『ザ・スーパー忍』は1989年にメガドライブで発売されたアクションゲームです。セガ・マークIIIの後継機として登場したメガドライブの初期において、その素晴らしい作品性で注目を集めました。アーケード版『忍』のヒットを受けて制作された本作は、ゲームシステムを一新し、ライフ制の導入や「八双飛び」などの新アクションを追加することで、家庭用ゲームとしての面白さを追求しました。忍術のシステムも多様化され、戦略性が増しました。高難易度ながらも、繰り返しプレイすることで攻略が可能な計算し尽くされたゲームバランスが特徴です。
ゲーム内容
プレイヤーは主人公のジョー・ムサシを操作します。このゲームの目的は、悪の組織NEO ZEEDによってさらわれた許婚ナオコを救出することです。プレイヤーは、様々なステージを進みながら敵を倒し、最終的にNEO ZEEDを壊滅させる必要があります。操作系では、「八双飛び」という二段ジャンプや「八双手裏剣」という特技を駆使して、敵に対抗します。さらに、効果が異なる4種類の忍術を選択することで、戦略性の高いアクションを楽しむことができます。
ストーリー設定
物語は、悪の組織ZEEDを壊滅させた後、3年が経過した世界を舞台にしています。主人公のジョー・ムサシは、再び蘇った悪の組織NEO ZEEDによって襲撃された忍の里の仇を討つため、そしてさらわれた許婚ナオコを救出するために、再び戦いに身を投じます。このストーリーは、正義と悪の永遠の戦いを描きながら、忍者としての使命と愛する人を守るための決意を強調しています。そして、古代祐三氏によるサウンドトラックは、ゲームの雰囲気を高め、メガドライブの可能性を最大限に引き出したと言えるでしょう。この音楽は、テクノやハウスミュージックの要素を取り入れた新しいスタイルで、『ザ・スーパー忍』のアクションを一層盛り上げています。
ゲームシステム
プレイヤーは主人公ジョー・ムサシを操作し、悪の組織NEO ZEEDを倒すために戦います。本作の最大の特徴は、アーケード版から家庭用ゲーム機への移行に伴い、ゲームシステムが大幅に見直されたことにあります。特に注目すべきは、ライフ制への変更です。アーケード版の「一発死」から変更され、プレイヤーはより長い時間ゲームを楽しむことができるようになりました。この変更は、家庭用ゲーム機の特性を考慮したものであり、ゲームの難易度を調整し、より幅広い層に受け入れられるようにした重要なポイントです。
操作方法
操作系においても革新が見られます。「八双飛び」という二段ジャンプが導入され、その最中に攻撃を行うと「八双手裏剣」という技を発動できます。この技は、忍者らしい華麗な動きとともに、ゲームプレイに新たな戦略的要素をもたらしました。ジャンプのバリエーションが増えたことで、ステージのアスレチック性が高まり、プレイヤーにはより多様なアプローチが求められるようになりました。
エクステンド
エクステンド機能については、プレイヤーがゲーム内でスコアを積み重ねることにより、様々なボーナスが与えられるシステムです。具体的には、スコアが一定のポイントに達するごとに、プレイヤーの残り数が増える「1UP」や、ライフメーターの最大値が増加するなどの報酬があります。たとえば、スコアが5万、15万、25万ポイントごとに残りプレイヤー数が1UPし、10万、20万、30万、40万ポイントごとにライフメーターの最大値が2目盛り増えます。これにより、プレイヤーはより長くゲームを楽しむことができ、高いスコアを目指すモチベーションにも繋がります。また、アイテムボックスの破壊や隠しアイテムの発見によるスコア加算も、このエクステンドシステムを有効活用するための鍵となります。
忍術
忍術のシステムも大きな特徴のひとつです。プレイヤーは、効果が異なる4種類の忍術から選択し使用することができます。これにより、ゲームの戦略性が大きく向上し、プレイヤーは各ステージの状況に応じて適切な忍術を選択する必要があります。特に「微塵の術」は、自身を犠牲にしてでも敵を倒すという、アクションゲームとしては珍しいアイデアを取り入れており、プレイヤーに新たな選択肢を提供しています。
攻撃方法 | 通常時 | POW時 |
---|---|---|
手裏剣 | 1 | 3 |
近接攻撃 | 1 | 3 |
火龍の術 | 4 | 4 |
微塵の術 | 8 | 8 |
難易度
『ザ・スーパー忍』はその難易度の高さで知られていますが、ゲームバランスは非常によく計算されており、敵の配置やボスの攻撃パターンを覚えることで攻略が可能です。また、手裏剣のストックや忍術の使用による「救済措置」が用意されており、初心者から上級者まで幅広いプレイヤーが楽しめる設計になっています。
