『ドンキーコング』は、1981年に任天堂によって開発されたアーケードゲームです。このゲームは、ジャンプや様々な障害物を越えながら、建設現場を登り、巨大なゴリラ「ドンキーコング」からレディを救出するというものです。マリオの初登場作品。
『ドンキーコング』とは
『ドンキーコング』は、ビデオゲームデザイナー宮本茂氏のデビュー作で、ゲームのシナリオとデザインを任天堂の主任エンジニア横井軍平氏と共に開発しました。彼らはキャラクターを用いたストーリーテリングを導入し、カットシーンを用いて物語を進展させるという、当時としては革新的なアプローチを取り入れました。
1981年発売のアーケード版『ドンキーコング』のシリーズは3部作構成です。
ゲーム内容
プレイヤーは自機(マリオ)を操作し、様々な障害物を乗り越え、レディを救出することが目的です。ゲームには4つのユニークなステージがあり、それぞれ特徴があります。例えば、最初のステージでは、マリオが建設現場を登りながら、ドンキーコングが投げるタルを避ける必要があります。各ステージをクリアすることで物語が進み、レディを救出することができます。
ストーリー設定
このゲームはニューヨーク市の建設現場を舞台にしており、主人公の大工(後のマリオ)が恋人レディを誘拐したドンキーコングから救出するストーリーです。
プレイヤー
プレイヤーは主人公キャラクターの自機(後の「マリオ」)を操作します。ドンキーコングにさらわれた恋人のレディを救出するのが目的です。続編『ドンキーコングJR.』で「マリオ」と名付けられ、この名前が後にファミコン版にも反映されました。
ドンキーコング
本ゲームの敵役で、巨体のゴリラです。元々は主人公のペットでしたが、主人公をからかうために彼の恋人をさらい、工事中のビルに逃げ込みました。ゲーム内では主人公を妨害するためにタルを投げます。
レディ
レディは主人公の恋人で、ドンキーコングにさらわれます。50m以降の各ステージでバッグ、帽子、傘を落としていきます。当初は日本版・欧米版ともに「レディ」と呼ばれていましたが、アメリカのアニメで「ポリーン」という名前が与えられ、後にこの名前が欧米版のNES版にも反映されました。日本では「ポリーン」の名前が正式に使用されるのは1994年のゲームボーイ版『ドンキーコング』以降です。
ゲームシステム
『ドンキーコング』のゲームシステムを解説します。
ゲーム画面
画面の上部には、プレイヤーの現在のスコアと、ゲーム内で記録されている最高スコアを表示しています。プレーヤーのスコアの下付近には、残機をアイコンとして表示。右上にはレベル表示があり、これは現在のレベルを示しています。また、レベル表示の下にはボーナスポイントを示しており、時間内にクリアすると得られる追加ポイントです。画面の上部には、レディが囚われの姿で表示されています。レベル内にあるハンマーをとれば、一定時間、敵をハンマーで撃滅できます。
操作方法
操作方法は、方向レバーとジャンプボタンを使用します。プレイヤーはマリオを操り、障害物を避けたり、先に進んだりするためにジャンプを行います。ハンマーを使って敵を破壊することもできます。
得点
得点の仕組みは、制限時間に密接に関連しています。ゲーム開始時、プレイヤーは一定の制限時間スコアを持ち、時間が経過するにつれて100点ずつ減少します。しかし、周回ごとに時間の減少ペースが速くなり、実際の制限時間が短くなります。例えば、最初の周回では開始時5,000点で、2秒弱のペースで減少しますが、2周目では開始時6,000点で約1.5秒ペース、3周目では7,000点で1秒強ペース、4周目以降は8,000点で1秒ペースです。ただし、25mステージだけは約1.5秒ペースで減少します。
ステージ
『ドンキーコング』のステージは25mから始まり、50m、75m、100mの4面を順にクリアするループ制です。各ステージには特定のクリア条件があり、制限時間内に完了しないとミスになります。ステージごとに敵の攻撃が激しくなり、5周目が最高難易度となります。
25m
最初のステージです。このステージでは、斜めに配置された鉄骨を登り、上部にいるレディの元へと向かいます。途中、ドンキーコングが投げる樽や炎に注意しながら、梯子を駆け上がる必要があります。
