード版 『アールタイプ』

タイトルロゴ

『アールタイプ』は、1987年にアイレムから開発・発売された横スクロールシューティングゲームです。このゲームは、異次元空間のバイド帝国に立ち向かう地球の最後の希望、「R-9」戦闘機を操るというストーリーで、革新的な「波動砲」システムと「フォース」システムにより、当時のゲーム業界に大きな影響を与えました。

『アールタイプ』とは

『アールタイプ』は、8方向レバーと2つのボタンを使用する操作方法で、プレイヤーは様々な敵や障害物を避けながら進む必要があります。ゲームは全8ステージ構成で、2周目は敵の耐久力や速度が上がるなど、より高度な挑戦が求められます。独特のゲームシステムとして、「波動砲」と「フォース」という2つの要素があります。

ゲーム内容

プレイヤーは「R-9」戦闘機を操作し、異次元空間のバイド帝国と戦います。ゲームの目的は、全ステージをクリアすることです。特徴的なゲームメカニズムには、「波動砲」の発射や「フォース」という装置があります。波動砲は強力な兵器で、一定時間エネルギーを溜めることで強力な一撃を放つことができます。フォースは攻撃と防御の両方に利用できる装置で、敵の弾を防ぐほか、直接敵にダメージを与えることも可能です。プレイヤーは敵や敵の弾、地形にあたると自機を失います。全8ステージの2周構成。

ストーリー設定

『アールタイプ』のストーリーは、地球を脅かす異次元空間のバイド帝国に立ち向かうというものです。プレイヤーは、高度な技術を持つ「R-9」戦闘機を操り、帝国の侵略を阻止することが目的となります。

ゲームシステム

『アールタイプ』のゲームシステムを解説します。

ゲーム画面

プレイヤーのスコアは画面左下、ハイスコアは画面下中央、残機はスコアの上に表示されています。ハイスコアの上部には「BEAM」のゲージがあり、ショットボタンを長押ししたときにゲージが蓄積。波動砲を放つことができます。

操作方法

操作方法は8方向レバーと2つのボタンを使用します。ひとつのボタンは通常の射撃と「波動砲」の発射を、もうひとつは「フォース」の脱着を制御します。

8方向レバー移動
ボタン1 ショット
ボタン2 フォースの切り離し

波動砲

波動砲は、ショットボタンを押し続けてから放すことで発射されます。この攻撃は、通常弾の2倍から16倍の破壊力を持ち、耐久力の低い敵を貫通することが可能です。ミス後の復帰や弱点を頻繁に露出しない敵に対して、一撃で大ダメージを与えることができます。

装備

POWアーマーを倒すと6種類のユニットが出現します。反射・対空・対地3種類のレーザーユニットを取ると、後方から無敵の武器「フォース」が出現します。フォースはレーザーユニットを取るに従い3段階に変化し、攻撃力がアップします。フォースはボタンで制御可能。状況に応じて合体、分離させて戦います。その他、自動追尾する「ミサイル」、4段階に加速する「スピード」、2個まで付けられる援護ユニット「ビット」があります。

レーザーユニット

3種類のレーザーユニットがあり、それぞれ対空レーザー(赤)、反射レーザー(青)、対地レーザー(黄)と呼ばれます。各レーザーは排他的に選択され、最後に取得したレーザーユニットに対応するレーザーが発射されます。レーザーの種類によって発射方向や効果が異なり、戦略的な使用が求められます。

ユニット概要
対空レーザー(赤)フォース装着側の水平方向に二対発射される破壊力が高いレーザー。2段階目時は2連の短いレーザー、3段階目時にはサインカーブを描きながら水平方向に飛んでいく。フォースが2段階目以上の時に限り、ビットからも対空レーザーが発射される。
反射レーザー(青)地形接触で反射する細長いレーザー。水平方向と斜め上下の計3方向に発射され、3段階目だとレーザーが長くなる。水平方向のレーザーは180度、それ以外は90度屈折する。
対地レーザー(黄)地形表面を這うように進むレーザー。3段階目だとレーザーが長くなる。地形上の敵に対して絶大な効果を持つが、上下方向に発射されるために自機正面もしくは後方には発射されない。

その他のアイテム

『アールタイプ』に登場するアイテムには、自機のサポートを目的としたビット、敵を自動追尾する誘導ミサイル、そして自機の移動速度を向上させるスピードユニットがあります。

アイテム概要
ビット自機の上下に配置される支援装備。取得すると自機上部に装着され、さらに取得すると自機下部に装着される。スピードを3つ以上取得すると移動速度に追従できなくなる。フォースと同様に触れた敵にダメージを与え、対空レーザー装備時はフォース装着方向に対空レーザーを発射する。
誘導ミサイル敵を捕捉し自動追尾する2発のミサイルを発射する。攻撃力は高くない。
スピードユニット取得するごとに自機の移動速度が向上する。ミスしない限り向上したスピードを元に戻すことはできない。

ステージ構成

このゲームは、全8ステージ構成の2周クリアタイプです。

ステージ1 遭遇

異次元への突入口となる崩壊したスペースコロニーに突入します。中盤では囲み砲台のゴンドランが登場し、プレイヤーは復活ポイントを利用しながら進みます。

ボスは、ドブケラドプス。生物的なデザインが特徴で、本体の腹部付近から出現する顔が弱点です。長期戦になると、ボスのドブケラドプスが自機を圧死させるほど迫ってきます。

