CPシステム(シーピーシステム)は、1988年に『ロストワールド』とともに出荷されたカプコン開発のアーケードゲーム用基板です。『ストリートファイター2』の大ヒットにより、この基板は広く普及しました。「CPシステム1」と呼ばれることもあります。
特徴
『CPシステム』の特徴は、コンセプトや販売方法などに表れています。
ソフトウェアの交換方法
一般的なシステムボードでは、ゲームソフトの交換の際にROM ICキットを基板上のICソケットに挿入して使用します。しかし、CPシステムは異なります。新しいタイトルを購入するとき、旧タイトルを定額で下取りするか、システムボード全体をカプコンのサービス部門に送り、ソフトウェアの交換を依頼します。この方法は、初期の導入コストを高くする代わりに、新しいソフトウェアへの更新の際のコストを抑えることを目的としています。
セキュリティ対策
CPシステムは、ユーザーがEP-ROMを単純にコピーするだけでは動作しないように設計されています。ゲームごとに異なるセキュリティ基板を更新することで、海賊版の制作を防ぐ取り組みを行っています。
画面仕様
家庭用ゲーム機への移植を考慮し、横画面での使用が主流です。このため、X方向のピクセル数が多く、ゲームの表示画面は縦長のピクセルで構成されています。この特徴はCPシステム2にも引き継がれています。
複数のバリエーション
CPシステムは、主に3つのバージョンがリリースされました。最も一般的なのは「CPシステム(システムボード版)」で、このバージョンではゲームソフトを変更することができます。また、「CPシステム(Qサウンド版)」は、音楽と音声の再生にQサウンドチップセットを使用しています。最後に、「CPSチェンジャー」は、家庭用として販売され、各種インターフェース部と専用ACアダプターで構成されています。
スペック
- メインCPU:モトローラ 68000 @ 10MHz/12MHz (DASH以降)
- サウンドCPU:ZiLOG Z80 @ 4MHz
- サウンドチップ:ヤマハ YM2151 @ 3.57958MHz+沖電気 MSM6295 @ 7.576kHz
- 最大色数:4,096色(12ビットRGB)
- タイル当たりの色数:16色
- スクロール面:3
- 解像度:384×224
対応タイトル
発売年 | タイトル |
---|---|
1988年 | ロストワールド |
1988年 | 大魔界村 |
1989年 | ストライダー飛竜 |
1989年 | 天地を喰らう |
1989年 | ウィロー |
1989年 | エリア88 |
1989年 | ファイナルファイト |
1990年 | 1941 |
1990年 | 戦場の狼2 |
1990年 | チキチキボーイズ |
1990年 | マジックソード |
1990年 | U.S.NAVY |
1990年 | ニモ |
1991年 | ストリートファイター2 |
1991年 | ワンダー3 |
1991年 | ザ・キングオブドラゴンズ |
1991年 | キャプテンコマンドー |
1992年 | ナイツ オブ ザ ラウンド |
1992年 | ストリートファイター2ダッシュ |
1992年 | バース -オペレーションサンダーストーム- |
1992年 | アドベンチャークイズカプコンワールド2 |
1992年 | 天地を喰らう2 赤壁の戦い |
1992年 | ストリートファイター2ダッシュターボ |
1993年 | キャディラックス 恐竜新世紀 |
1993年 | パニッシャー |
1993年 | マッスルボマー |
1993年 | マッスルボマーDUO |
1994年 | ぷにっきいず |
1994年 | クイズ&ドラゴンズ |
1995年 | クイズ 殿様の野望2 全国版 |
1995年 | パン!3 -怪盗たちの華麗な午後 |
1995年 | ロックマン・ザ・パワーバトル |