難易度 | 残機 | クレジット | 被ダメージ |
---|---|---|---|
EASY | 9 | 3 | ×1 |
NORMAL | 2 | 3 | ×1 |
HARD | 0 | 3 | ×1 |
HARDEST | 0 | 3 | ×2 |
得点システム
『ザ・スーパー忍』における得点システムは、プレイヤーがゲームを進める上で重要な役割を果たします。このシステムは、プレイヤーの技術や戦略に応じて得点を加算することで、ゲームの魅力を一層引き立てています。
まず、アイテムボックスを壊すことでスコアに100点が加算されます。これは、ステージ上に配置されているアイテムボックスを攻撃することで実現でき、プレイヤーに探索の楽しみと共に、積極的にステージを進める動機を提供します。さらに、隠しアイテムを出現させることができれば、スコアには3,000点が加算されるという高得点が得られます。隠しアイテムの出現は、特定の条件を満たすか、または特定の場所で特定のアクションを行うことで実現されるため、プレイヤーに探究心と発見の喜びを促します。
ラウンドクリア時には、さまざまなボーナスが得られます。クリアボーナスは、残っているライフの目盛数に応じて1,000点が乗算され、完璧な状態(ライフが最大値)でクリアすると、10,000点のパーフェクトボーナスが加算されます。また、忍術の残り回数に応じて、1回につき10,000点が加算されるテクニカルボーナスがあり、これはプレイヤーの技術的な側面を評価するものです。さらに、シークレットボーナスは、クリア時の手裏剣の数が残りプレイヤー数の11倍になっていると得られるもので、非常に高得点を狙う上での隠れた要素となっています。
ステージ構成
様々なステージを潜り抜けるアクションゲームです。ROUND 1ではからくり屋敷を舞台にブルーロブスターと戦います。ROUND 2では滝と倉庫街でシャドウダンサーが待ち受け、ROUND 3では軍事基地と輸送機内で生体コンピュータが敵として登場します。ROUND 4のスクラップ処理場と工場ではハルクレスがボスです。ROUND 5の高層ビルと道路ではミサイル輸送車に挑みます。ROUND 6のチャイナタウンと地下鉄ではメタモルフォーマーが、ROUND 7の波止場と船内ではモンスターGがボスとして登場。最終ステージのROUND 8では秘密基地の入り口と内部でマスクド忍者との戦いが待っています。
ROUND | シーン | ボス |
---|---|---|
ROUND 1 | からくり屋敷 | ブルーロブスター |
ROUND 2 | 滝、倉庫街 | シャドウダンサー |
ROUND 3 | 軍事基地、輸送機内 | 生体コンピュータ |
ROUND 4 | スクラップ処理場、工場 | ハルクレス |
ROUND 5 | 高層ビル、道路 | ミサイル輸送車 |
ROUND 6 | チャイナタウン、地下鉄 | メタモルフォーマー |
ROUND 7 | 波止場、船内 | モンスターG |
ROUND 8 | 秘密基地入り口、秘密基地 | マスクド忍者 |
ROUND 1のボス戦では、ブルーロブスターという敵に直面します。この敵は、頭部、特に兜が弱点となっています。しかし、顔に向かって手裏剣を投げても弾き返されてしまうため、通常の攻撃方法では効果がありません。戦い方のコツは、まずボスとの距離を詰め、敵が大太刀を振り下ろそうとする瞬間に小ジャンプで跳びのいて、そのまま空中で反転し、頭部を狙って手裏剣を投げることです。この方法ならば、効率良くダメージを与えることができます。また、塀の上は安全地帯となっているので、位置取りを上手く利用すると有利に戦えますが、遠距離からの攻撃は効率が悪いため、積極的に近づいて攻撃を仕掛けることがポイントです。
シャドウダンサーは分身の術を駆使する敵です。本体にダメージを与えることができるのは、分身が一体になった時のみ。攻撃を受けるたびに分身が消えていくため、集中して本体を狙う必要があります。戦い方のコツは、ボスがジャンプして斜め下に手裏剣を投げてくる攻撃を避けつつ、手裏剣の下を潜り抜けて近づき、着地した瞬間にしゃがみ近接攻撃を連打することです。また、雷の術を使えば、ボスの攻撃を気にせず積極的に攻撃を仕掛けることができます。分身が全て消えた後のボスの新たな攻撃パターンには、適切な距離を保ちながら、ジャンプ手裏剣で対処しましょう。
