アーケード版『イー・アル・カンフー』

『イー・アル・カンフー』

『イー・アル・カンフー』は、1985年にコナミからリリースされたアーケード用格闘ゲームです。このゲームは、対戦型格闘ゲームの草分けとして知られ、プレイヤーはカンフーの達人ウーロンを操作して、様々な武器や体術を駆使する敵と戦います。

『イー・アル・カンフー』とは

『イー・アル・カンフー』は、1レバー(8方向)と2ボタン(パンチ、キック)を使用する操作方式が特徴です。プレイヤーは主人公のウーロンを操り、16種類の異なる技を駆使して戦います。このゲームは、対戦型格闘ゲームの先駆けであり、対人戦ではなく、プレイヤーが交互にCPUと戦う形式を採用しています。また、敵キャラクターは11人おり、それぞれ独自の戦闘スタイルを持っています。

ゲーム内容

『イー・アル・カンフー』では、プレイヤーはウーロンを操作し、様々な敵と戦います。ゲームの目的は、各ステージの敵を倒し、最終的に王座杯で優勝することです。プレイヤーはレバーとボタンの組み合わせで様々な技を出し、敵の攻撃を回避しながら戦う必要があります。ノーダメージで敵を倒すと、パーフェクトボーナスが得られます。

ストーリー設定

『イー・アル・カンフー』のストーリーは、カンフーの達人だった父の無念を晴らすため、格闘大会「王座杯」で優勝を目指すウーロンの冒険を描いています。ウーロンは、父の遺言を胸に、厳しい修業を経て、ついに大会に挑むことになります。彼の前には11人の強敵が待ち受けています。すべての敵を倒すと、ゲームは2周目に突入します。敵キャラクターの攻撃がより激しくなり、プレイヤーにはさらなる挑戦が待ち受けています。

対戦相手特徴
Buchu色白の大男。複数の高度でフライングボディアタックを仕掛けてくる。大きいが動きは遅く、武器は使わない。
Starピンクの装束をまとったシニヨン頭の少女。手裏剣を使ってウーロンの足止めをしつつ、素早いキックで攻撃してくる。
Nuncha黄色い道着を着たヌンチャク使い。ヌンチャクで動きを封じてくる。また、一瞬だけ後方に小さく跳ねて回避することもある。
Pole背の低い棒術使い。頭上で棒を振り回しながらウーロンに攻撃してくる。
Feedle分身の術を使い左右から次々と現れる。攻撃が一発当たるとその分身を撃退でき、8体倒すと残りの分身も撤退する。技は全キャラクター中最少の2種類しかない。
Chain鉤付きの鎖で攻撃してくる大男。ウーロンが近づくとキックも繰り出す。
Club棍棒使いの大男。盾を使ってウーロンの攻撃を防いでくる。
Fanチャイナドレスを身に付けた女性で、Starよりも女性的な風貌。羽毛のように落下する、鉄製の扇を手裏剣のように投げてくる。
Sword中国刀使い。画面の端に追い詰められると何故か反対側にワープしてしまうことがある。
Tonfunトンファー使い。素早い動きで攻撃する。
Bluesウーロンが拳法着を脱いだような上半身裸のクンフー使い。素早い攻撃とジャンプキックを繰り出してくる。

ゲームシステム

『イー・アル・カンフー』のゲームシステムは、1対1の対決方式で、プレイヤーはウーロンを操作して戦います。ライフ制を採用しており、ライフが0になるとゲームオーバーです。攻撃はレバーの入力方向とボタンによって変化し、敵の行動パターンを読んで攻撃と回避を行うことが重要です。

操作方法

操作方法は1方向レバーと2つのボタンを使用します。レバーで移動し、ボタンで攻撃やジャンプを行います。

方向レバー移動
ボタン1 パンチ
ボタン2 キック

レバーとボタンの組み合わせで16種類の必殺技を繰り出すことができます。

必殺技名レバー方向ボタン
ジャンプ突き+パンチ
頭上突き右斜め上+パンチ
正拳突きA+パンチ
正拳突きB右斜め下+パンチ
足首狙い+パンチ
開脚突き左斜め下+パンチ
顔面狙い+パンチ
まわし突き左斜め上+パンチ
ジャンプ蹴り+キック
蹴り上げ右斜め上+キック
まわし蹴り+キック
足首狙い右斜め下+キック
足払い+キック
寝技蹴り左斜め下+キック
斜め上段蹴り+キック
旋風脚左斜め上+キック

データ

このタイトルの基本情報です。

発売年1985
プラットフォームアーケード
ジャンルアクション
プレー人数1-2人
メーカーコナミ
開発会社コナミ開発1課
プロデューサー
ディレクター
シナリオ
グラフィック
サウンド東野美紀
販売数
受賞歴

評価

『イー・アル・カンフー』は、その時代のゲームとしては革新的な要素を多く含んでおり、現代のゲームプレイヤーにとっても魅力的な作品です。本作の最大の特徴は、公平な条件下での1対1のタイマン勝負を基本としている点にあります。これは、現在の格闘ゲームにも通じる基本ルールであり、この時代においては驚異的な進歩でした。ゲーム内で登場するキャラクターは11名で、それぞれが独自の性能を持っています。この多様性は、プレイヤーに対して攻略の楽しみを提供し、長時間のプレイを可能にしています。また、ライフ残機制の採用により、上級者はノーダメージで敵を倒すことで大量のボーナスポイントを獲得し、長時間のプレイを楽しむことができます。しかし、このシステムは人気が低かったようです。操作性に関しては、一部の技で入力が中途半端であるという問題があります。特にレバー上方向の技では、攻撃判定の発生前にCPUが動いてしまい、空振りすることがあります。これは、レバー入力が優先される仕様によるもので、ボタンを先に押しながらレバー入力することで回避可能です。ゲーム性については、相手の行動パターンを見抜き、それに対応して自分の行動を変えることが重要です。この点では、格闘ゲームよりもアクションゲームのボス戦に近いと言えるでしょう。しかし、本作が後のゲームに与えた影響は大きく、格闘ゲームとアクションゲームの中間点に位置する本作は、現代においても稀有な存在感を放っています。

総合的に評価すると、『イー・アル・カンフー』は、公平な条件での対戦を楽しむことができ、個性的なキャラクターと戦略的なゲームプレイを求めるプレーヤーにおすすめです。特に、格闘ゲームの歴史に興味があるプレーヤーや、パターンを見極めて攻略することに喜びを感じるプレーヤーには、非常に魅力的なゲームであると言えるでしょう。また、レトロゲームのファンにとっても、その時代を代表する作品としての価値が高いです。操作性に少し慣れが必要ですが、それを乗り越えれば、長時間の楽しいプレイが期待できるでしょう。

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