『ラスタースキャン』は、ビデオゲームの画像表示において基本的な技術です。この技術は、画面を構成する一連の水平線(走査線)を、上から下へと順番に描画する方法です。各走査線は、左から右へと点を描きながら進み、一行終わるごとに次の行へ移動します。このプロセスは非常に高速で行われ、人間の目には連続した画像として認識されます。
ビデオゲームでは、ラスタースキャンは画面のリフレッシュレートと密接に関連しています。リフレッシュレートとは、画面が1秒間に何回更新されるかを示す数値で、通常はヘルツ(Hz)で表されます。例えば、60Hzのリフレッシュレートでは、画面は1秒間に60回全ての走査線を描画します。この高速な更新により、動きのある画像もスムーズに表示されるのです。ラスタースキャンのもうひとつの重要な特徴は、画像の解像度との関係です。解像度は、画面上に表示される総ピクセル数を意味し、一般に横×縦の形式で表されます。ラスタースキャンでは、各走査線が画面の横方向の解像度に対応し、縦方向の解像度は走査線の総数で決まります。したがって、高解像度の画像を表示するには、より多くの走査線が必要となります。
ビデオゲームのグラフィックスにおいては、ラスタースキャンは色の表現にも影響を与えます。各ピクセルは、特定の色を持ち、これらの色の組み合わせによって詳細な画像が作成されます。ラスタースキャン方式では、各走査線上のピクセルが個別に色を割り当てられ、これにより豊かな色彩のゲーム画面が実現されます。また、ビデオゲームでは、特に古いゲーム機やアーケードゲームで、ラスタースキャンの特性を利用した技術が見られます。例えば、スプライト技術では、ラスタースキャンの各走査線に合わせて、キャラクターやオブジェクトの画像を動的に描画することで、リソースを節約しながら効果的なアニメーションを実現しています。
最後に、ラスタースキャンはインターレースとプログレッシブスキャンの2種類の方式があります。インターレース方式では、画面の更新時に偶数行と奇数行を交互に描画し、プログレッシブスキャンでは全ての行を順番に描画します。ビデオゲームでは、これらの方式が画像の品質や表示速度に影響を与えるため、ゲームの種類や目的に応じて適切な方式が選ばれます。