ステージ2 生体洞

生物的なテクスチャーが背景全体を覆っています。敵のデザインもステージ1のものとは異なり、より生物的な外見をしており、宇宙船や機械的な敵とは一線を画しています。オタマジャクシのようなウッキーの大群を抜けた後、無敵の巨大蛇インスルーを避けながら進みます。

ボスは、ゴマンダーです。複数の触手や部分を持ち、インスルーがゴマンダーの体内を出入りしています。弱点は、本体中央上部に時折出現する青色のコアです。ゴマンダーは、自ら攻撃することはありません。

ステージ3 巨大戦艦

プレイの開始時から巨大戦艦・グリーンインフェルノとの戦いとなります。巨大戦艦は、砲台やエンジンなどのパーツがあり、それぞれ自機の攻撃で破壊できます。

自機は、グリーンインフェルノの船底、後方エンジン部、船体のコアの順番に移動します。弱点は、赤色のコアです。

ステージ4 前線基地

ステージは、植物のような緑色のオブジェクトで覆われており、宇宙や機械的なデザインから一転して自然界の一部を思わせるデザインになっています。緑色のオブジェクトは破壊可能。

ボスは、コンバイラーです。大きな機械的な宇宙船で、赤、白、金のカラーリングが特徴的です。登場時は1体ですが、時間が経過すると3体に分離します。弱点は、3体とも黄緑色のコアです。

ステージ5 巣

背景は赤と黄色の色彩が支配的で、有機的なテクスチャが多用されています。生命体に満ちた環境が舞台です。巨大蛇のムーラが上下の茂みから出現します。

ボスは、ベルメイトです。登場時は、目を思わせる多数の細胞状の生物を身にまとっています。波動砲などの攻撃で、細胞状の生物を撃滅していくと、赤いコアを持った機械が出現。攻撃を与えると破壊することができます。

ステージ6 輸送システム

背景は複雑な配線やパネルがある敵の輸送システム内部を移動します。画面内の敵キャラクターは高速で移動するコンテナです。このステージは、コンテナの移動パターンを覚えることが攻略の近道です。

ステージの終点に到達すると、次々とコンテナが出現します。すべてのコンテナを撃破またはやり過ごせばクリアとなります。

ステージ7 ブロンク

背景は機械的な構造物で構成されていますが、環境が破壊されたり、何らかの生物に侵食されている様子が描かれています。

ボスは、ブロンクです。ステージの終点に到達すると、画面上部から次々と廃棄物が落ちてきます。自機が廃棄物にあたるとミス。ブロンクが画面の中央右端に出現したときに攻撃をあてて撃滅します。

ステージ8 バイド帝星

ステージは、邪悪な生命感にあふれています。敵は緑色の生命体と青色の渦です。

最終ボスはバイドです。バイドは画面中央右端で生命体の壁に守られています。時折、壁が開くことがあり、その時がチャンス。バイドに向かってフォースを打ち込みます。フォースが壁の内側に入れば、あとは時間の問題。

(C)1987 IREM SOFTWARE ENGINEERING INC.All Rights Reserved.

データ

このタイトルの基本情報です。

発売年1987
プラットフォームアーケード
ジャンルシューティング
プレー人数1-2人(交互)
メーカーアイレム
開発会社アイレム
プロデューサー
ディレクター
シナリオ
グラフィックAKIO、YOSHIGE
サウンド石崎正人
販売数
受賞歴

関連タイトル

リストは本サイトの更新順です。関連タイトルは10タイトルまで表示。リスト外のものは検索ボタンから探してください。

評価

『アールタイプ』は1987年にアイレムから発売されたアーケードゲームで、当時としては革新的なシステムや演出を取り入れたことで、多くのプレイヤーに強烈な印象を与えました。このゲームは、自機の前後に合体できる無敵(一部を除く)のフォース、溜め撃ちの波動砲、画面内に入りきらないほどの巨大な戦艦との戦いなど、それまでのアーケードゲームには見られなかった斬新さをウリに登場しました。

ポジティブな評価としては、その斬新なゲームシステムや、多彩なステージと特徴あるボスがプレイヤーを飽きさせない点が挙げられます。特に、溜め撃ちの波動砲や無敵のフォースなどのパワーアップシステムは、この時代のアーケードゲームに新たな風を吹き込みました。また、ステージごとに異なる特徴を持つボスや、生物的な面と機械的な面に分かれたステージデザインも、プレイヤーに強烈な印象を与えました。一方で、ネガティブな評価としては、難易度が高い点や、一部のステージでの操作性の難しさが挙げられるかもしれません。特に、初心者やアーケードゲームに慣れていないプレイヤーにとっては、ゲームの進行に苦労する可能性があります。また、現代のゲームに比べるとグラフィックやサウンドが古く感じられることも、一部のプレイヤーにとってはマイナスポイントになるかもしれません。

おすすめのプレイヤー像としては、レトロゲームやアーケードゲームに興味があるひと、挑戦的なゲーム内容を楽しめるひと、そしてゲームの歴史に触れてみたいひとに特におすすめです。『アールタイプ』は、ゲームデザインや演出面で多くの後続のゲームに影響を与えた作品であり、その革新性やゲームプレイの楽しさを体験することで、ゲームの歴史の一端を感じ取ることができるでしょう。

分析の元データは、インターネット上の書き込み情報などを可能な限り収集。相当量の情報を元に解析を実施しています。