生体コンピュータがボスとして登場します。この戦いでは、レーザーを撃ってくる砲台が主な脅威となりますが、ボス本体であるブレイン自体は攻撃をしてきません。戦い方のコツは、レーザーが発射された後もプレイヤーを追尾するため、レーザーの直下を通過する際は、止まらずに広い方向へ逃げることが重要です。ブレインが露出した際には、小ジャンプしながら攻撃を行うか、カバーの内側に飛び込んで攻撃後すぐに脱出することでダメージを与えられます。雷の術を使うと、より迅速にボスを倒すことが可能になります。
ハルクレスがダメージを受けると緑色に変色していく特徴を利用します。戦い方のポイントは、ハルクレスの弱点である頭部を狙うことです。小ジャンプを使って頭部に連続で攻撃を加えることが効果的です。ハルクレスがスクラップを持ち上げた時は、攻撃を避けつつ彼の懐に近づき、近接攻撃でダメージを与えるチャンスです。また、ハルクレスが腰を落とした際にはショルダータックルの攻撃が予測されるため、ジャンプで早めに避ける必要があります。この攻撃と回避の繰り返しを駆使してハルクレスを倒すことが求められます。最終的にハルクレスを倒すと、彼はメカニカルな骨格を露わにしますが、これはすぐに爆発して戦いは終了します。
ボスはミサイル輸送車が登場します。このボスの弱点は、時折出現する3つの赤いコアです。特に、左と中央のコアは大砲を装備しており、これらを破壊することが目標となります。戦略としては、安全地帯を利用する方法が効果的です。戦闘開始直後に中央のコアの台座に乗ることで、青い電撃が下を通り抜けるため、ここが安全地帯となります。中央のコアを近接攻撃で破壊した後、左右に手裏剣を撃つことで、無傷でクリアが可能です。ただし、右のコアについては、安全地帯からは直接見えないため、画面外に手裏剣を連射することで破壊を試みます。電撃をジャンプで避けつつ攻撃する通常の方法でもクリアは可能ですが、安全地帯を利用した戦略の方が効率的です。
メタモルフォーマーとの戦いでは、初期形態がスパイダーマン似の幼虫であることを利用します。天井を這って移動するボスからは、スパイダーウェブが投げられますが、これはしゃがみ歩きなどで避けることが可能です。ボスがムサシの真上に来た際には急降下攻撃を行ってきますが、このタイミングで立ち止まらず、ジャンプして手裏剣で反撃することが攻略の鍵です。ウェブは十字受けで消せるため、パワーアップ中はより安全に戦えます。
ボス戦は、巨大怪獣モンスターGとの戦いです。この戦いでは、特に位置取りが重要になります。まず、画面の左端、足場の上と下を利用して戦うことが推奨されます。モンスターGはプレイヤーの位置を狙って炎を吐き出してくるため、炎が来る直前には、上にいるときは下へ、下にいるときは上へと逃げる動きが必要です。これにより、炎の攻撃を避けつつ、ボスにダメージを与える機会を増やすことができます。モンスターGが画面の左端、特に足場の近くまで来た際には、その動きにも注意が必要です。ボスがムサシが下にいるときには後ろを向いて尻尾を振り回すようになりますので、このときはすかさず上に登り、尻尾の攻撃をかわしながら、ボスの後頭部に攻撃を加えるのが有効です。その後、ボスが振り返った瞬間に再度攻撃を入れることができれば、効率的にダメージを与えることができます。
マスクド忍者と対決します。このステージは非常にユニークな要素を持っており、戦闘開始と同時に背景のつり天井がゆっくりと降りてきます。このつり天井は、プレイヤーが特定のアクションを取らなければ、最終的には許婚・ナオコを死に至らせてしまい、ゲームのバッドエンドへと直結する重要な要素です。この状況を防ぐためには、左右の壁にある穴を手裏剣で撃ち、つり天井の動きを一時的に止める必要があります。マスクド忍者は強敵ですが、事前にパワーアップアイテムや忍術をしっかりと集めておけば、戦いを有利に進めることができます。特に雷の術は、戦闘開始直後に使用することで、初動の攻撃で大きなダメージを与えることが可能です。また、パワーアップを失わないように注意しながら戦うことが重要です。戦闘の基本戦略は、ヒット&アウェイを心がけることです。マスクド忍者は、プレイヤーが近づくと髪を振って攻撃してきますが、攻撃を受け付けるのはこの時だけです。この攻撃を避けつつ、しゃがみ歩きで接近し、攻撃の隙をついてダメージを与えます。ボスは反撃として髪をブーメランのように飛ばしてきますが、これは一定のパターンを持っているため、攻撃を避けることが可能です。攻撃後は立ち上がり、後方へ通常ジャンプで逃げることで、髪の攻撃を避けられます。ただし、特定の回数の攻撃では髪が真横に飛んでくるため、八双飛びで上手く飛び越える必要があります。パワーアップを持っていれば、この戦略を繰り返すことでマスクド忍者を比較的容易に倒すことができます。しかし、パワーアップがない場合は、髪の攻撃を避けるたびに、積極的に壁の穴を撃ってつり天井の進行を止めることが必要になります。この戦略を念頭に置きながら戦えば、マスクド忍者を倒し、ナオコを救出することができるでしょう。