障害物を上手く避けつつ、画面上部にあるレディの位置まで到達することが目標です。プレイヤーは樽や敵に触れたり、落下することなく迅速に動かなければなりません。
50m
ステージは、ベルトコンベアーのある工事現場です。このステージの目標は、一番上のベルトコンベアーに到達することです。
このステージには動くベルトコンベアーが複数あり、それらを慎重に渡りながら上に進まなければなりません。また、ドンキーコングが投げる火の玉やその他の障害物にも注意が必要です。
75m
エレベーターと動く床があります。エレベーターを使いながら上部へと進む必要があります。このステージでは、エレベーターの動きを正確に読み取り、ジャンプで障害物を避けながら上を目指します。動く床やドンキーコングが放つ弾丸など、様々な障害物がプレイヤーの進行を妨げます。
レディのいる最上部へと到達する必要があります。
100m
100mステージは、最終ステージであり、ドンキーコングを倒すために全ての鉄骨のビスを抜くことが目的です。
このステージでは、ドンキーコングに向かって進み、途中のビスを抜いていきます。
ビスを全て抜くことで、ドンキーコングは最上段から落下。レディと再会できます。
敵キャラクター
タル
25mステージで登場するタルは、ドンキーコングが転がす主な障害物です。通常の茶色いタルと青色の火薬樽の2種類があります。最初のタルは必ず火薬樽で、その後は8個ごとに火薬樽が登場します。タルは坂道に沿って転がり、ジャンプで飛び越えると点数が獲得できます(1個は100点、2個いっぺんに飛び越すと300点、3個では800点獲得)。通常のタルは特定の位置で逆方向に向かい、画面外へと消えます。
ひのこ
ひのこは25mから75mのステージに出現します。25mでは火薬樽がOIL缶と衝突するごとに、50mでは焼却炉から最大5体、75mでは定位置から2体が出現します。ランダムに動くひのこはジャンプで避けることができます。ハンマーを取るとひのこの色が青く変わります。
セメント
50mステージのベルトコンベア上で流れるセメントをジャンプで飛び越えることはできません。ベルトコンベアの進行方向は一定時間で反転するため、その点に注意が必要です。
ジャッキ
75mステージで出現するジャッキは、ドンキーコングの左側から出現し、右側で跳ねながら落下します。レベル5以降ではジャッキの出現位置を見極めることが重要で、クリアの成否に影響を及ぼします。
おじゃま虫
100mステージに最大5体出現するおじゃま虫は、ジャンプで飛び越えることはできますが、移動パターンが予測しづらいため高難易度です。
ビス
100mステージには8本のビスが存在し、プレイヤーが通過することでビスが外れ、穴が開きます。ビスが外れた箇所はおじゃま虫が通過できず、プレイヤーもジャンプで越えないと落下してミスになります。このビスを全て外すとステージクリアとなります。
© 1981 Nintendo
データ
このタイトルの基本情報です。
発売年 | 1981 |
プラットフォーム | アーケード |
ジャンル | アクション |
プレー人数 | 1-2人(交互) |
メーカー | 任天堂 |
開発会社 | 任天堂 |
プロデューサー | 横井軍平 |
ディレクター | 宮本茂 |
シナリオ | 宮本茂 |
グラフィック | 宮本茂 |
サウンド | 兼岡行男、田中宏和 |
販売数 | |
受賞歴 |
評価
『ドンキーコング』の評価について、アーケード版は1998年のゲーメストムック『ザ・ベストゲーム2』で「マリオのキャラクター性があることと、しっかりした目的を持たせた上にしっかりしたアクションをすることが、それまでなかったため大ヒットすることとなった」と評されています。このコメントは、ゲームの革新性とキャラクターデザインの強さを強調しています。
総合的に見ると、『ドンキーコング』はレトロゲームとしての価値が高く、キャラクターデザインの魅力と革新的なゲームシステムにより高い評価を受けています。おすすめのプレイヤー像としては、レトロゲームやアーケードゲームの歴史に興味がある方、ゲームデザインの革新性やキャラクター開発の歴史に関心がある方に適しています。
分析の元データは、インターネット上の書き込み情報などを可能な限り収集。相当量の情報を元に解析を実施しています。