敵キャラクター
キャラクター名 | 得点 | 耐久力 | ダメージ |
---|---|---|---|
面(おもて) | 300 | 1 | 手裏剣:1 |
ハチ | 800 | 1 | 体当たり:1 |
霞(かすみ) | 500 | 1 | 刀:2 |
グリーンヘッド | 300 | 1 | 自動小銃:1 |
グリーンヘッド | 800 | 1 | 手榴弾:2 |
カール | 200 | 1 | 体当たり:1 |
ブルーヘッド | 800 | 1 | 機関銃:2 |
紅龍 | 800 | 2 | 上段蹴り:2/飛び蹴り:2 |
桃華 | 1,000 | 8 | 扇風脚:3 |
白鳳 | 1,000 | 3 | 三節棍:3 |
兜(かぶと) | 1,000 | 2 | 太刀:3 |
ブルーロブスター | 8,000 | 10 | 大太刀:2/接触:1 |
シャドウダンサー | 5,000 | 7/5 | 手裏剣:1/接触:1 |
生体コンピュータ | 5,000 | 15 | レーザー:3/接触:1 |
ハルクレス | 3,000 | 25 | スクラップ:3/体当たり:3/接触:1 |
ミサイル輸送車 | 8,000 | 10/10/10 | 大砲:1/電撃:1 |
メタモルフォーマー | 10,000 | 8/8 | 体当たり:3/ウェブ:1/コウモリ:1/接触:1 |
モンスターG | 20,000 | 24 | 火炎:4/尻尾:8/接触:1 |
マスクド忍者 | 500,000 | 20 | 髪振り回し:2/髪飛ばし:4 |
裏技
裏技として、オプション画面で手裏剣の数を「00」に設定し、しばらく待つことで表示が「∞」に変わり、手裏剣が無限に使用できるようになるというものが存在します。これは、手裏剣を使いたい放題にできるため、戦略的にゲームを進める上で大きなアドバンテージとなり得ます。
データ
このタイトルの基本情報です。
発売年 | 1989 |
プラットフォーム | メガドライブ |
ジャンル | アクション |
プレー人数 | 1人 |
メーカー | セガ |
開発会社 | |
プロデューサー | |
ディレクター | |
シナリオ | |
グラフィック | |
サウンド | |
販売数 | |
受賞歴 |
関連タイトル
『忍 SHINOBI』の関連タイトルです。
評価
『忍 SHINOBI』は、プレイヤーからの評価は非常に分かれる傾向にあります。ポジティブな評価としては、ゲームのグラフィックとBGMのクオリティが非常に高く評価されています。特に、ゲーム開始時の実写デモや忍術の派手な演出、巨大キャラクターの登場などが見どころとして挙げられます。古代祐三氏によるBGMも、和風から都市部、中華風の曲まで多彩で、各場面に合わせた変化する曲調がプレイヤーを魅了しています。また、高難易度ながらも練習とステージや敵の配置の理解を通じて攻略法を確立できる点が、ゲームのやりがいとして高く評価されています。忍術の使用回数は少ないものの、強力な効果を持ち、プレイに幅を持たせる要素となっている点もポジティブな評価の一因です。しかし、ネガティブな評価も少なくありません。特に、ゲームの難易度が非常に高く設定されており、序盤からプレイヤーの攻撃を防御する雑魚やボスの存在、ノックバックによる落下死、即死トラップや敵の配置など、死んで覚えることが前提のアクション上級者向けの作風が挫折の原因となることがあります。また、八双飛びのタイミングが難しく、十字受けが歩きながらしか使用できない点、忍者でありながら歩く速度が遅いという点も、プレイヤーにとってのストレス要因となっています。
総合的に、『忍 SHINOBI』は、美麗なグラフィックと素晴らしいBGM、そして挑戦する楽しさを提供する高難易度のゲームバランスが魅力的な作品です。しかし、難易度の高さや一部の操作性の問題がネガティブな評価につながっています。おすすめのプレイヤー像としては、高難易度のゲームに挑戦することを楽しめるアクションゲーム好き、そして何度もトライ&エラーを繰り返し、徐々に腕前を上げていくプロセスを楽しめるひとです。また、ゲーム音楽やレトロゲームのグラフィックに魅力を感じるひとにもおすすめします。
分析の元データは、インターネット上の書き込み情報などを可能な限り収集。相当量の情報を元に解析を実施しています。
コメントを残す